3週間の中断を経て、いよいよJ2リーグが再開する。
残すところは19試合。第23節終了時点で8勝8分7敗、勝点「32」で10位につけるジェフは、アウェイでモンテディオ山形と対戦。16ポイント離さされている“J1昇格圏”を猛追するため、何としても勝点3を手に入れたい重要な一戦に臨む。
山形は、中断前のJ2リーグにおいて最も勢いのあったチームだ。最近10試合の戦績は9勝1分。超ハイペースで勝点を積み上げ、第9節終了時点で20位と降格圏にあった順位は一気に6位にまで引き上げられた。その最大の原動力は、4月30日に就任が発表されたオーストラリア人のピーター クラモフスキー監督だ。現在の山形のスタイルについて、尹 晶煥監督がその印象を語る。
「常に動きながらパスを回してくることと、それとカウンターとか、そこがけっこう速いという印象です」
ポジションを流動的に変えながら速いテンポでパスをつなぎ、攻撃と守備のスイッチをチーム全体で共有して連動する。そうした山形のサッカーに対し、ジェフはシーズン前半戦で積み上げてきた3バックを軸とする守備で対抗したい。やはりポイントとなるのは、「前から行くときとそうじゃないとき」を明確に判断し、使い分けることとなるだろう。特に今週は、その準備を進めてきたと尹監督は言う。
中断前の山形の試合を見ればその“強さ”は明らかだが、ジェフもそれなりの手応えを得て中断期間に入った。中でも、PK戦の末に敗れたとはいえ、天皇杯3回戦の川崎フロンターレ戦は大きな意味を持つゲームだった。120分を1-1で終えた手応えを、過信ではなく自信としてこの後の戦いに生かしたい。船山貴之が言う。
「フロンターレを相手にし、ある程度できて惜しいところまでいったことは事実ですが、それが過信になると一気に崩れていきます。気持ちを引き締めなければ危ないと感じます。山形の調子が良いことは結果に表れていますが、ジェフも決して悪いわけではないので、良い試合ができると思っています。ボールを持たれる時間が多くなると思いますが、そこは粘り強く、ジェフらしく戦っていきたいです」
キャプテンの鈴木大輔は、“リスタート”となるこの試合の重要性を口にした。
「公式戦から遠ざかったあとの試合では、“入り”が大事になります。難しいところではありますが、硬い入りにならないようにいつも以上に気をつけたいと思っています」
ボール支配率では相手に上回られるゲームになると予想されるが、着実に右肩上がりの安定感を得つつある組織的な守備で対抗し、カウンターのチャンスを生かしてゴールを奪う展開に持ち込みたい。山形の最近10試合で唯一のドローを演じたのは、他でもないジェフだ。苦手意識はないどころか、「どうすれば勝てるか」のイメージも掴んでいる。
尹監督が言う。
「(山形戦を含めて)今月の4試合が本当にすごく大事な試合になると思います。上位チームとあたるし、その雰囲気にうまく乗れれば。勝つことで雰囲気も盛り上がると思うし、まずは勝つために90分集中して、お互い力を合わせてやることが一番大事じゃないかなと思います」
J1昇格圏の背中は遠いが、追跡不可能な差ではない。「今月の4試合」で1つでも多くのポイントを積み上げ、追撃態勢を整えたい。
尹晶煥監督
(中断期間中は今まで)やってきたことをもっとできるように、特にこの暑さの中でどういう風に戦うかを話をして、練習も含めてやってきました。まず最初は休むことと、その後回復して、徐々に体を作っていくうえで、この夏場をどう戦うかを整理してきたという感じです。
(山形は)常に動きながらパスを回してくることと、それとカウンターとか、そこがけっこう速いという印象です。この夏場は暑いので、前から行くときとそうじゃないとき(の使い分け)、相手が3人目の動きをすごくやってくるので、そこに対しての準備を今週はしてきました。(天皇杯3回戦で)フロンターレと対戦したときのような感じじゃないかなと思いますけど、うまく守れるんじゃないかなと考えています。そのなかで奪ったあとの攻撃のほうをどういう風に持っていくかが大事になってくると思います。
(山形戦を含めて)今月の4試合が本当にすごく大事な試合になると思います。上位チームとあたるし、その雰囲気にうまく乗れれば。勝つことで雰囲気も盛り上がると思うし、まずは勝つために90分集中して、お互い力を合わせてやることが一番大事じゃないかなと思います。
鈴木大輔
公式戦から遠ざかったあとの試合では、“入り”が大事になります。難しいところではありますが、硬い入りにならないようにいつも以上に気をつけたいと思っています。
前回対戦を踏まえると、山形はクオリティーの高いチームだと感じています。ボールを大切にするチームで、選手たちも自信を持ってプレーしている印象です。自分たちは前回対戦で良い守備からカウンター攻撃を出せましたが、試合の流れで最後に追いつかれてしまいました。また難しい試合になると思っています。
自分たちの守備で言うと、これまで良くなってきたのはメリハリがついたことです。時間帯によって相手にプレッシャーをかけにいったり、逆に引き込んだり、試合の流れの中で修正できています。それを継続して中断期間で取り組んできたところを出したいと思っています。上位を見るというより、1試合1試合。前半戦で悔しい思いをしましたが、それを挽回できるチャンスが数多くあります。そこに対するチームのモチベーションは非常に高いです。
船山貴之
(中断期間は)一度体を休めて、コンディションを元に戻すことを意識してやってきました。連係の部分も確認することができました。ただすぐに良くなるとは限らないので、コツコツとこれからもやっていきたいと思います。(天皇杯で)フロンターレを相手にし、ある程度できて惜しいところまでいったことは事実ですが、それが過信になると一気に崩れていきます。気持ちを引き締めなければ危ないと感じます。
山形の調子が良いことは結果に表れていますが、ジェフも決して悪いわけではないので、良い試合ができると思っています。ボールを持たれる時間が多くなると思いますが、そこは粘り強く、ジェフらしく戦っていきたいです。展開するのはボランチなので、どの試合でもそうですが、ボランチにどうプレッシャーをかけるのか。そこで引っ掛けることができればビッグチャンスになると思うので狙っていきたいと思います。
(ジェフとしては)サウダーニャがどういう動きをするのか。彼の球離れもありますし、このタイミングで欲しいというところを(中断期間のすり合わせで)お互い確認できたと思います。
結局ゴールを目指さなければ攻撃に怖さは出ないので、ゴールはいつでも欲しいですね。
[前節の布陣/山形]
[天皇杯3回戦の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/山形]
J2第19節 06/20 vs 水戸(A) 1○0
J2第20節 06/26 vs 金沢(H) 4○1
J2第21節 07/03 vs 大宮(A) 3○1
J2第22節 07/11 vs 松本(H) 1○0
J2第23節 07/17 vs 磐田(A) 2○1
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第20節 06/26 vs 北九州(A)0△0
J2第21節 07/03 vs 群馬(H) 2○0
J2第22節 07/11 vs 秋田(A) 1△1
J2第23節 07/17 vs 金沢(H) 2○1
天皇杯3回戦 07/21 vs 川崎F(H) 1-1(PK3●4)
[過去の対戦成績]
19/05/12 山形 3-1 千葉
19/10/06 千葉 1-4 山形
20/07/29 山形 0-0 千葉
20/11/08 千葉 1-5 山形
21/06/06 千葉 1-1 山形