栃木SCの圧力を最後まで跳ね返すことができなかった。
スタメンは4-4-2の布陣。前日の会見で話したとおり、尹 晶煥監督は前節から大幅にメンバーを入れ替えた。GKは新井章太。最終ラインは右からゲリア、新井一耀、鳥海晃司、下平 匠の4人。中盤の底に小島秀仁と髙橋壱晟が構え、右サイドに矢田 旭、左サイドに為田大貴が位置。2トップには川又堅碁と工藤浩平が縦関係で並んだ。徳島ヴォルティス戦から継続してスタメンに名を連ねたのは新井章太、新井一耀、鳥海、下平の4人だけだ。
同じ4-4-2のフォーメーションを採用する両チームだが、スタイルは対局にあった。構えたブロックからのカウンターを狙うジェフに対し、栃木SCは前線からアグレッシブなプレスを仕掛け、押し込んだ状態でセカンドボールの奪取を狙う。戦前の予想ではボール支配率で栃木が上回ると思われたが、実際は逆。ボールをつなぐジェフとそれを追いかける栃木という展開となり、中盤で激しく潰し合う主導権争いが繰り広げられた。
最初にチャンスを迎えたのはジェフ。5分、カウンターから新井一耀がアーリークロスを放り込み、川又がヘディングでつなぐ。これを拾った工藤がシュートを放った。19分には左サイドからカウンターを仕掛け、工藤とのワンツーで突破した為田がマイナス方向のクロス。走り込んだ矢田がシュートを放ったが枠内に飛ばすことはできなかった。
一方、いくつかのミスからピンチも招いた。29分にはビルドアップのミスを突かれてボールを拾われ、アーリークロスから森 俊貴がシュート。さらにこぼれ球を拾った明本考浩もシュートを放った。直後の31分には再び明本がシュートを放ち、こぼれ球を大島康樹がシュート。ゴールの枠をわずかに外れる際どいシュートだった。栃木はアディショナルタイムにも矢野貴章がミドルシュートを放つなど、徐々にプレスを強めてジェフを自陣に押し込んだ。
後半に入ると、スタメンを大きく変更してこの試合に臨んだジェフは、時間の経過とともに体力的な不安を露呈して徐々に押し込まれる。
51分には栃木のGKからのロングフィードを矢野貴章が競り合い、こぼれ球に反応した明本考浩がシュート。このプレーを機に流れは栃木に傾き、58分には矢野貴章のチャンスメイクから栃木に決定機。59分にはジェフの左サイドからクロスを放り込まれてピンチを招いたが、最後は新井一耀のビッグプレーで失点を回避した。しかし、迎えた67分に再び左サイドからクロスを放り込まれ、セットプレーの流れでゴール前に残っていたDF柳 育崇にヘディングシュートを決められてしまう。
先制を許したジェフは72分、矢田に代えてアラン ピニェイロ、為田に代えて米倉恒貴、工藤に代えて山下敬大と3枚替えで反撃を試みるが、気持ちばかりが先行して「形」を作れず、決定機に結びつける攻撃を繰り出すことができなかった。小島が振り返る。
「時間が進むにつれて攻めなければいけないという気持ちが強すぎて、後半、一人ひとりの距離感が開いてしまったところがあったので。真ん中が孤立して、相手のほうが出足も速かったし、そこはボランチの自分たちがもっと拾って展開しなきゃいけなかったと思います」
前からのプレス、球際の激しさ、前線へのロングボールと“力”で押し込んできた栃木に対し、ジェフはそれを受けて跳ね返すことができなかった。試合はそのままタイムアップを迎え、ジェフは0-1で黒星を喫した。
次節は最終節。なんとしても、勝利とともにシーズンを締めくくりたい。