ラスト4試合。フクアリに戻ってきたジェフは、ヴァンフォーレ甲府と対戦する。
新型コロナウィルスの陽性反応者が出た前節は、試合前日に濃厚接触者を含む8名の離脱が決定。
増嶋竜也や下平 匠といった久々のスタメン出場選手もいる中で、守備に主眼を置く戦術を徹底し、ポゼッションスタイルを特長とする東京ヴェルディとしっかり渡り合った。
90分を通じての成果は勝点1だったが、この試合の背景を考慮すればそれ以上の価値があったと言っていい。
ベテランらしい立ち居振る舞いでチームに貢献した増嶋や下平は、この終盤にしっかりと自身の存在感をアピールした。
今節の相手である甲府は、第38節終了時点で1試合消化数が少ないながらも勝点「61」を記録し、4位につけている。
J1自動昇格圏の2位・アビスパ福岡との差は13ポイントと大きく離れているが、もちろん可能性はゼロではない。この試合に懸けるモチベーションは相当のものがあるだろう。
今シーズンの甲府は“負けないチーム”という確固たるスタイルを確立しており、前半戦、後半戦に喫した黒星はいずれも3つずつ。
黒星「6」は首位を快走する徳島ヴォルティスと並ぶリーグベストの記録で、引き分けの多さが徳島との差に表れているものの、今シーズンにおけるリーグ屈指の強豪であることは間違いない。最近10試合の戦績を見ると、5勝4分1敗と安定感抜群だ。
下平 匠が展望する。
「甲府は3バックでしっかり自陣からボールをつないでくるし、形を変えて流動的に動いてくる相手だという印象です。
うまく背後を使ったり、食いつかせて逆サイドに展開したりと、相手にとってイヤなことをしていくのが一番大切だと思います。
甲府は守備時には5バックになるので、相手のウイングバックをどこに食いつかせるかが、次の試合ではポイントになると思います。
絶対的エースのドゥドゥと絶対的チャンスメーカーの泉澤 仁がケガで離脱しているようだが、前節のレノファ山口FC戦でスタメン出場した1トップのラファエル、2列目の松田 力と宮崎純真らはいずれも決定機を演出する能力が高い。
武田翔平を軸とする中盤には安定感があり、守備に5バックとなる最終ラインは40歳の大ベテラン山本英臣を中心によく組織されている。
2年前まで甲府でプレーした堀米勇輝が言う。
「自分が育ってきたクラブなので、特別なことに変わりはありません。楽しみというかワクワクしている気持ちは当然あります。
甲府は今シーズン負け数も少なく、選手も入れ替わりながら、しっかり勝点を積み上げてきている印象があります。
若い選手も出てきていますし、監督のやりたいことがチームに積み重ねられていて、良い循環をしている印象もあります」
尹 晶煥監督はメンタリティーの重要性を強調した。
「やっぱりメンタル的に大変な時期なので、メンタルが悪くならないように。そこがポイントじゃないかなと思いますね。
メンタルが弱くなると集中力も低くなってしまうし、そうなるとミスも増えてくる。そしてミスが増えると、失点につながる。
そういうパターンになってしまうので、しっかり精神力を持って戦うことは大事になると思っています」
ホームで勝点3を。サポーターのこの思いに、しっかりと応えたい。
尹晶煥監督
連戦の最後なので体力的にも疲れてきていると思いますが、相手(甲府)はけっこう勢いをもって来ると思います。(ジェフとしては)前から行くよりは、体力面も考えてうまく耐えることができれば、なんとかチャンスは作れるんじゃないかと思っています。(甲府の映像を)ここ何試合か見ましたが、やっぱり上に行けるチャンスがあるチームというのは、モチベーションがけっこう高いなという感じがしています。ただ、やってみないと分からないので。とりあえず、僕らができることはしっかりやらなければいけないなと思っています。
やっぱりメンタル的に大変な時期なので、メンタルが悪くならないように。そこがポイントじゃないかなと思いますね。メンタルが弱くなると集中力も低くなってしまうし、そうなるとミスも増えてくる。そしてミスが増えると、失点につながる。そういうパターンになってしまうので、しっかり精神力を持って戦うことは大事になると思っています。まず一人ひとりのメンタルが強くならないと、チームの力にはなれないので。みんながそういう風に思って戦えれば、良い勝負になるんじゃないかと思います。
下平匠
前節・東京V戦の(ジェフの)メンバーは身長の大きな選手が多く、ミスマッチをする部分もあったので、セットプレーで得点を取れれば良かったです。ただ(次の)相手の甲府もセットプレーが特長の一つなので、気を付けなければいけない部分です。(甲府は)3バックでしっかり自陣からボールをつないでくるし、形を変えて流動的に動いてくる相手だという印象です。(J1昇格の可能性を残す)甲府も勝点3が欲しい状況で、積極的に前に出てくることも考えられます。その中でうまく背後を使ったり、食いつかせて逆サイドに展開したりと、相手にとってイヤなことをしていくのが一番大切だと思います。甲府は守備時には5バックになるので、相手のウイングバックをどこに食いつかせるかが、次の試合ではポイントになると思います。(食いつかせ方は)立ち位置も大事ですし“ボールをどう運び、サイドに行くのか、中に行くのか”というところだと思います。守備は全員の意識次第で失点を減らせている試合も多くなっていますし、それをベースにしながら、攻撃の部分でどこを狙ってどう崩すのかを、もう少し選手の中で話し合えればと思っています。
堀米勇輝
(前節は)「勝って勝点3を持って帰ろう」と話をしていた中で、ヴェルディというボールを大事にして戦う相手に対して勝点1を持って帰れたことは、自分たちの自信にしていいと思いますし、次のホームで勝てばこの勝点1の意味が大きくなるので、この甲府戦は大事になると思っています。
(甲府戦出場でJ2通算200試合達成となることについて)甲府でプロキャリアをスタートして、対戦できることは選手として幸せなことだと思います。200はまだまだだと思いますけど、キャリアを積み上げてこられたのは、甲府やこれまで所属させてもらったクラブの方たちのサポートがあってこそ。そういう人たちに誇りに思ってもらえるプレーを今後もっと見せていきたいですし、試合数というよりは皆さんにサッカーの楽しみを提供できる選手になっていきたいです。
(甲府は)自分が育ってきたクラブなので、特別なことに変わりはありません。楽しみというかワクワクしている気持ちは当然あります。甲府は今シーズン負け数も少なく、選手も入れ替わりながら、しっかり勝点を積み上げてきている印象があります。若い選手も出てきていますし、監督のやりたいことがチームに積み重ねられていて、良い循環をしている印象もあります。
[前節の布陣/甲府]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/甲府]
J2第33節 11/11 vs 水戸(H) 2○0
J2第35節 11/21 vs 磐田(H) 1△1
J2第36節 11/25 vs 京都(A) 1△1
J2第37節 11/29 vs 山形(H) 0△0
J2第38節 12/2 vs 山口(A) 2○0
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第34節 11/15 vs 新潟(A) 2○0
J2第35節 11/21 vs 長崎(H) 0●1
J2第36節 11/25 vs 山口(A) 2○1
J2第37節 11/29 vs 磐田(H) 1●2
J2第38節 12/2 vs 東京V(A) 1△1
[過去の対戦成績]
18/04/28 甲府 1-1 千葉
18/07/25 千葉 2-1 甲府
19/05/05 甲府 1-2 千葉
19/08/24 千葉 0-3 甲府
20/07/25 甲府 2-1 千葉