後半の失速で3失点、完敗。

絶好調のモンテディオ山形に挑んだリーグ再開初戦の第24節。前半こそ互角以上の戦いを演じたジェフだったが、残念ながら、全体的には「完敗」と言っていい内容で黒星を喫した。

スタメンは3-4-2-1の布陣。GKは新井章太。3バックは右から新井一耀、チャン ミンギュ、鈴木大輔の3人。ボランチは田口泰士と小林祐介が並び、右のワイドに福満隆貴、左のワイドに安田理大が位置。2列目には船山貴之と見木友哉、1トップにはサウダーニャが入った。

前半は決して悪くない出来だった。

開始1分にいきなり右サイドからチャンスを作る。新井一耀のグラウンダーのクロスをサウダーニャがスルーすると、走り込んだ見木がシュートを放った。さらに4分には左サイドに開いたサウダーニャがクロス。ファーポスト際で待ち構えた船山がヘディングシュートを放ったが、これはGK正面だった。なおも攻勢を続けるジェフは、11分にサウダーニャがミドルシュート、19分には右サイドからのFKを鈴木がダイビングヘッドで狙うなど、いくつものチャンスを作って相手ゴールに迫った。

守備面でもポゼッションを得意とする相手に対して5-2-3のブロックを形成し、外に追い込みながらミスを誘う守備が機能した。35分には少し足を痛めた小林を熊谷アンドリューに代えるアクシデントがあったが、それでも流れは変わらず、安定した試合運びで前半を終えるかに見えた。

しかし42分、相手CKのこぼれ球をつながれると、最後は藤田息吹に押し込まれて先制点を献上する。直後の43分には安田のクロスが相手DFに跳ね返されたが、落下点に入った田口のミドルレンジからのボレーシュートが炸裂。これがゴール左隅に吸い込まれ、一気に動き始めた試合は同点となって後半に突入した。

もっとも、後半は相手に主導権を握られ続けた45分間だった。

田口が「すべて」と振り返った2失点目は51分。5-2-3のブロックは山形の右サイドを起点とする攻撃から2本の縦パスで崩され、藤田のパスを受けた林 誠道に強烈な勝ち越しゴールを決められてしまう。その後、自陣に押し込められたジェフの劣勢は続き、61分、尹 晶煥監督は前線からの守備のエネルギーを取り戻すために船山に代えて矢田 旭、見木に代えて岩崎悠人を投入。岩崎は直後のプレーで見事なミドルシュートを放ったが、68分には再びCKから途中出場のヴィニシウス アラウージョに追加点を決められてしまった。

72分、ジェフはサウダーニャに代えて櫻川ソロモン、安田に代えて末吉 塁を送り込んだが、劇的に流れを変えることはできず、2点のビハインドを跳ね返すことなく試合終了を迎えた。

尹監督が振り返る。

「後半は集中力が落ちてしまい、瞬間的なリスク管理ができなかったことが今日の敗因であると思います。序盤は高い集中力を見せてくれただけに残念です。セットプレーから失点して難しい試合になってしまいましたし、選手たちは追いつこうと努力しましたが、こういう結果になってしまい残念です。早く修正して、次の試合に臨まなければなりません」

後半の戦い方について、田口は言った。

「後半になってああいう展開になってしまうと、どこでボールを奪って、チームとしてどういう守備、どういう攻撃をするのかがまとまらないまま45分間が過ぎていったので、ああいう展開にしてはいけないと感じました」

再開初戦は絶好調の相手に完敗。このショックを引きずることなく、ホームに戻る次節、やはり上位争いを演じているアルビレックス新潟との戦いに臨みたい。