激動の2020シーズンも、いよいよ最後のアウェイゲームを迎える。
対戦相手は栃木SC。第40節終了時点で14勝13分13敗と勝ち越しており、勝点「55」で11位につけている。最近5試合は2勝3分と黒星がなく、好調を維持して最終盤を迎えている。現時点では残り2試合の結果次第で6位まで浮上する可能性を残しているから、この試合におけるモチベーションは高いはずだ。
シーズン後半戦はGK塩田仁史やMF岩間雄大、FW矢野貴章らベテラン選手の存在感が際立っているが、DF黒﨑隼人やMF明本考浩、MF森 俊貴らシーズンを通じて活躍した若手選手も少なくなかった。ジェフのアカデミー出身であるMF佐藤 祥、さらに期限付き移籍中のDF溝渕雄志もいずれもフル回転で主軸の働きを見せており、佐藤は累積警告による出場停止、溝渕は期限付き移籍の契約内容に基づいて今節のピッチに立つことはないが、チーム、個人ともポジティブな1年を過ごしていることは間違いない。絶好調の現状も手伝って、ジェフにとっては難しい相手だ。
現役時代に尹晶煥監督とチームメイトだった栃木の田坂和昭監督は、守備時に4-4-2のブロックを敷くジェフと似たスタイルのチームを作っている。
最終ラインは相手に応じて適度な高さを保ちながら、しっかりと構えて組織的な守備を徹底し、ボールを奪ったら少ない手数で相手ゴールに迫る。結果からもわかるとおり、終盤戦を迎えてそうしたスタイルの完成度は高まりつつあるようだ。
印象について、米倉恒貴が言う。
「今年のジェフに似ているチームという感覚です。ブロックを組み、後ろが堅いチームで、前回対戦ではそこを攻略するときにアイデアが足りませんでした。良い意味で“遊ぶ”イメージが持てる選手が前にいれば、うまいこと剥がしたりできると思います。みんなで攻撃のアイデアを持つことが大事です」
高橋壱晟も同様の印象を口にした。
「前回のホームでの試合では、前への圧力が強くて、プレッシャーも早く、手堅くやってくる印象がありました。そのパワーに負けないようなプレーを、自分が出場したらやりたいと思います。(2試合出場停止となる)泰士さん(田口)が出ても出なくても、普段から準備を100%でやっているので、変わらずにやりたいと思います」
もちろんジェフについても、ここのところの特に守備に対する手応えは大きい。尹監督が言う。
「修正しながらやってきて、ようやく選手たちからも『こういうことなんだな』という話も出てきました。少し遅くなりましたけれど、そこからみんなやりやすくなってきたなという感じ」
前節はJ2リーグの首位を快走する徳島ヴォルティスをシュート2本に抑えるスコアレスドローで勝点1を手に入れ、守備に関しては選手たちも「自信」を口にした。これをもって戦えば、そう簡単にはやられない。そうした実感があるからこそ、いかにして攻撃に転じ、ゴールと勝利を奪うところまで持っていけるかが来シーズンへとつながる残り2試合のポイントとなるだろう。
尹監督は「メンバーの変更」を示唆しているが、誰がピッチに立ってもやるべきことは変わらない。今シーズンは目に見える結果を残してきたアウェイゲームのラストを、しっかりと勝利で飾りたい。
尹晶煥監督
(ここまでを振り返ると)修正しながらやってきて、ようやく選手たちからも「こういうことなんだな」という話も出てきました。少し遅くなりましたけれど、そこからみんなやりやすくなってきたなという感じですね。でもサッカーは守備だけではないので、次、ボールを奪ったあとの攻撃のところが課題になってきています。守備は前から(プレッシャーに)行くときと、少し下がってきてハーフウェイラインのところでしっかりブロックを敷いて守るということ(の使い分け)が、前よりはしっかりできてきているなという感じです。
(次の栃木戦は)中2日で遠征(アウェイ)の2試合目で、今は後ろのディフェンスの人数がそんなにいないので、前半くらいだったらいけそうな気もしますけど、サッカーは90分なので、行くときと行かないときのメリハリをしっかりもってやらないといけないと思います。
最後(の試合)まで2試合しか残っていないので、(90分間)最後まで頑張って戦って、勝点を取って帰って来たいなという気持ちです。ホームで最後の試合をもっとうまくできるような状況を作りたいなと思っています。
米倉恒貴
守備の戦術はもちろん大事ですが、目の前の相手にやらせないことや、最後に絶対に体を張って守ることとか、気持ち的な部分がすごく大きく、それがここ数試合は出ています。逆に守備のほうに力を使いすぎて、攻撃でガス欠になっていることも少なくはないので、うまくスムーズに攻撃に転じることができれば、本来やりたいサッカーになってくると思います。相手のアクションに対して、すべてリアクションになると疲れてしまうので、自分たちから“攻める守備”というか、相手をハメ込んで奪う、攻めて奪うことも必要になってくると思います。最近うまくいっているときは、自分たちがハメに行って、そこから攻めるというのがうまくいっているパターン。それができれば、やりたいようにできると思っています。
(栃木は)今年のジェフに似ているチームという感覚です。ブロックを組み、後ろが堅いチームで、前回対戦ではそこを攻略するときにアイデアが足りませんでした。良い意味で“遊ぶ”イメージが持てる選手が前にいれば、うまいこと剥がしたりできると思います。みんなで攻撃のアイデアを持つことが大事です。
高橋壱晟
今年は後半戦になるにつれて自分の持ち味を出せてきたので、自分でも手ごたえをつかめたシーズンだったと思います。特に尹監督になって守備的な戦いをすることが多くなり、自分でいろいろ模索をする中でボールを奪うシーンが出せました。ボランチでプレーする選手の中で、攻撃に出て行くスピードがあるのは僕が一番だと思っています。そういう意味では、その回数と質を結果につなげるようにやっていきたいと思います。
(栃木との)前回のホームでの試合では、前への圧力が強くて、プレッシャーも早く、手堅くやってくる印象がありました。そのパワーに負けないようなプレーを、自分が出場したらやりたいと思います。(2試合出場停止となる)泰士さん(田口)が出ても出なくても、普段から準備を100%でやっているので、変わらずにやりたいと思います。最後の2試合、今までやってきたことを最後までやれるように、やってきた結果を残したいです。
シーズンを通して勝ち続けることができなかったのは申し訳ないと思っているのですが、それを来年につなげられるように全力で戦いますので、応援よろしくお願いします。
[前節の布陣/栃木]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/栃木]
J2第36節 11/25 vs 岡山(A) 3○2
J2第37節 11/29 vs 山口(H) 2○0
J2第38節 12/2 vs 新潟(A) 2△2
J2第39節 12/6 vs 群馬(H) 2△2
J2第40節 12/13 vs 金沢(A) 1△1
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第36節 11/25 vs 山口(A) 2○1
J2第37節 11/29 vs 磐田(H) 1●2
J2第38節 12/2 vs 東京V(A) 1△1
J2第39節 12/6 vs 甲府(H) 1○0
J2第40節 12/13 vs 徳島(A) 0△0
[過去の対戦成績]
18/06/30 栃木 0-1 千葉
18/11/17 千葉 0-0 栃木
19/06/09 栃木 0-0 千葉
19/11/24 千葉 0-1 栃木
20/07/11 千葉 0-1 栃木