無敗記録は「10」に伸びたが、ここ2試合続く連続ドローという結果には誰も満足していない。
尹 晶煥監督が言う。
「選手たちもみんなもったいないという話はしていました。僕もやっぱり勝たないといけない試合だったなという思いはあります。そういう試合で勝点3を取ることがチームの力になるし、順位を少しでも(上位に)つけるチャンスだったので、引き分けは残念な結果だと思っています」
昇格も残留も懸かっていない試合に対して「勝利」に対する高いモチベーションを維持し続けるのは簡単ではないが、尹晶煥体制発足以降、チームとしての戦い方の“ベース”を長く模索してきたジェフにとっては、それが確立されつつある今だからこそ“消化試合”は1つもない。無敗を続けてきたここ10試合と同様に、残り3試合も内容と結果を揃えることが大事だ。それが、このゲームに臨む上での前提条件と言えるだろう。
今節の対戦相手であるギラヴァンツ北九州は、前節、10試合ぶりの勝利を手に入れて勢いに乗っている。昨シーズンはJ2リーグに旋風を巻き起こした北九州だったが、今シーズンは第39節終了時点で19位に位置。J3降格圏内にいるものの18位ツエーゲン金沢とは2ポイント差、17位大宮アルディージャとは3ポイント差、16位ザスパクサツ群馬とは4ポイント差と緊張感のある戦いを続けている。逆に、最下位の松本山雅FCとの差も5ポイントしか離れていないことから、このゲームに懸ける意気込みは間違いなく強い。
尹監督が言う。
「いま北九州は(順位が)下のほうで(残留が)厳しい状況なので、必死に来ると思います。そのチームに対して早く先制点を決めることで、ゲームの運び方がいろいろうまくいくと思っています。前より良くなってきているなという印象ですね」
悔やまれるドローとはいえ無敗記録を「10」に伸ばしたジェフは、第39節終了時点で勝点を「59」として9位をキープ。8位のFC琉球は同「60」、7位のモンテディオ山形と6位のFC町田ゼルビアは同「65」、さらに5位アルビレックス新潟が同「66」と、可能性としてはここまでを射程圏内とする。J1昇格の可能性が消滅してからは「1つでも上の順位を」と選手たちが口々にしており、もちろんその意識は依然として強い。
最近2試合で4失点していることを考慮すれば、やはりチームのベースである堅守を取り戻すことがこの試合の課題だろう。前節のFC琉球戦で戦列に戻ってきたチャン ミンギュは守備の重要性を改めて強調した。
「(守備面の意識は)ファーストで競ること、セカンドの回収という部分を徹底することが重要になります。残り試合は少ないのですが徹底していきたいと思います。失点したあとに自分たちに何ができるかが重要なので、終わった後にフィードバックし、何が足りないのか、何ができたかを話し合っています」
一方で攻撃面では、今シーズンここまで8得点で2ケタ得点を狙う船山貴之が言う。
「(攻撃の形は)距離感が全体的に良いので、そのぶん得点力や数字が伴っていかなければいけません。(自身として2桁ゴールを)決めたい思いはありますが、それよりもチームが勝つことが大事です。狙っていますが、チームが勝てればいいと思っています」
約2年をかけてじっくりと作り上げてきた堅守と、ショートカウンターやサイド攻撃を軸とするフィニッシュまでの攻撃の形。今のジェフの“らしさ”をしっかりと表現して、フクアリで勝点3を手に入れたい。
尹晶煥監督
(ここ2試合の引き分けは)選手たちもみんなもったいないという話はしていました。僕もやっぱり勝たないといけない試合だったなという思いはあります。そういう試合で勝点3を取ることがチームの力になるし、順位を少しでも(上位に)つけるチャンスだったので、引き分けは残念な結果だと思っています。
いま北九州は(順位が)下のほうで(残留が)厳しい状況なので、必死に来ると思います。そのチームに対して早く先制点を決めることで、ゲームの運び方がいろいろうまくいくと思っています。前より良くなってきているなという印象ですね。(これまでは)けっこうイージーなミスが多かったと思うのですが、最近の試合を見ていたらそれが減っているし、カウンターもしっかりしている。守備はもともと必死さを持って守っているチームなのですが、それも良くなってきている印象です。
(リーグ終盤になり)1年が早いなという感じです。ホームゲーム残り2試合で勝点6を取れるように頑張りたいと思います。
チャン ミンギュ
(3試合欠場しているあいだは)自分が抜けたという目線で見ていましたが、正直、良いチームで頼もしいと思いました。自分が入ったときにどんなプレーができるかを常に考えながら見ていました。(前節の琉球戦は)自分が決めるべきところで決められず、流れを相手に渡してしまいました。追いついて逆転までしましたが、そこでも守り切れずもったいない試合をしたと思います。試合運びをしっかりしなければいけません。失点しても揺さぶられず、強い気持ちをもって「自分たちのやってきたことをやろう」と話しましたし、続けていくだけだと思っています。
(守備面の意識は)ファーストで競ること、セカンドの回収という部分を徹底することが重要になります。残り試合は少ないのですが徹底していきたいと思います。失点したあとに自分たちに何ができるかが重要なので、終わった後にフィードバックし、何が足りないのか、何ができたかを話し合っています。
北九州の状況を考えると、残留を目指す強い気持ちで前節・山口戦は勝ったと思います。その気持ちに対して受けて立つことのないよう、“自分たちから”という気持ちを持って入りたいです。
船山貴之
ここ2試合、追いつかれていることに対しては、詰めの甘さが出てしまったと感じています。決められるときに決められないと、こういう展開になります。(攻撃の形は)距離感が全体的に良いので、そのぶん得点力や数字が伴っていかなければいけません。(自身として2桁ゴールを)決めたい思いはありますが、それよりもチームが勝つことが大事です。狙っていますが、チームが勝てればいいと思っています。
(前からの守備は)全体的に距離感が良く、守備でも攻撃でもみんなでいけることが多くなりました。個々で要求し合い、それができてきているということ。今は良くなっていますが、良くないときにどうやっていくかも大事だと思います。
相手(北九州)は降格圏内にいるチームだし、すごい勢いで来ると思います。それを打ち砕くような、相手以上に“ホームで勝ちたい気持ち”を出していきたいです。(降格圏のチームを相手にするのは)難しい部分もありますが、(ジェフとしても)ホームで勝てていないので、こちらも勢いに乗らなければいけません。昇格も降格もない状況でも見に来てくれるファン・サポーターの皆さんがいます。諦めない姿勢を見せていきたいと思っています。
[前節の布陣/北九州]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/北九州]
J2第35節 10/23 vs 大宮(A) 1●3
J2第36節 10/30 vs 相模原(H)1●2
J2第37節 11/03 vs 水戸(A) 0△0
J2第38節 11/07 vs 甲府(H) 0●1
J2第39節 11/13 vs 山口(A) 1○0
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第35節 10/24 vs 東京V(A) 5○1
J2第36節 10/30 vs 山口(H) 0△0
J2第37節 11/03 vs 栃木(A) 0○1
J2第38節 11/07 vs 水戸(H) 2△2
J2第39節 11/13 vs 琉球(A) 2△2
[過去の対戦成績]
16/06/26 千葉 1-2 北九州
16/08/11 北九州 0-2 千葉
20/08/29 北九州 3-2 千葉
20/12/20 千葉 2-1 北九州
21/06/26 北九州 0-0 千葉