勢いをつけて天皇杯3回戦へ！

シーズン後半戦につながる貴重な勝点3となった。

ツエーゲン金沢をホームに迎えた第23節。スタメンは3-4-2-1の布陣。GKは新井章太。3バックは右から新井一耀、チャン ミンギュ、鈴木大輔の3人。中盤の底に田口泰士と小林祐介が入り、右のワイドに安田理大、左のワイドに小田逸稀が位置。2列目に出場停止明けの船山貴之と見木友哉が並び、1トップにはサウダーニャが入った。

4-4-2のブロックを敷きながらマンツーマンディフェンスを採用する相手に対し、ジェフは立ち上がりからうまくボールを動かしつつ突破口を探った。サイドに揺さぶって相手を動かし、そのスペースに縦パスを入れる意識は立ち上がりから強く感じられた。10分には中央でボールを持った小林が船山の足元に縦パス。リターンを受けながら中央突破を試みると、そのまま相手最終ラインの背後に飛び込み、サウダーニャのラストパスを引き出した。17分には田口のスルーパスで裏に抜けたサウダーニャがシュート。徐々にリズムを掴み始めた。

前半唯一のピンチは20分。ジェフの右サイドでダイレクトパスをつながれると、クロスから決定機を作られて嶋田慎太郎のシュートを許した。直後のCKでは大橋尚志に決定的なヘディングシュートを打たれたが、ゴールライン上でカバーに入った小田が身体を投げ出してクリアした。

その後は主導権を握りながらもチャンスを作れない時間が続いたが、前半終了間際のアディショナルタイムに先制点が生まれる。右サイドを起点とする攻撃から安田がスルーパス。タッチライン際を駆け上がった新井一耀がダイレクトでクロスを送ると、ニアサイドに飛び込んだ見木が見事なバックヒールでゴールネットを揺らした。

尹 晶煥監督が振り返る。

「相手の守備はマンツーマンなので、速いパステンポからのサポートなど、これまでも続けてやってきたことですが、そういうプレーを出したいと考えていました。前半は相手にも十分なパワーがあるので簡単ではありませんが、うまく崩すことができたと思います」

迎えた後半。58分にはミスから受けたカウンターで相手にCKを与え、松田 陸にヘディングシュートを決められて試合を降り出しに戻されたものの、直後の64分に見事なゴールで逆転に成功した。左サイドでチャンが粘ってつないだボール。小田のクロスに新井一耀が飛び込むと、その背後から走り込んだ船山が胸トラップからボレーシュート。これがゴール左隅に決まり、ジェフが勝ち越しに成功した。

再びリードを奪ったジェフは、72分に小田に代えて末吉 塁、79分にサウダーニャに代えてブワニカ啓太、船山に代えて熊谷アンドリューを投入。システムを5-3-2に変更して守備のシフトに切り替え、終盤はやや押し込まれながらもきっちりと守り抜いて試合終了を迎えた。

尹監督が言う。

「まずはホームで連勝できたこと、多くの方々の声援に応えられたことを嬉しく思います。これから暑くなっていく中でどのような試合運びをするかが重要なゲームでした。その点では悪くなかったと思いますし、しっかりボールを持ちながら攻撃に出ることもできました。相手のロングボールに対しても、守備陣がしっかり集中してくれたと思います」

中断前最後のリーグ戦は、1週間かけて準備してきたことをチーム全員で共有し、それを発揮して勝点3につなげた。この勢いを持って、川崎フロンターレとの天皇杯3回戦に臨みたい。