第26回ちばぎんカップは0-1で黒星。しかしジェフにとっては、大きな手応えをつかんだ90分だった。
スタメンは3-4-2-1の布陣。GKは新井章太。3バックは右から新井一耀、チャン ミンギュ、鈴木大輔の3人。田口泰士と小林祐介が中盤の底で並び、右サイドに福満隆貴、左サイドに秋山陽介が位置。2列目には右に風間宏矢、左に見木友哉が入り、1トップに櫻川ソロモンが構えた。
まずは1分、右サイドから前線にロングフィードを送ると櫻川がポストプレー。パスを受けた田口が思い切りよくミドルシュートを放った。5分にも新井一耀のロングフィードから最前線に飛び込んだ見木が絡んでチャンスを作るなど、ジェフは櫻川をターゲットとするシンプルな攻撃でリズムを掴んだ。
ところが、10分、1つのミスから中盤でボールを失い、ピッチ中央で縦パスをつながれて局面を一気に打開される。スルーパスで裏に抜けたドウグラスに先制ゴールを奪われた。このシーンは明確な反省材料だ。ボランチの小林が振り返る。
「ショートカウンターを受ける場面が何回かあったので、ボールを奪われた後の選手の立ち位置であったり、リスク管理のところでもう少し声をかけながらやっていかなきゃいけないかなと思います」
それでもその後は守備面で大崩れすることなく、相手を押し込んでファウルを誘い、セットプレーからいくつかのチャンスを作ってゴールを狙った。18分には鈴木がヘディングシュートを放ち、20分には再び右サイドからのロングフィードを櫻川がさばいて最後は見木がシュート。30分には前線で前を向いた見木が右サイドに展開し、福満の鋭いクロスに櫻川が飛び込んだ。さらに、その流れで獲得したCKからチャンがヘディングシュート。36分には田口の縦パスを受けた見木がダイレクトで横につなぐと、スルーした櫻川の背後から走り込んだ風間が左足シュート。いいリズムの攻撃が続いた。
後半に入ってもジェフはテンポよくボールをつないで相手を揺さぶった。54分には左サイドから進入した秋山が立て続けにクロス。最終ラインでパスをつなぎながら、縦パスを通すタイミングを探り続けた。5-3-2のブロックを形成する柏の守備も堅く、セカンドボールを拾われてショートカウンターを受ける場面もいくつか見られ始めた。61分にはマテウス サヴィオに中央突破を許し、テクニカルなループシュートを放たれるなど危ないシーンもあった。
70分を過ぎると、尹 晶煥監督は立て続けに交代カードを切り始めた。71分に見木に代えてサウダーニャ、81分には新井一耀に代えて髙橋壱晟、秋山に代えて末吉 塁、さらに風間に代えて高木俊幸を投入し、さらに84分には福満に代えて米倉恒貴を送り出した。
柏の堅守を崩せなかったジェフは、アディショナルタイム突入後の90+2分、左サイドを突破した末吉のクロスに高木が合わせるが、シュートは2本連続でポストを弾き、同点ゴールには至らなかった。試合はそのままタイムアップを迎え、第26回ちばぎんカップは0-1のまま幕を閉じた。
尹監督が言う。
「昨シーズンやってきた姿を見ることができたので、結果は残念でしたけれど、ポジティブな要素もたくさんありました。もちろん修正しなければならないところもあったので、修正したいと思います。来週からリーグ戦が開幕しますが、攻撃も守備もしっかり修正して準備したいと思います」
敗れたとはいえ手応えのある戦いができた。J2リーグの開幕は1週間後。課題を修正し、万全の状態で臨みたい。