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2021 SEASON MATCHES試合日程・結果

雨中の激闘はドロー決着。



「勝点2を失った」という感情と、「価値ある勝点1を取れた」という2つの感情を抱く難しいゲームだった。ブラウブリッツ秋田のホームに乗り込んだシーズン後半戦スタートの第22節は1-1のドロー。前半途中から降り続いた大雨によって、前半と後半ではその内容が大きく異なるゲームとなった。

スタメンは3-4-2-1の布陣。GKは新井章太。3バックは右から新井一耀、チャン ミンギュ、鈴木大輔の3人。中盤の底に田口泰士と小林祐介が並び、右サイドに安田理大、左サイドに小田逸稀が位置。2列目の右に矢田 旭、左に見木友哉が入り、1トップにサウダーニャが構えた。

試合前日に尹 晶煥監督が話したように、今週のジェフは“秋田対策”を入念にトレーニングしてきた。積極的にロングボールを放り込んでくる相手に対して、まずは“ファーストボール”でしっかりと競り合い、“セカンドボール”を拾って素早く攻撃に転じること。ボールを奪ったら左右に相手を揺さぶって縦のクサビを入れ、適切な距離感のサポートで厚みある攻撃を作る。

そうしたジェフの狙いについて、尹監督は「うまくいっていた」と前半を振り返った。

試合開始直後の中盤での激しいボールの奪い合いが落ち着くと、13分にはポストプレーから前を向いたサウダーニャがスルーパス。裏に抜けた矢田がGKと1対1となる決定機を迎えた。シュートはGKに弾かれたものの、出場停止の船山貴之の代役を務めた矢田は、持ち前のキープ力と積極的な縦へのランニングで存分に存在感を示した。

その後も落ち着いた試合運びを見せたジェフは、大きなピンチを迎えることなく主導権を握って試合を進めた。たびたび訪れたセットプレーからゴールを奪えなかったことは悔やまれるが、37分にはFKを小田のヘディングでつないでサウダーニャがシュート。守備の堅い秋田を少しずつ崩している手応えはあった。

ところが、前半40分過ぎから急に天候が変化し、大雨が降り始める。ピッチコンディションはたちまち“水溜り状態”となり、後半に突入するとまともなサッカーができない難しい状態に陥った。

だからこそ、後半開始直後の48分にセットプレーから喫した失点は大きな反省材料だ。直後の50分にサウダーニャの仕掛けから矢田がクロスを放り込み、見木のヘディングシュートで同点に追いついたものの、警戒していたセットプレーから先制点を奪われた流れは試合を難しくした。

それでも、それ以降のチームは高い集中力を保って相手の攻撃を跳ね返し、悪条件にもうまく適応していくつかのチャンスを作った。逆転ゴールを奪うことはできなかったが、最後まで迫力のある攻撃姿勢を示すことができた。

尹監督が言う。

「後半はものすごい雨が降ってしまったのでまともなサッカーをやれる状態ではなかったのですが、相手に先制点を奪われてからも、同点、逆転という雰囲気を作ることができたと思います。そういう意味では勝点2を失ったゲームだと思いますが、こういう悪条件の中でも選手たちが最後までしっかり戦ってくれたことに感謝しています」

ホームに戻ってツエーゲン金沢と対戦する次節は、中断前のラストゲーム。厳しい試合の中ではっきりと示した“強い気持ち”を、次の試合にしっかりとぶつけたい。