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2021 SEASON MATCHES試合日程・結果

流れを変えたサウダーニャの一撃。



まさに理想的な勝利だった。

スタメンは前節と同じ3-4-2-1の布陣。GKは新井章太。3バックは右から岡野 洵、チャン ミンギュ、鈴木大輔の3人。ダブルボランチに小林祐介と小島秀仁が並び、右サイドに伊東幸敏、左サイドに小田逸稀が位置。2列目に船山貴之と見木友哉が入り、1トップにホーム初出場となるサウダーニャが構えた。

立ち上がりの15分間は、相手に主導権を握られ続ける“我慢の時間”だった。粘り強い守備で相手の攻撃を跳ね返し続けたものの、14分にはジェフの左サイドを崩されて最後は岡山の疋田優人が強烈なミドルシュート。21分には河野諒祐選手にも枠内に飛ぶミドルシュートを放たれるなど守勢が続いた。

一発で流れを変えたのはサウダーニャだ。

右サイドのハーフウェイライン付近でボールを受けると一気に加速し、ペナルティーエリアの外から思い切りよくトゥキック。これがゴール左隅に吸い込まれ、劣勢だったジェフに先制点が生まれた。

「気持ちいいですね。なんとか相手の前に出て、蹴るべきタイミングで、しっかりと蹴ることができたと思います」

直後の25分には小田が「警戒していた」と振り返る豪快なミドルシュートを決められ同点とされるが、27分に追加点を奪って再びリードを奪う。FKのこぼれ球をつないだジェフは、前線に残っていた岡野のポストプレーから見木が右サイドに展開。船山のクロスのこぼれ球に反応した小田が冷静に流し込んだ。

サウダーニャの負傷交代というアクシデントはあったものの、迎えた後半、開始早々に小田の仕掛けからPKを獲得したジェフは、船山が冷静に決めて3-1と相手を突き放した。その後の時間帯は後半からポジショニングを変えてきた相手に対して再び守勢に回ったが、システムを2トップに変更するなど柔軟な対応を見せて試合をうまく進めた。

69分には船山に変えてブワニカ啓太、伊東に代えて安田理大、小島に代えて高橋壱晟を投入し、重心を下げる5バック気味の布陣にシフト。ボール主導権を相手に握られ続けながらも我慢強い守備を見せ、84分には安田の突破から生まれたチャンスを最後は見木が決めて勝負を決めた。

試合終了間際の失点は課題だが、「今シーズン初のホーム戦勝利」「今シーズン初の連勝」という2つの結果は何より大きな収穫だ。尹 晶煥監督もホッとした表情を見せてこう振り返った。

「ホームで初勝利できたことを嬉しく思っていますし、この大勢のサポーターの皆さんに勝利を届けることができて安心しています。試合序盤は少し身体の重さが見えたのですが、得点以降は少しずつ軽くなっていく感じがありました。ただ、失点以降はまた気持ちが落ちそうになる雰囲気もありましたが、早い時間に追加点を奪ったことでいい流れに持っていけました」

攻守両面で素晴らしい存在感を示した小田は、この勝利を「きっかけ」にしたいと意気込んだ。

「大量得点することができて、守備の選手として2失点は少なくないと思います。上に行くにはこの失点をゼロにしたり、後半の失点をなくさなければいけないなと。ただ、今日のホームでの勝利がチームが上に行くきっかけになればいいと思います」

待ちに待ったホーム初勝利。この喜びをサポーターと共有できたことを、上昇気流に乗るきっかけとしたい。次節の相手はV・ファーレン長崎。敵地で今シーズン初の3連勝を狙う。