2つのミスから2失点。反撃及ばず。

少しずつだが着実に、ジェフのスタイルが築かれつつある。その手応えがあるからこそ、指揮官は「もったいない」と何度も口にした。

スタメンは前節と同じく4-2-3-1の布陣。GKはついに戦線復帰を果たした新井章太。最終ラインは右から米倉恒貴、新井一耀、鈴木大輔、小田逸稀の4人。中盤の底に高橋壱晟と小島秀仁が並び、2列目は右に福満隆貴、左に岩崎悠人、トップ下に見木友哉が位置。最前線にはブワニカ啓太が入った。

戦前の予想どおり、立ち上がりの時間帯にボールの主導権を握ったのは京都サンガF.C.だった。まずは6分。ジェフの右サイドから仕掛けられると、松田天馬とのワンツーで抜け出した荻原拓也に強烈なシュートを打たれる。これは新井章太が弾き出したが、連続攻撃を受けたジェフは自陣に押し込まれた。

ジェフの反撃は21分。左サイド深くに進入した岩崎がゴール前にパスを送ると、ブワニカが身体を張ってつなぎ、見木を経由して福満がシュート。こぼれ球に反応した米倉が左足でミドルシュートを放った。直後の23分はまたしても岩崎が持ち味のスピードを発揮し、左サイドを突破。しかしシュートまで持ち込むことができず、逆にカウンターを受けてフィニッシュまで持ち込まれた。

失点は33分。最終ラインでパスをつないだジェフは、右サイドでパスを受けた新井一耀がサイドチェンジを試みるが、これをピーター ウタカがブロック。そのままドリブルで持ち込まれ、ラストパスを松田天馬に押し込まれて先制点を奪われた。悔やまれるミスからの失点について、新井一耀が振り返る。

「相手について「逆サイドが空く」という分析があったので、そこに蹴ろうとしたけれど（ピーター ウタカの）足が出てきて。それが相手にとっていいところにこぼれてしまいました。瞬間的に判断を変えられれば良かったと思いますが、そこが自分の甘いところであると思います」

前半終了間際、ジェフは岩崎のミドルシュートが枠内に飛んだが、京都のGK若原智哉が正面でキャッチ。1点のビハインドのまま後半に向かった。

後半に入ると、1点を追いかけるジェフが立ち上がりから攻勢を強めた。

48分には右サイドを突破した米倉が鋭いクロスでチャンスを演出。48分には見木のシュートが左ポストに当たり、流れを引き寄せたジェフは攻守両面のハードワークでセカンドボールの支配率を徐々に高めた。58分には高橋のスルーパスから米倉がクロス。岩崎が競り合ってこぼれたボールにブワニカが反応し、振り向きざまに見事なシュートを放ったが惜しくもGK正面に飛んだ。流れは完全に、ジェフに傾いていたかに見えた。

ところが、迎えた68分に一瞬の隙を突かれて失点を喫する。京都のシンプルなクリアに対してジェフの最終ラインは落ち着いて処理しようとしたが、またしても一瞬の隙を突かれてピーター ウタカにボールを奪われる。そのまま独走されるとラストパスを福岡慎平に押し込まれ、ジェフのビハインドは2点に変わった。ジェフは試合終了間際の90分に1点を返したが、反撃はそこまで。試合は1-2のままタイムアップとなった。

尹 晶煥監督が振り返る。

「2つのミスが失点につながったということがとてももったいない。あとの部分は集中力の高い守備をやってくれたと思いますし、身体を投げ出して守る姿も見られました。ただ、守備でああいうミスが起きてしまうと、こういう結果になってしまいます。それは、選手たちもよくわかっていると思います」

確かに内容は上向きだが、やはり結果がついてこなければ順位を上げることはできない。ピッチに立っている選手自身がそのことを強く理解しているからこそ、次節、再びアウェイ戦となるツエーゲン金沢戦で何としても勝点3を手に入れたい。