今シーズン初の3連勝こそ実現しなかったものの、前節、敵地でV・ファーレン長崎と対戦したジェフは、終始相手のペースで進む劣勢の展開ながら試合終盤に同点ゴールを奪い、ドロー決着による勝点1を手に入れて無敗記録を「3」に伸ばした。
現状の手応えについて、尹 晶煥監督が言う。
「もちろん負けた試合もありますが、内容的にもすごく良くなってきたと感じています。要因としては、選手たちがうまくグラウンドで自分の持っているモノを発揮させるためにシステムを変えたことが、効果的だったんじゃないかと思います」
今度は今シーズン初の「ホーム連勝」を目指してフクアリに戻ってきたジェフが、今節、FC町田ゼルビアと対戦する。
町田は好調だ。第14節終了時点で7勝3分4敗。勝点「24」で6位と上位争いに食い込んでいる。それだけでなく、最近7試合の戦績における黒星は、第11節レノファ山口戦の1つのみ。5勝1分1敗と白星を大きく先行させており、今最も勢いのあるチームと言える存在になりつつある。
ランコ ポポヴィッチ監督が率いて2年目を迎えたチームは、今シーズン開幕前に積極的な補強を敢行した。最終ラインには昨シーズン東京ヴェルディでプレーしていたDF高橋祥平、さらにモンテディオ山形から左サイドバックの三鬼 海を獲得。攻撃陣には名古屋グランパスからMF長谷川アーリアジャスール、清水エスパルスからFW鄭 大世、ヴァンフォーレ甲府から太田修介とドゥドゥを獲得。経験豊富なベテランと勢いのある中堅をバランス良く補強し、戦力の充実に成功した。
チームとしてのスタイルは、ハードワークをベースとする前線からの積極的な守備と、奪ってから縦に速いショートカウンターを仕掛ける堅守速攻型だ。前節は開幕からの無敗記録を続けて首位を快走していたアルビレックス新潟をホームに迎え、見事2-1で勝利。新潟に今シーズン初めて土をつけた。2得点は前半11分までに生まれたものだが、いずれも右サイドから攻撃を仕掛け、クロスを入れてフィニッシュに持ち込む流れだった。2点のリードで主導権を握ると、相手のパスワーク、ドリブル突破にうまく対応しながら後半へ。62分に失点したものの粘り強く守り抜いて勝点3を手にした。
町田の印象について、鈴木大輔が言う。
「前節で新潟に勝って勢いがあるチームですし、順位に関してもコツコツとやってきて上がってきているので、その勢いにやられないこと。それ以上に自分たちが勢いを持って入らなければやられてしまうと思うので、チームとしての勢いに気を付けたいと思います」
今のジェフには、「そう簡単には点を取られない」「そう簡単には負けない」と思える十分な手応えがある。これを確信に変えるために必要なのは、一つひとつの勝利によって積み上げられる自信だ。“勝ち方”を身体で覚えれば、結果は勝手についてくる。
伊東幸敏が言う。
「結果にこだわっている部分を見せたいですし、この世界は内容より結果がすべてです。自分が出場した試合の勝率も気になりますし、自分が出場することでチームが簡単に負けない、勝てる部分を表現していきたいです。自分が出場した試合は、みんなと声を掛け合いながら“勝てる選手”を表現したいと思います」
勢いに乗る町田を倒して、次のステップへ。視界が明るく開けている今こそ、強気の勝負を仕掛けて勝点3をもぎ取りたい。
尹晶煥監督
去年からずっとやってきた4バックから、今は3枚もしくは5枚に変更して、後ろが安定したことで攻撃もその流れでうまくできるようになってきました。もちろん負けた試合もありますが、内容的にもすごく良くなってきたと感じています。要因としては、選手たちがうまくグラウンドで自分の持っているモノを発揮させるためにシステムを変えたことが、効果的だったんじゃないかと思います。
(前節の)長崎戦は、後半の頭(の時間帯に)集中力が切れて失点してしまったことがすごく残念だったのですが、最後まで選手たちが諦めずに引き分けに持ち込めたことは、すごくプラスになると思います。以前ならもっと難しい状況になって、失点をしてしまうような場面だったのですが、(その点では)選手たちに少し力がついてきたんじゃないかと思います。
(町田とは)そこまで力の差はないと思いますが、チャンスが来たときに決めるか決めないかが重要です。失点をせずどれくらいチャンスをつかむかが勝負になると思います。お互い力強く戦うチームなので、そこが勝負の鍵になると考えています。
鈴木大輔
最近はポイント(勝点)を積み重ねられているところ、得点が取れているところで、コンビネーションやカウンターの精度などチームとして積み重ねてきたものが出ていると思います。守備はシステムを変えてから耐えるべき時間に耐えられるようになりました。直近の試合(長崎戦)では複数失点をしてしまいましたが、そこは防げた部分でもあります。先制点を取るまでは耐えて、守備でリズムを作ることは、積み重ねられています。
前節の長崎戦ではクロスでやられているので、自分たちの課題として取り組んでいかなければいけません。後ろの人数が多く、クロスから失点する状況は自分たちの課題なので、センターバックの一人が引き出された時にどう対応するのか。細かなポジショニングの部分ですが、トレーニングから取り組んでいます。
(町田は)前節で新潟に勝って勢いがあるチームですし、順位に関してもコツコツとやってきて上がってきているので、その勢いにやられないこと。それ以上に自分たちが勢いを持って入らなければやられてしまうと思うので、チームとしての勢いに気を付けたいと思います。
伊東幸敏
(結果がついてき始めた要因として)個人的にシステムはそこまで関係がないと思っていて、監督が求めているサッカーが浸透して、みんなで話し合ってやれているからだと思っています。ただ、僕は3バック時のウイングバックをやることは人生で初めてで、まだポジショニングややり方を把握できていない部分もあります。早く適応しなければこの世界では切り落とされてしまうので、うまくプレーしようと思っています。
自分は初めてJ2の舞台を経験していることもあり、町田の印象はあまりありませんが、相手よりも自分たちのやることをやるだけだと思いますし、監督もチームメイトとも「先制点がカギになる」と話しています。
(自身としては)結果にこだわっている部分を見せたいですし、この世界は内容より結果がすべてです。自分が出場した試合の勝率も気になりますし、自分が出場することでチームが簡単に負けない、勝てる部分を表現していきたいです。自分が出場した試合は、みんなと声を掛け合いながら“勝てる選手”を表現したいと思います。
[前節の布陣/町田]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/町田]
J2第10節 04/25 vs 大宮(A) 1○0
J2第11節 05/02 vs 山口(H) 0●2
J2第12節 05/05 vs 岡山(A) 2○1
J2第13節 05/09 vs 相模原(A)1△1
J2第14節 05/16 vs 新潟(H) 2○1
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第10節 04/25 vs 相模原(H)0●1
J2第11節 05/01 vs 新潟(A) 0●2
J2第12節 05/05 vs 山口(A) 1○0
J2第13節 05/09 vs 岡山(H) 4○2
J2第14節 05/15 vs 長崎(A) 2△2
[過去の対戦成績]
18/04/15 千葉 3-2 町田
18/08/12 町田 3-3 千葉
19/06/29 千葉 1-2 町田
19/09/01 町田 1-1 千葉
20/08/09 町田 0-2 千葉
20/10/17 千葉 0-0 町田