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2021 SEASON MATCHES試合日程・結果

悔しさの残るスコアレスドロー



「勝たなければいけない試合だった」と尹 晶煥監督は振り返った。

スタメンは3-4-2-1の布陣。GKは新井章太。3バックは右から新井一耀、高橋壱晟、鈴木大輔の3人。ダブルボランチに熊谷アンドリューと田口泰士が構え、右サイドに福満隆貴、左サイドに末吉 塁が位置。2列目に船山貴之と見木友哉が並び、1トップに櫻川ソロモンが入った。

3バックの中央に入った高橋について、尹監督はその狙いを説明した。

「ボールをしっかりキープすることができて、中・長距離のパスを出せる選手です。守備の力もあるし、ヘディングの能力も高いので起用しました」

開始直後に熊谷の縦パスからフィニッシュに結びつけるチャンスを作ると、そのまま流れを掴んだジェフのペースが続いた。8分にはゴール正面からのFKを船山が直接狙い、GKが弾いてCKに。そのこぼれ球に反応した見木が決定的なシーンでシュートを放ったが、相手GKの好守に阻まれた。その後もジェフは相手を押し込み、多くのセットプレーを獲得して何度も相手ゴールに迫る。25分と29分には櫻川がシュートチャンスを迎え、35分には末吉が得意のドリブルで左サイドを突破。ファウルを誘ってFKを獲得すると、鈴木大輔の惜しいヘディングシュートもあった。

守備は安定していた。ピンチは右サイドからクロスを放り込まれて草野侑己にヘディングシュートを打たれた23分のシーンと、佐藤謙介に強引にミドルシュートを打たれた43分のみ。スコアレスのまま折り返したものの、前半は「ほぼジェフのペース」と言っていい内容だった。

ただ、結果的には多くのチャンスを作った前半のうちに点を取れなかったことが結果に響いた。

迎えた後半は、一転して山口が攻勢を強めた。押し込まれたジェフは立て続けにセットプレーからピンチを招くと、57分には草野にヘディングシュートを放たれるなど決定的なピンチを迎えた。61分、最終ラインの守備のバランスを調整するため、尹監督は高橋壱晟と新井一耀のポジション入れ替えを指示。69分には櫻川に代えて岡野 洵、末吉に代えて安田理大を投入し、中盤の中央に熊谷、その両脇に田口と高橋を置く3ボランチの形に変更し、前線にはサウダーニャと見木を並べた。

そのシステム変更が奏功して徐々に主導権を奪い返したジェフは、試合終盤に相手を押し込み、攻勢を強めた。しかし、相手を左右に揺さぶりながら左から安田、右から福満が何本もクロスを供給したものの、いずれも山口の強固な守備に跳ね返されて最後までゴールを奪うことができなかった。試合はスコアレスのまま終了。今シーズン初の4連勝は実現しなかった。

尹監督が振り返る。

「前半は多くのチャンスを作りましたが、得点を決めなければその流れをモノにできないと改めて認識しました。後半は我々も集中して入ったのですが、得点が遠かったと感じたゲームでした。本当にもったいない試合でしたし、今日のような試合は勝点3を得なければならないゲームだったと思いますが、サッカーとはこういうものであるということを認識しました」

悔しそうな表情で取材に対応した見木は、J1昇格の可能性が消滅したことを聞かれてこう答えた。

「今日の結果によってモチベーションが下がることはないと思うし、今日は引き分けてしまいましたけれど最近は負けなしで、勝利も増えてきているので、残り6試合、しっかり最後まで戦って1つでも上の順位で終われるように頑張りたいと思います」

次節は3日後の11月3日。アウェイの栃木SC戦に臨む。