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2021 SEASON MATCHES試合日程・結果

新システムが機能。理想的な勝利



今シーズン初の3連戦の2戦目。アウェイの水戸ホーリーホック戦で、ジェフは理想的な勝利を手に入れた。

スタメンは前節に続いて3バックの布陣だったが、尹晶煥監督は中盤の構成に変化を加えた。GKは新井章太。最終ラインは右から岡野 洵、チャン ミンギュ、鈴木 大輔の3人。中盤の底に位置するアンカーに小林 祐介を据え、その両脇に高橋 壱晟と見木 友哉が位置。右サイドに米倉 恒貴、左サイドに小田 逸稀が入り、最前線に福満 隆貴と大槻 周平が並んだ。

試合開始直後、立ち上がりから積極的にボールを追いかける守備は、ここ数試合のジェフが安定的に発揮できるようになった大きな武器だ。水戸に対しても2トップが前線から激しくチェイスし、中盤の3人がそれに連動して相手の縦パスのインターセプトを狙う。球際の勝負でも気迫で相手を上回ったジェフは、序盤の主導権を握って攻勢に出た。

まずは12分。大槻と福満のプレスによって高い位置でボールを奪うと、サポートに入った小田が勢いよくミドルシュート。16分には右サイドに流れた福満がクロスを放り込み、ニアサイドに飛び込んだ大槻がヘディングで合わせた。相手GKのファインセーブによって阻まれたものの、得点を予感させる大きなチャンスだった。

ジェフの勢いは飲水タイムを挟んでも衰えず、25分には再び高い位置でボールを奪い、福満がミドルシュート。30分には左CKのチャンスから、ニアサイドに入った小田が得意のヘディングでゴールを狙った。40分にも見事なプレスでボールを奪ってショートカウンターを発動。右サイドから放り込んだ福満のクロスは相手に当たってあわやオウンゴールという場面を作った。

戦前のイメージどおりに機能したシステムについて、尹監督はこう話した。

「守備はとても安定しているのですが、攻撃についてもしっかり考えなければなりません。その意味で、今日のシステムを選択しました。前線の攻撃陣の2人がしっかりプレッシャーに行けば、中盤の3枚とウイングバックが前進しながらプレッシャーをかけられるという話をしました。そういった形で、前半からいいシーンが出たと思います」

迎えた後半、戦術的な修正を加えた水戸にやや押される展開となるが、それでもジェフは、冷静かつ我慢強い守備でカウンターを狙った。53分には水戸の松崎 快のラストパスから危ないシーンを招いたが、守備陣が身体を張って中山 仁斗のシュートをブロック。水戸は積極的な選手交代で流れを変えようとしたが、ジェフの選手たちは焦ることなく守備の形を維持し続けた。

尹監督が動いたのは74分。福満に代えて岩崎 悠人、大槻に代えて櫻川 ソロモン、米倉に代えて溝渕 雄志を投入すると、ここから試合が動き始める。両チームともロングボールが増えたことでややオープンな展開となり、その流れを見た両チームの指揮官は交代枠を使い切って勝負に出た。

そして迎えた86分。決勝ゴールを奪ったのはジェフだった。相手の横パスをインターセプトした小田が相手最終ラインの背後にスルーパスを送ると、抜け出した櫻川がGKと1対1に。シュートはゴール右隅に飛び込んでネットを揺らし、このゴールを守り抜いたジェフが勝点3を手に入れた。

櫻川が振り返る。

「外から見ていて、チャンスは作れていたのでそれを決めるだけだと思っていました。自分がピッチに入ったらしっかり決めようと。監督からは「3人で流れを変えよう」と言われたので、みんながそういう気持ちでピッチに入れたことは良かったと思います」

次節、ホームに戻るジェフは3連戦の締めくくりとしてSC相模原と対戦する。最高の形で手に入れた勝利の価値を、今シーズン初の連勝でさらに大きく膨らませたい。