第10節を終了して勝点「12」。13位で迎える第11節の相手は、ジェフと14ポイント差の勝点「26」で首位に立つアルビレックス新潟だ。
その強さと安定感は突出している。
今シーズンは開幕5連勝でスタートダッシュに成功すると、第6節SC相模原戦、第9節栃木戦でドローを演じた以外はすべて勝利。節目の第10節を無敗で終えており、その勢いは増すばかりだ。
指揮を執って2年目のアルベルト プッチ オルトネダ監督は、昨シーズンから継続するポゼッションスタイルを強化。セレッソ大阪からFW鈴木孝司、ガンバ大阪からMF高 宇洋、ギラヴァンツ北九州からMF藤原奏哉、名古屋グランパスからベテランDF千葉和彦らを獲得し、彼ら新戦力の能力をチームスタイルにフィットさせて大幅なパワーアップに成功した。
基本システムは4-2-3-1だが、最終ラインも中盤もポジションニングは流動性が高い。
ボール保持時には両サイドバックが高い位置を取り、両センターバックと両ボランチの4人でゲームを組み立てる。状況に応じて両センターバックの間にボランチの1枚が下りてくることもあるし、片方のサイドバックが下りてビルドアップに加わることもある。相手の立ち位置や試合状況に応じたビルドアップの手法は多彩だ。過去10試合を見ても、多くの対戦チームが“ボールの奪いどころ”の設定に苦慮している。
また、前線では2列目の3人が積極的なポジションチェンジで相手に的を絞らせず、ボールロストからの切り替えも速い。前線でボールを奪ってからのショートカウンターは得点パターンの1つで、チーム全体としての守備意識も高い。
その印象について、尹晶煥監督が言う。
「攻守のバランスがすごく良くて、特に攻撃の選手たちの動きが速い。サポートの距離もすごく良くて、決定力ある選手もいる中でいろいろなアイデアを持ってやっているなという印象です。途中まで負けていても引き分けにしていて、そういうところを見ていると、すごく雰囲気とか結果もついてきているチームじゃないかなと思います」
チャン ミンギュは試合が始まってからの“対応力”が重要であると口にした。
「新潟は攻撃的なチームで、ウチは守備からというチームに見えるかもしれませんが、試合に入ってみなければどういう形になるかは分かりません。まずは奪われた瞬間の切り替えは当たり前のこと。その試合の状況によっては前から行けないことや、後ろで構えて守備をしないといけないかもしれませんが、それも中(ピッチ)に入っての状況次第だと思っています」
新潟は黒星こそ喫していないものの、第8節ではツエーゲン金沢、第9節では栃木SCの“前からハメにくるプレス”に苦しみ、ビルドアップでボールを奪われてピンチを迎える場面も少なくなかった。ジェフにとっての“狙いどころ”はどこにあるのか。尹監督が展望する。
「できれば前からプレッシャーに行きたいし、それがダメだったら、リトリートしておりてきて守備することも考えていますが、基本は前からプレッシャーに行きたい気持ちはあります。いま守備のところはそれなりにうまくできていると思うので、継続していきたい」
ジェフの課題はボールを奪ってからフィニッシュを“決め切る”ところまで持ち込む得点力にある。相手は首位に立つ強敵だが、この1週間で準備してきた戦い方がハマれば、粘り強く守って1点を争うゲームに持ち込めるだろう。決定機を決め切る力さえあれば、勝機を見いだせる。
苦しい状況が続いているからこそ、強豪相手の大一番をきっかけにしたい。
尹晶煥監督
(次の相手・新潟は)攻守のバランスがすごく良くて、特に攻撃の選手たちの動きが速い。サポートの距離もすごく良くて、決定力ある選手もいる中でいろいろなアイデアを持ってやっているなという印象です。途中まで負けていても引き分けにしていて、そういうところを見ていると、すごく雰囲気とか結果もついてきているチームじゃないかなと思います。
