前半の序盤に2失点を喫したジェフは、昇格組のブラウブリッツ秋田を相手にいいところなく敗れ、戦績を2分1敗とした。
スタメンは4-4-2の布陣。GKは鈴木椋大。最終ラインは右から米倉恒貴、チャン ミンギュ、鈴木大輔、安田理大の4人。中盤の底に小島秀仁と高橋壱晟が構え、右サイドに福満隆貴、左サイドに見木友哉が位置。2トップには大槻周平と船山貴之が並んだ。
厳しい立ち上がりだった。開始4分、ジェフの左サイドを突破されてズルズルと後退すると、最前線に張る齋藤恵太のポストプレーから沖野将基の突破を許し、グラウンダーのクロスを放り込まれる。逆サイドに流れたボールに反応したのは秋田のMF茂 平。ゴール右隅に冷静に蹴り込まれ、ジェフは先制点を奪われた。
その後も縦に速い攻撃とセカンドボールへの素早い反応、さらにCKとロングスローで押し込まれたジェフは、迎えた17分、GKからのロングフィードを縦につながれると、再びジェフの左サイドを沖野に突破されてクロスを入れられる。ゴール前では身体を張ったが大きくクリアすることはできず、こぼれ球を輪笠祐士に拾われてゴール右隅に流し込まれた。結果的には、立ち上がりの17分間で2失点を喫したことが勝敗の行方を大きく左右した。
飲水タイム、尹晶煥監督は「本当に戦う気持ちがあるのか」と厳しい言葉で選手たちを鼓舞した。29分には福満と見木のポジションを入れ替え、彼ら2人がピッチ中央に顔を出してボールを受けることで少しずつペースを握り始める。前半について、尹監督はこう振り返った。
「相手は非常にハードで、タフで、積極的なチームということで、しっかりと準備をしてきました。しかし、前半は選手が試合に入り込むまでに少し時間がかかり過ぎてしまい、その時間に失点してしまったことで難しい展開になってしまったと思います」
後半は立ち上がりからジェフが主導権を握ったが、67分、秋田は齋藤恵太に代えて吉田伊吹、中村亮太に代えて才藤龍治を投入し、システムを4-4-2に変更して守備の形を変えた。反撃の糸口を探し続けたジェフは、60分、左サイドの安田からチャンを経由して高橋が縦につなぎ、福満、船山とつないでビッグチャンスを作ったものの、「決定機」と言えるシーンはこれだけ。その後はピッチ中央、ゴール前をしっかり固める秋田の堅守を最後まで崩すことができず、ブワニカ啓太、岩崎悠人との途中投入も特効薬にはならなかった。
枠内シュート「0」に終わった攻撃について、福満が振り返る。
「(サイドハーフがピッチ中央でパスを受ける動きは)最初からやろうとしていたこと。ただ、相手のプレッシャーの速さもあり、前半の立ち上がりはいい形で受けることができませんでした。時間が経つにつれて流動性を持ってパスを受けられるようになってからは、いいリズムでパスを回せるシーンもあったと思います」
“過程”だけを見れば、ポジティブなシーンはいくつかあった。しかし指揮官は、それだけでは評価できないと厳しい言葉を口にした。
「得点することができない攻撃は評価に値しないと思います。シュートに至るまでの過程までは良かったシーンもあったと思いますが、ゴール前での決定力がなければ、それ以外に何かを評価できるものではありません」
3試合を終えて2分1敗。この厳しい現実を、自分たちの力で打開しなければならない。