残り4試合。FC琉球、ギラヴァンツ北九州、京都サンガF.C.、ファジアーノ岡山と対戦し、ジェフは2021シーズンの戦いを終える。
後半途中までのほとんどパーフェクトと言っていい試合展開を考えれば、前節の水戸ホーリーホック戦はあまりにももったいない試合だった。53分、尹晶煥監督はいつもより早めの選手交代によって両ワイドを入れ替え、それが奏功した。55分、ピッチに入ったばかりの安田理大が左サイドから仕掛けてクロスを上げると、櫻川ソロモンが頭で押し込んでリードを2点に広げた。
尹監督が振り返る。
「本当に残念な試合でした。あれだけ良い流れで、点数もあの時間帯に2-0だったら普通に勝たないといけない。そういう試合だったんですけど、集中力を最後までうまく維持できなかった。勝っているときの戦いというかゲーム運びが(できず)、前に人がかかりすぎて後ろが薄くなったような感じがあったので、そういうところがまだ全員で統一した考えを持てていなかったような気がしました」
今シーズンを通じて、ジェフは試合ごとに直面してきた課題を少しずつクリアしてきた。決定力不足のすべてが解消されたわけではないが、守備の安定によって攻撃のバリエーションは確実に増え、決定機の数もそれに比例して増えている。複数得点は東京ヴェルディ戦以来3試合ぶりのことだから、もう1つの課題である“試合運び”についての成長を示したいところだった。
キャプテンの鈴木大輔が言う。
「プランどおりの展開ではありましたが、2点リードをして追いつかれたのは、ここ最近で言えば自分たちらしくない。負けに等しい気分ではありますが、ただ最近の試合で負けていないことをポジティブに捉えたいと思っています」
FC琉球は、10月、2020シーズンから指揮を執った樋口靖洋監督が退任。ヘッドコーチを務めていた沖縄出身の元Jリーガー、喜納哲治が新監督に就任した。監督交替前は7試合白星なしという状況だったが、監督交替後の4試合は2勝1分1敗と勝ち越し。9位ジェフと1ポイント差の勝点「59」で8位につけている。
チームとしてのスタイルは樋口監督時代と大差ないが、喜納監督は攻撃へのアグレッシブさを取り戻したいと何度も口にしており、選手たちもその姿勢をピッチではっきりと表現している印象だ。前節はツエーゲン金沢をホームに迎え、風間宏矢、風間宏希が奪った2得点できっちりと勝利。細かくパスをつないで両サイドに展開し、複数のユニットで前進しようとする攻撃には十分な破壊力がある。
福満隆貴が言う。
「ボールを動かし、保持をします。間で受けながら前進してくるチームという印象です。個とグループの能力が高いチームなのでそこを警戒して、球際についてはいつもよりタイトにいかなければいけないと思っています」
鈴木大輔はサイド攻撃を警戒する。
「ショートパス主体で技術が高い選手が中盤や前線にいます。クロスからの得点がすごく多いというイメージで、前回のホームでもクロスからやられていますし、ストロングだと思っています。試合のなかで適応していこうと」
尹監督はラスト4試合について「うまく乗り越えればもっと上に行ける」と力強く話した。1つでも上へ。チーム全員が、同じ気持ちで沖縄に乗り込む。
尹晶煥監督
(前節の水戸戦は)本当に残念な試合でした。あれだけ良い流れで、点数もあの時間帯に2-0だったら普通に勝たないといけない。そういう試合だったんですけど、集中力を最後までうまく維持できなかった。勝っているときの戦いというかゲーム運びが(できず)、前に人がかかりすぎて後ろが薄くなったような感じがあったので、そういうところがまだ全員で統一した考えを持てていなかったような気がしました。そこを修正していかないといけないと思います。
(琉球は)監督が代わって何人か(試合に)出られなくなっている選手もいて、やり方はあまり変わっていないんですけど、選手が少し入れ替わっているという印象です。そこまで気にするところではありませんが、この負けない試合を続けて次は勝利に結びつけていかないといけないと思います。あと4試合しか残っていないなかで、僕らがこの4試合をうまく乗り越えればもっと上に行ける。それは選手たちもすごく分かっているので、アウェイでも絶対に勝って帰ってこられるように頑張りたいと思います。
鈴木大輔
(前節の水戸戦は)プランどおりの展開ではありましたが、2点リードをして追いつかれたのは、ここ最近で言えば自分たちらしくない。負けに等しい気分ではありますが、ただ最近の試合で負けていないことをポジティブに捉えたいと思っています。
(琉球は)ショートパス主体で技術が高い選手が中盤や前線にいます。クロスからの得点がすごく多いというイメージで、前回のホームでもクロスからやられていますし、ストロングだと思っています。試合のなかで適応していこうと思っていますが、相手は監督や選手が(前回対戦時から)替わっていて、でも全体的なスタイルはそこまで変わっておらず、サイドを攻略してクロス、中央を崩してくる。ボールを大事にして崩すスタイルは、そこまで変わっていないと思います。それに対しての守備は取り組んでいて、前回とは全然違う戦いを見せられると思うので楽しみです。
目の前の試合にすべてをかけて一戦必勝。それは自分たちの立ち位置に関係なくやらなければいけないことですし、これまでやってきたことを今更変える必要もなく、目の前の試合、目の前のトレーニングに100%で臨むことだと思っています。
福満隆貴
(前節の水戸戦は)負けに等しいと言うか、試合後は負けたような雰囲気も出ていました。勝ち切ること、勝つことは難しいモノだとあらためて感じさせられた試合でした。「もう一度、気を引き締めてやろう」、「集中しよう」とも(チーム内で)話しています。その点においては良いトレーニングができていると思います。
(琉球は)ボールを動かし、保持をします。間で受けながら前進してくるチームという印象です。個とグループの能力が高いチームなのでそこを警戒して、球際についてはいつもよりタイトにいかなければいけないと思っています。(琉球の攻撃は)展開したときにスペースがあればすぐにクロスを上げてくるイメージもあります。自分が第一ディフェンダーとしてクロスを体に当てること、(クロスを)上げさせないことを考えてプレーしたいと思います。
残り4試合となりましたが、負けなしの状態を継続できるように、そして1つでも順位を上げて終われるように。全部勝利するという強い気持ちをもって臨みたいと思います。
[前節の布陣/琉球]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/琉球]
J2第34節 10/16 vs 愛媛(H) 0●1
J2第35節 10/24 vs 松本(A) 2○1
J2第36節 10/30 vs 町田(H) 0△0
J2第37節 11/03 vs 山口(A) 0●2
J2第38節 11/07 vs 金沢(H) 2○1
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第34節 10/17 vs 大宮(H) 2○1
J2第35節 10/24 vs 東京V(A) 5○1
J2第36節 10/30 vs 山口(H) 0△0
J2第37節 11/03 vs 栃木(A) 0○1
J2第38節 11/07 vs 水戸(H) 2△2
[過去の対戦成績]
19/04/03 千葉 1-0 琉球
19/07/31 琉球 0-2 千葉
20/02/23 千葉 1-0 琉球
20/09/27 琉球 0-1 千葉
21/03/27 千葉 1-2 琉球