(その新潟相手に)できれば前からプレッシャーに行きたいし、それがダメだったら、リトリートしておりてきて守備することも考えていますが、基本は前からプレッシャーに行きたい気持ちはあります。いま守備のところはそれなりにうまくできていると思うので、継続していきたいです。新潟は切り替えの早さがすごくあるので、そういうところに気を付けながら。選手が明日、相手のプレッシャーを恐れずプレーができればうまくいくと思います。集中力もすごく必要だし、雨(予報)の中でミスがあったときに、周りの選手がどれだけリスク管理をできるか。本間(至恩)選手がキープレーヤーになると思うのですが、その選手だけをマークしに行ってしまうと周りがズレてしまうこともあるので、全体的にバランスを取りながら、キーになる選手にはもっと強くいくように話をしています。また明日もう1回話はするので、意識して試合に入れると思います。
チャン ミンギュ
ホームゲームでサポーターの前で勝てていないこともありますが、前節の敗戦は正直ショックを受けていました。悔しい部分もあったのですが、次の3連戦を考えて今はしっかりと切り替わっています。
(新潟は)J2リーグの1位を無敗で走っているチームで、攻撃的なチームという印象なので、最初にジェフが叩けるように頑張っていきたいです。(高木善朗選手、本間至恩選手といった)2人は意欲的でゲームを作っていける選手だと思うのですが、しっかりとチャレンジ&カバーをしながら対応できると思っています。(セットプレーについては)コーチングスタッフが分析をして、いろいろなアイデアや動きを示してくれています。自分たちはしっかりとアクションを起こして得点を決めることが重要だと思っています。
新潟は攻撃的なチームで、ウチは守備からというチームに見えるかもしれませんが、試合に入ってみなければどういう形になるかは分かりません。
まずは奪われた瞬間の切り替えは当たり前のこと。その試合の状況によっては前から行けないことや、後ろで構えて守備をしないといけないかもしれませんが、それも中(ピッチ)に入っての状況次第だと思っています。
見木友哉
前節の相模原戦は非常に悔しい敗戦でしたが、終わったことなので、自分自身も含めてチームも切り替えができています。
(新潟は)10試合負けなしで首位を走るチーム。非常に強いという印象もありますし、去年から監督も代わらず、しっかりボールをつないできます。高木善朗選手、本間至温選手といった、特に攻撃のキーになる選手がいるので、そこに対してジェフがどういう守備をするのか、どう攻撃をやっていくのかが、しっかりできればいいと思います。自分たちは守備に強みがあるので、先制点を与えないこと、先制点を取ることが大事になってくると思います。
10試合が終わって(自身の成績は)1得点1アシストなのですが、そこが課題だと感じています。新潟の高木選手でいえば6得点6アシストで目に見える結果を出していますし、自分が結果を出せばチームはもう少し上にいると思います。チャンスが来ている中で決め切れていません。新潟戦から3連戦が始まるので、チームに貢献できれば自分としての課題もクリアできますし、チームの勝利にもつながるので、自分に期待をしてやっていきたいです。
[前節の布陣/新潟]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/新潟]
J2第6節 04/04 vs 相模原(A)2△2
J2第7節 04/11 vs 山形(A) 2○0
J2第8節 04/17 vs 金沢(H) 1○0
J2第9節 04/21 vs 栃木(A) 2△2
J2第10節 04/24 vs 愛媛(A) 2○0
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第6節 04/04 vs 京都(A) 1●2
J2第7節 04/11 vs 金沢(A) 1○0
J2第8節 04/17 vs 栃木(H) 0△0
J2第9節 04/21 vs 水戸(A) 1○0
J2第10節 04/25 vs 相模原(H)0●1
[過去の対戦成績]
2018/05/12 千葉 1-2 新潟
2018/07/29 新潟 1-2 千葉
2019/03/03 千葉 1-4 新潟
2019/09/07 新潟 2-1 千葉
2020/09/09 千葉 1-3 新潟
2020/11/15 新潟 0-2 千葉