耐えて手に入れた価値ある勝点1

第2節の相手は愛媛FC。ジェフは前半のほとんどの時間帯で相手を圧倒しながらミスによる失点を喫し、守勢を強いられた後半は我慢強く耐えて勝点1を獲得した。

スタメンは4-4-2の布陣。GKは鈴木椋大。最終ラインは右から米倉恒貴、チャン ミンギュ、鈴木大輔、安田理大の4人。中盤の底に熊谷アンドリューと小島秀仁が構え、右サイドに岩崎悠人、左サイドに見木友哉が位置。2トップには大槻周平とブワニカ啓太が並んだ。

“今シーズンのジェフ”を表現することができた前半だった。2トップの大槻とブワニカがプレスのスイッチとなり、相手のパスコースを限定した瞬間に全体を押し上げてインターセプトを狙う。奪ったらサイドに展開して縦に仕掛け、相手を押し込んだら角度をつけてクロス。理想的な形を作って勢いに乗り、相手を圧倒した。

まずは6分、相手のFKからカウンターのチャンスを作ると、7分には安田のクロスからのこぼれ球に対して積極的な守備を見せ、ボールを奪う。このプレーで勢いを得たジェフは、10分、FKのチャンスから左サイドに流れたボールを小島がクロス。ゴール前に残っていたキャプテンの鈴木大輔がニアサイドに飛び込んで見事なヘディングシュートを決めた。

ジェフの時間はその後も続く。13分にはカウンターから岩崎がドリブルで独走し、最後は左サイドからカットインした見木が強烈なシュート。18分には小島のクロスが流れたところを安田がフォローし、ニアサイドにクロス。飛び込んだ大槻がヘディングシュートをゴールの枠に飛ばした。さらに25分には再び安田のクロスからチャンスを作り、32分にはロングカウンターから熊谷のラストパスで決定機を作りかけた。

しかし“ジェフの時間”はここまでで、36分には最終ラインでのパスミスから失点。これを機に流れが変わり、ジェフは守勢を強いられた。それまで前線からプレスを仕掛けてきた愛媛が飲水タイムを機にリトリートして“構える守備”に転じると、ビルドアップに手こずってサイドに追い込まれ、長いボールに頼る攻撃が増えた。

後半、51分に左右両サイドからクロスを入れるビッグチャンスを作ったが、勝ち越しゴールには至らず。再び主導権を愛媛に握られ、組織全体が間延びしてしまう苦しい時間が続いた。それでも、60分、71分と続いたピンチを回避すると、尹晶煥監督は熊谷に代えて高橋壱晟、大槻に代えて船山貴之を投入。この選手交代で流れを引き戻し、79分には左サイドに流れた船山のポストプレーから見木が抜け出してフィニッシュまで持ち込んだ。

終始劣勢が続いた後半は組織の間延びなど“ゲーム運び”に関する課題を露呈したが、圧倒的に押し込まれながらも最後の最後まで集中力を切らさず、失点を回避して1-1のドローでタイムアップを迎えた。キャプテンの鈴木大輔が言う。

「勝点1については、開幕戦はホームで勝ち切りたかったし、今日も勝てた試合だったとは思います。ただ、次の試合での勝点3を狙う上では、この2試合で積み上げた勝点2はプラスに働くと思うので。この2ポイントを無駄にしないように、次の試合が大事になってくると思います」

ホームに戻る次節の相手は、J3からの昇格組であるブラウブリッツ秋田。手元にある勝点2の価値を高めるために、フクアリで今シーズン初勝利の歓喜を味わいたい。