開幕からの2試合連続ドローという結果を、どう解釈するか。
いまだ「未勝利」、勝点2で16位という結果に対してはネガティブな見方もできるが、一方で「無敗」であること、さらに内容に少しずつではあるが改善が見られていることを考えれば「まだまだこれから」とポジティブに解釈することもできる。この2試合を“意味あるもの”とするために、迎える第3節の勝利が必要だ。
相手はブラウブリッツ秋田。J3リーグからの昇格組であること、さらに本拠地フクアリで戦うホームゲームであることを考えれば、何としても勝点3を奪わなければならない。
昨シーズンのJ3リーグは、秋田の独壇場だった。前年までアスルクラロ沼津を率いていた吉田謙監督が指揮を執るチームは、開幕からの9連勝で首位に君臨。開幕から続いた無敗記録は、Jリーグ新記録となる「28」。6試合を残してリーグ優勝を決め、クラブ史上初となるJ2昇格を手繰り寄せた。
今オフの補強も積極的だった。開幕戦から出場機会を得ている選手の中では、DF増田繁人(←藤枝MYFC)、MF稲葉修土(←カターレ富山)、MF飯尾竜太朗(←ベガルタ仙台)らが新加入。チームは昨シーズンと変わらず前線からのアグレッシブな守備を特徴としており、輪笠祐士と稲葉修土のボランチコンビがセカンドボールを拾って厚みある攻撃を演出する。今シーズンは開幕戦こそザスパクサツ群馬に敗れたものの、第2節は栃木SCを相手に持ち味を発揮し、1-0で完封勝利。勢いに乗ってフクアリに乗り込んでくる。
相手の印象について、尹 晶煥監督が言う。
「(秋田は)昔、僕が鳥栖で初めて監督になったときのような感じじゃないかなという印象です。90分間すごく集中して、全員がハードワークをする。戦う姿勢がすごく印象的なので、そこで負けないように僕らもハードワークしないといけません」
相手のプレースタイルを考慮すれば、当然、プレスをかわして攻撃につなげるビルドアップとルーズボールの主導権争いがポイントとなる。つまり、輪笠、稲葉と対峙するジェフのダブルボランチは、強気の姿勢で前を向いて駆け引きに挑み、賢さと激しさをもってセカンドボールの主導権争いに勝たなければならない。
開幕から2試合連続でこのポジションを務めている小島秀仁が言う。
「(秋田は)割り切ってロングボールからのセカンド狙いで、そこは秋田の強みなので、自由にやらせないように蹴らせないこと、そしてセカンドボールを拾う部分。基礎的なことですが球際や走りが重要になってくると思います。(相手の)対策というより、一人ひとりが競り負けないこと。セカンドボールの予測が重要になってくると思うので、相手のロングボールに対しては、常に良い準備をしなければいけません」
開幕からの2試合において、ジェフはまだ今シーズンの“スタイル”を発揮し切れていない。相手に合わせてプレスのスタートポジションと強度を調整し、常に先手を取ることで主導権を握ってゲームを動かすこと。これができれば間違いなく勝利に近づけるという確信があるからこそ、少しでも早くその手応えを掴むゲームを演じたいところだ。
シーズンの初勝利は、いつだって大きな意味を持つ。手元にある「勝点2」の価値を倍増させる勝利を、ホーム・フクアリで奪いたい。
尹晶煥監督
(前節・愛媛戦は)開幕戦より良くはなっていたのですが、速攻の試合運びのところが、この前はミス1つで流れが完全に変わってしまいました。「明日からの試合では、うまくそれをやりましょう」と。修正していかなきゃいけないところについては、選手たちと話をしています。
(秋田は)昔、僕が鳥栖で初めて監督になったときのような感じじゃないかなという印象です。90分間すごく集中して、全員がハードワークをする。戦う姿勢がすごく印象的なので、そこで負けないように僕らもハードワークしないといけません。そういうところを考えながらやらなければいけないと思っています。相手のストロングポイントはロングスローやセットプレーのところにありますし、勢いを持って前に進む力が強いなと。それと堅い守備が印象的なので、それをどのくらい僕らが(対応)できるか。明日は良いコンディションでやらないといけないと思います。
ホームでは、絶対負けない試合をしないといけないと思っています。相手はJ3から上がってきたチームですが、油断せずに必死に戦って勝点3を取れるように頑張りたいので、応援よろしくお願いします。
小島秀仁
秋田が勢いのあるチームだということは分析を見て分かっているので、その勢いを受けて立たないこと、自分たちから仕掛けていくプレーが大事になってくると思います。基礎的なことですけど、球際や走るところで負けない部分を出さないと秋田には勝てないと思うので、強い気持ちをもってプレーをしたいです。
ジェフの良さとして、前節の愛媛戦ではサイドは深く取れていました。そこは生かしつつ、中へのコンビネーションをもっと我慢強くやる必要があると思います。焦って攻撃してしまうと相手の思うツボなので、どれだけ我慢強く戦えるかがポイントになってくると思います。
(秋田は)割り切ってロングボールからのセカンド狙いで、そこは秋田の強みなので、自由にやらせないように蹴らせないこと、そしてセカンドボールを拾う部分。基礎的なことですが球際や走りが重要になってくると思います。(相手の)対策というより、一人ひとりが競り負けないこと。セカンドボールの予測が重要になってくると思うので、相手のロングボールに対しては、常に良い準備をしなければいけません。少しでも気を抜けばやられますし、気持ちや球際の面が重要だと思います。
ブワニカ啓太
試合中にいろいろと焦ってしまうと自分の思いどおりにいかないので、焦ったときの対処法というか、トレーニング中から深呼吸したりしてリラックスしてプレーできるように取り組んでいます。試合もその感覚と同じようにしています。
開幕戦は、相手に自分の情報が一切知られていなかったと思います。自分の好きなプレーをやっていましたが、(前節の)愛媛戦では対策をされていると感じました。競り合いでタイトに来られたり、間合いを取られたりだとか研究されているのを感じましたが、研究をされてできなくなってしまうのはダメなので、どう研究されても自分のプレーを出せるようにトレーニングしています。
(秋田は)J3でずっと勝ってきたチーム。勢いがあって、運動量やハードワークが非常に目立つチームだということは知っています。その部分で負けてしまうと、試合(の主導権)をもっていかれてしまう形になるので、自分がたくさん声を出して、気合いでは絶対に負けないようにしていきたいです。チームが勝利することが一番なので、得点に絡めるように、そして守備でも貢献できるように、しっかりと準備していきたいです。
[前節の布陣/秋田]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/秋田]
J2第1節 02/28 vs 群馬(A) 1●2
J2第2節 03/07 vs 栃木(A) 1○0
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第1節 02/28 vs 甲府(H) 1△1
J2第2節 03/07 vs 愛媛(A) 1△1
[過去の対戦成績]
なし