ずっと感じていた手応えが、ついに結果に表れ始めた。
ジェフは第30節の愛媛FC戦から4戦連続の無失点。第32節の松本山雅FC戦はドローに終わったものの、愛媛、ザスパクサツ群馬、FC町田ゼルビアから勝利を挙げてこの4試合で10ポイントの勝点を積み上げている。順位は10位といまだ2ケタだが、9位水戸ホーリーホックとの差は1ポイント、8位FC琉球との差は5ポイントと“上”にはクリアな視界がひらけている。迎える今節、大宮アルディージャをホームに迎える第34節は、この勢いを継続するために大切な90分となりそうだ。
まずは守備の自信について、尹 晶煥監督はこう話した。
「選手たちは守備のところで、行くところとそうでないところのメリハリがすごくついていて、それを90分集中してやってくれている」
まずは自分たちのはっきりとした“型”があり、それを相手のスタイルや戦術に合わせて「メリハリ」をつける。特にこの4試合についてはそうした戦い方がほぼパーフェクトな状態で機能し、ほとんど隙を見せなかった。
左サイドで安定したプレーを披露している末吉 塁が言う。
「ボールを持たれて厳しい試合展開でも、じれずに誰が出ても良いパフォーマンスを出せているのが良くなっていることだと思います。個人としては、ウイングバックは守備も攻撃も求められるポジションで、守備は無失点という部分もあり安定していると思います」
やはり課題は攻撃だ。いずれの試合も“いい守備”からのカウンターを起点としながら多くのチャンスを作っているものの、フィニッシュの精度は高いとは言えず、そこに次の成長過程があることが間違いない。
前節の町田戦で決勝ゴールを決めた見木友哉が言う。
「勝っている試合は1-0で、4試合で3得点しか取れていないのは攻撃陣からしたらもの足りなさがあります。チームのやり方もありますが、個人的には複数得点を取れるようにやっていきたいです」
勝点「34」で15位につける大宮は、6月の霜田正浩監督就任以降、少しずつだが着実に勝点を積み上げている。最近5試合は2勝2分1敗で、後半戦全体を見れば4勝6分2敗とわずか「2」しか黒星を喫していない。
尹監督が言う。
「まず外国籍選手が入っていないというところですね。日本人の選手で前線の攻撃のところにはスピードのある選手が立っていて、前からのプレッシャーが以前よりは早く、強くなってきたなというイメージです。チーム全体にそういう風になってきていて、やり方はそんなに変わっていないんですけど、一番はそういうところが変わってきたなという感じです」
勝敗を分けるポイントについて、見木は「先制点」を挙げた。
「(ポイントとして)先制点が大事になると考えます。前からの守備をどれだけ外せるか。全部が全部つなぐわけではないので、ロングボールを蹴ったときに、いかにセカンドボールを拾うかが鍵になると思います。そこで拾えれば攻撃の時間も増えてくると思うので、ビルドアップの改善とセカンドボールが重要になると思います」
前半戦はホームで結果を残せなかったジェフだが、後半戦は3勝2分1敗と好調を維持している。ようやく結果に表れるようになった手応えを継続するためにも、ホーム・フクアリでサポーターと喜び合える“結果”を手に入れたい。
尹晶煥監督
最近、選手たちは守備のところで、行くところとそうでないところのメリハリがすごくついていて、それを90分集中してやってくれているから(4試合連続)無失点の試合ができているんじゃないかと思います。
(大宮は霜田正浩監督に代わって)まず外国籍選手が入っていないというところですね。日本人の選手で前線の攻撃のところにはスピードのある選手が立っていて、前からのプレッシャーが以前よりは早く、強くなってきたなというイメージです。チーム全体にそういう風になってきていて、やり方はそんなに変わっていないんですけど、一番はそういうところが変わってきたなという感じです。(相手が)前から来たら、後ろのスペースが空いてくると思うし、そこをうまく崩していかないと、ショートカウンターになりやすいので、そこも考えないといけないと思います。
大宮も最近調子よくなってきているので、お互い90分間集中して戦うこと、そのなかで失点せずに少ないチャンスを生かせるかが一番ポイントになるんじゃないかなと思います。
見木友哉
4試合無失点で、守備の安定感が良くなっています。ただ勝っている試合は1-0で、4試合で3得点しか取れていないのは攻撃陣からしたらもの足りなさがあります。チームのやり方もありますが、個人的には複数得点を取れるようにやっていきたいです。
(大宮は)監督が代わり、ここ最近の試合でも良い戦いをしていると思います。得点も取っていますが、ジェフは守備が好調なので無失点で抑え、1点を取ることに集中したいと思っています。(ポイントとして)先制点が大事になると考えます。前からの守備をどれだけ外せるか。全部が全部つなぐわけではないので、ロングボールを蹴ったときに、いかにセカンドボールを拾うかが鍵になると思います。そこで拾えれば攻撃の時間も増えてくると思うので、ビルドアップの改善とセカンドボールが重要になると思います。
J1昇格の可能性がある限り目指したいですし、勝ち続けることで一つでも上の順位に行くことがチーム内の目標。残り9試合チーム一丸となって戦いたいと思います。(2桁得点は)一つの目標でもあったので、残り9試合ということを考えれば達成しなければいけないと思っています。
末吉塁
ここ数試合は守備が安定し、自分たちの粘り強さや勝負強さが出てきていると思います。(前節で)町田に勝てたのは、それが出ていたことだと思っています。ボールを持たれて厳しい試合展開でも、じれずに誰が出ても良いパフォーマンスを出せているのが良くなっていることだと思います。個人としては、ウイングバックは守備も攻撃も求められるポジションで、守備は無失点という部分もあり安定していると思いますが、攻撃での最後の質がまだ自分には足りていないと思うので満足はしていません。
(大宮は)下位にいますが、ここ数試合は勝っていますし、甘く見てはいけない強いチームです。チームとしては内容が悪くても勝ち切ることが大事になります。個人としては得点に絡むゴールやアシスト、目に見える結果を出すことが目標です。
試合に勝つことが重要で、そこで1失点しても崩れないことが大事だと思っています。失点するしないではなく、自分たちのやっていることがブレないように粘り強く戦うことが大事だと思っています。
(残り9試合で)やることは変わりません。9試合全部勝ちにいくつもりでやっていきたいです。
[前節の布陣/大宮]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/大宮]
J2第29節 09/12 vs 愛媛(A) 3△3
J2第30節 09/18 vs 甲府(A) 0●1
J2第31節 09/25 vs 相模原(H)1○0
J2第32節 10/03 vs 栃木(A) 3○1
J2第33節 10/09 vs 金沢(H) 2△2
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第29節 09/11 vs 磐田(H) 1●3
J2第30節 09/18 vs 愛媛(H) 1○0
J2第31節 09/25 vs 群馬(A) 1○0
J2第32節 10/03 vs 松本(H) 0△0
J2第33節 10/10 vs 町田(A) 1○0
[過去の対戦成績]
19/04/28 千葉 0-0 大宮
19/08/18 大宮 2-1 千葉
20/06/27 千葉 0-1 大宮
20/10/14 大宮 0-0 千葉
21/05/29 大宮 0-2 千葉
21/06/09 千葉 1-0 大宮(天皇杯2回戦)