2021シーズンのラストゲームだ。
対戦相手はジェフと同じ「12戦無敗」でこの最終節を迎えたファジアーノ岡山。第41節終了時点で勝点59の10位と、わずか2敗しか喫していない後半戦の巻き返しで順位を上げてきた。就任3年目の有馬賢ニ監督は今シーズン限りでの退任が発表されており、無敗を続けてきたからこそ、この試合に懸ける意気込みは強いはずだ。相手にとって不足なし。同じく12戦無敗を続けてきたジェフにとって、最高の相手と対峙する最終節と言えそうだ。
今の岡山の強みは守備にある。尹 晶煥監督が言う。
「まず、失点が本当に少ない。それくらい守備の意識が全員あって、そこからカウンターとか、1点決めればそれで終わるような試合が多いので、守備が堅いなという感じはあります」
シーズン後半戦の失点数はわずか「12」。21失点を喫した前半戦と比較すれば、いかに大幅な守備の改善が見られているかがよくわかる。
小林祐介が言う。
「組織的な4-4-2で、攻撃も守備も上手くプレーをしていますし、一人ひとりの能力も高い。バトルになると思うので、そこで負けないように進めたいと思います。(ブロックを崩すには)相手を動かし、ワイドをうまく使ってワンタッチプレーを増やしながら、工夫した攻撃ができればと思っています」
井上黎生人と今シーズン途中加入の安部崇士のセンターバックコンビはともに24歳と若いが安定感があり、ベテラン左サイドバックの宮崎智彦は低い位置から組み立てることもできるし、中盤の4人の守備における連動性も高い。堅く守ってから仕掛けるカウンターではチームの中核を担う白井永地や安部と同様に今シーズン途中加入の石毛秀樹がアクセントを加え、縦に鋭い攻撃で相手ゴールに迫る。“堅守速攻”を大きなテーマとする両チームの対戦であるからこそ、まずは守備面で最後まで崩れないことが勝利への近道となりそうだ。
前節、J1昇格が懸かった京都サンガF.C.との対戦は無念のスコアレスドローに終わったものの、シーズン終盤のジェフは攻撃面でも魅力的なシーンを多く演出できるようになった。その中心で、チームのエース格に急成長を遂げた見木友哉が言う。
「最初は結果も出ず内容も苦しい試合が多かったので、今できているサッカーを当初からできれば、もっと上位にいけたと考えています。個人としては前半に苦しんだなかでも得点を取れたことは良かったと思います。後半戦も、ある程度の得点は取れているので自分自身プラスに考えています」
“何も懸かっていない最終節”だが、内容や結果によって得られるモノが大きく違うことは明らかだ。この試合を最後にジェフを去る選手もいる。この1年間、尹監督を先頭とするチームが一丸となって戦ってきたことを、最後に、敵地で、絶好調の相手に対してはっきりと示したい。意地を懸けた一戦だ。
指揮官が言う。
「最後1試合残っていて、(相手の)岡山も今12試合負けていないという同じ状況のチームと戦いますが、最後しっかり勝って締めることが一番大事だと思っています」
勝って、笑顔でこの1年を終える。“何も懸かっていない”からこそ、大きな意味を持つ90分だ。
尹晶煥監督
いつも応援してくださり、感謝の気持ちしかないです。ただファン・サポーターの皆さんやいろいろな人がJ1を目指してやっているなかで、それができなかったことは本当に謝りたいし、もっとチームを成長させてJ1にまず行くことを考えないといけないと思いました。そのためには何が足りないのかをしっかり分析して、まだ良くなっていくように練習するしかないと思っています。
1年が本当に早く終わったなという感じで、悪いときもありましたけれど、チームは徐々に良くなってきました。“良くなってきたこと”が一番良かったなと思います。個人的には目標を「6位以内」としていたのですが、達成できなかったことは悔しいです。最後1試合残っていて、(相手の)岡山も今12試合負けていないという同じ状況のチームと戦いますが、最後しっかり勝って締めることが一番大事だと思っています。
(岡山は)まず、失点が本当に少ない。それくらい守備の意識が全員あって、そこからカウンターとか、1点決めればそれで終わるような試合が多いので、守備が堅いなという感じはあります。1年間ありがたいという気持ちはすごくあります。岡山まで来てくださるファン・サポーターの皆さんに対して、「勝利しかない」と思っています。
小林祐介
(前節・京都戦の)前半は、相手の迫力やプレッシングにのまれ、なかなか自分たちの時間にすることができず、後半に相手が落ちてきたなか少しずつチャンスを作り、カウンターを出せたのでやりたいことはできたと思っています。
(岡山は)負けなしの状態が続いています。組織的な4-4-2で、攻撃も守備も上手くプレーをしていますし、一人ひとりの能力も高い。バトルになると思うので、そこで負けないように進めたいと思います。(ブロックを崩すには)相手を動かし、ワイドをうまく使ってワンタッチプレーを増やしながら、工夫した攻撃ができればと思っています。
最後に勝って終わるのと負けて終わるのでは全然違ってきますし、勝つことで来シーズンにつながるので、最後は勝って終わりたいと思います。
(今シーズンは)個人としてはケガもあって悔しい気持ちもありました。来シーズンに向けてケガをしない体を作らなければいけないと、1年を通して思いましたし、チームとしては12戦負けなしで来ていて成長しています。僕自身ももっと成長していきたいと思っています。
見木友哉
(前節・京都戦の)前半は強度のある守備に対してうまく外すことができず奪われることが多く、一方的な試合になってしまいました。そこを外せるようにならなければいけません。後半は相手が飛ばしてきたこともあって少しはチャンスを作れたし、「もしかしたら勝てる」というようなゲームができたことは良かったと思っています。
(ここまでのリーグ戦全試合出場は)ケガなく来ているからこそだと思います。ケガをしてしまったら(全試合出場は)ありえないので、日頃のケアなどは意識していました。次の岡山戦に出場すれば42試合になるので、個人としては嬉しく思います。
(今シーズンを振り返ると)最初は結果も出ず内容も苦しい試合が多かったので、今できているサッカーを当初からできれば、もっと上位にいけたと考えています。個人としては前半に苦しんだなかでも得点を取れたことは良かったと思います。後半戦も、ある程度の得点は取れているので自分自身プラスに考えています。
(岡山は)ジェフと同じ負けなし記録で好調だと思っています。前線の上門知樹選手や石毛秀樹選手のところでうまく攻撃をしている印象を受けます。そこを封じることと、相手の守備は失点数も少ないので、うまく攻略したいと考えています。
[前節の布陣/岡山]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/岡山]
J2第37節 11/03 vs 甲府(A) 2○1
J2第38節 11/07 vs 山形(H) 1○0
J2第39節 11/14 vs 相模原(A)3○2
J2第40節 11/20 vs 京都(H) 0△0
J2第41節 11/28 vs 長崎(A) 1○0
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第37節 11/03 vs 栃木(A) 0○1
J2第38節 11/07 vs 水戸(H) 2△2
J2第39節 11/13 vs 琉球(A) 2△2
J2第40節 11/21 vs 北九州(H)2○0
J2第41節 11/28 vs 京都(H) 0△0
[過去の対戦成績]
19/04/14 千葉 0-0 岡山
19/07/03 千葉 0-3 岡山(天皇杯2回戦)
19/09/29 岡山 0-0 千葉
20/09/19 千葉 2-1 岡山
20/11/01 岡山 3-2 千葉
21/05/09 千葉 4-2 岡山