SC相模原と対峙した第10節、ジェフは、またしてもホームで勝点3を手に入れることができなかった。
スタメンは前節と同様、3-5-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右から岡野 洵、チャン ミンギュ、鈴木大輔の3人。アンカーのポジションに小林祐介が入り、右サイドに米倉恒貴、左サイドに小田逸稀が位置。中盤の中央に高橋壱晟と見木友哉が入り、前線には福満隆貴と大槻周平が並んだ。
このゲーム最大の焦点は、対峙する相模原が自陣深くに構える5-3-2の守備的布陣で臨んできたことだ。圧倒的ボール支配率で主導権を握ったジェフは、左右にボールを散らしながら有効なスペースを探し、そこを起点として厚みある攻撃を仕掛けたかった。しかし、相手を揺さぶり、引っ張り出すためのジェフのサイドチェンジは正確性とスピードを欠いた。
尹 晶煥監督が振り返る。
「相手がブロックを形成して低い位置で守備をしてきたので、我々のテンポが遅れたところがあったと思います。パスのタイミングやボールのスピード、いろいろな部分において早くボールを動かすことができませんでした」
相模原の三浦文丈監督は、試合後の記者会見で「あえてジェフの3バックにボールを持たせる守備をした」と話した。それによってビルドアップ時にボールを保持することが多かったキャプテンの鈴木は、こう振り返っている。
「僕ら(鈴木と岡野)以外のところはマンツーマン気味についていて、システムを合わせるような形でやってきたので。逆に言うと僕らがそこから進入して、サイドからどれだけ崩せるか。なるべく同サイドから崩したいなとは思っていました。ただ、単純なクロスが多くなったり、やり直したり、そういう回数も多かったので、同サイドから相手の裏を取りに行くような攻撃ができればいいと思っていました」
相模原は15分にFWユーリ、ジェフは直後の19分に米倉がケガで途中交代を強いられるアクシデントもあったが、前半は両者とも決定機を作ることができず、ミスを誘い合う時間が長く続いた。42分の右CKでは見木のグラウンダーのキックに高橋が合わせ、相手に当たってこぼれたボールを大槻がシュート。しかし相模原のGK三浦基瑛の堅守に阻まれ、ゴールを奪うことはできなかった。
尹監督はハーフタイムに動いた。大槻に代えて櫻川ソロモン、福満に代えて船山貴之を投入。櫻川の高さと強さをシンプルに使う攻撃に切り替えたが、試合の流れを大きく変えることはできなかった。迎えた52分、ジェフの左サイドから放り込まれたロングスローからゴール前の混戦となり、最後は相模原のDF白井達也に押し込まれて失点を喫した。
62分には高橋に代えてブワニカ啓太を投入。76分には見木に代えて小島秀仁を投入し、次々に前線にクロスを供給して相手を押し込んだ。74分には小田のクロスから櫻川がヘディングシュートを放つがゴール上。その後も猛攻を仕掛けたもののゴールには至らず、試合は0-1のままタイムアップを迎えた。
これで今シーズンのホームゲームは5戦未勝利。尹監督は言葉に悔しさをにじませた。
「とても残念でもどかしく感じています。もちろん負けたくて負けたわけではありませんし、強い意志を持って準備してきました。本当にこういう結果になってしまった責任を強く感じていますし、選手たちにどうアプローチしなければならなかったのか、それを考え直さなければならない試合になったと思います」
前節、敵地で理想的な勝利を手に入れたからこそ、大きな課題を突きつけられる形での今節の敗戦は手痛い。それでも試合は続く。この敗戦で見えた課題を克服し、次のゲームに向かいたい。