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2021 SEASON MATCHES試合日程・結果

3連勝ならずも価値あるドロー。



チームの成長を感じさせる勝点1だった。

スタメンは前節と同じ3-4-2-1の布陣。GKは新井章太。3バックは右から岡野 洵、チャン ミンギュ、鈴木大輔の3人。中盤の底に小林祐介と小島秀仁が並び、右サイドに伊東幸敏、左サイドに小田逸稀が位置。2列目に船山貴之と見木友哉が入り、1トップにサウダーニャが構えた。

「全体的には難しい試合だったと言えると思います」

試合後に見木がそう振り返ったとおり、ジェフにとっては90分を通じて終始「難しい試合」だった。

立ち上がりの時間帯、4-4-2システムを採用するV・ファーレン長崎のビルドアップに対して前線から追い込む守備がハマらなかったことが要因の1つだ。見木が説明する。

「立ち上がりは5-3-2で守備ブロックを形成したんですけれど、サイドチェンジをされてしまうと中盤の3枚が動かされてキツくなることはわかっていました。サイドをうまく変えられて、なかなかハマらなくて、その影響で立ち上がりは押し込まれてしまったという感じでした」

その影響で重心低く構えてしまったジェフは、守備から攻撃へシフトするリズムを掴めずに守勢を強いられる。11分にはカウンターに転じようとしたシーンでミスによってボールを失い、長崎のMFルアンが強烈なミドルシュート。直後のCKでは長身FW都倉賢にヘディングシュートを放たれたが、これはGK新井がビッグセーブで失点を免れた。

そんな劣勢を変えたのは、またしてもサウダーニャの個人技だった。30分、前節のファジアーノ岡山戦と同様ハーフウェーライン付近からドリブルを開始。相手2人を引き連れながら一気にゴール前に持ち込み、キレのある切り返しから左足でシュート。これがゴール左隅に決まってジェフに先制点をもたらした。

1点リードしたジェフは守備時のシステムを5-4-1に変更。この修正によって序盤の不利を挽回し、いくつかのピンチはありながらも前半を1点のリードで折り返した。しかし迎えた後半も、長崎の攻勢とジェフの守勢という全体の構図は変わらなかった。

MFルアンに代えてMF鍬先祐弥を投入した長崎の4-4-2システムは、ボール保持時は3バックに変形して左サイドバックの米田隼也を高い位置に上げた。その変更によって再びジェフのプレスは惑わされ、後半立ち上がりの47分にジェフの左サイドから放り込まれたクロスを、エジガル ジュニオにヘディングで押し込まれる。

さらに64分、やはり相手の最終ラインへのプレスがうまく機能せず、ロングフィードからパスをつながれて最後はMF加藤大の逆転ゴールを許した。尹晶煥監督が言う。

「後半はさらに雨が強まった中で、相手のロングボールに対する準備はしっかりしていたのですが、集中力の欠如からああいう失点につながってしまい、それによって(雰囲気が)落ちてしまった部分はあったと思います」

明らかに苦しい試合展開だったが、それでもジェフは最後まで諦めなかった。

後半に入ってブワニカ啓太と高橋壱晟を投入していた尹監督は、逆転を許した直後の69分にさらに動いた。伊東に代えて安田理大、船山に代えて大槻周平を投入。その理由についてこう話した。

「ミチ(安田)は右足でも左足でもしっかりとしたクロスを言えられる選手ですし、(小田)逸稀はもともと右利きですから、左右両サイドからスムーズにクロスを入れる形を作りたいという思いはありました。ミチはボールをキープできる能力がありますし、(大槻)周平に関しては前線でスピーディーに動き回る選手が必要だと考えて投入しました」

迎えた最終盤の88分、最終ラインから岡野が縦パスを入れると、大槻の身体を張ったポストプレーを経由して見木が前を向いた。リズミカルなステップから放たれた左足シュートはゴール右隅に吸い込まれ、チームに勝点1をもたらす貴重なゴールとなった。

終始劣勢だった試合に“負けなかった意味”は大きい。次節はホームに戻って、FC町田ゼルビアと対戦する。