後半の猛攻実らず、黒星。

前半と後半でまったく別の表情を見せたゲームだった。

スタメンは3-5-2の布陣。GKは新井章太。3バックは右から鈴木大輔、新井一耀、佐々木翔悟の3人。中盤は右サイドに西久保駿介、左サイドに福満隆貴が構え、中央はアンカーにチャン ミンギュ、その両脇に小島秀仁と見木友哉が位置。前線には櫻川ソロモンとブワニカ啓太が並んだ。

「もう一度対戦するので詳しいことは言えませんが、ジェフの試合を見て、しっかりと準備しました。後半はそれができなかったので、それができるようになる積み上げが次の対戦までにできたらいいと思います」

敵将・大槻毅の試合後のコメントだ。

ジェフはこの試合で3ボランチを採用したが、群馬のビルドアップはそれを予想していたかのように機能し、試合開始と同時に主導権争いでジェフを上回った。7分に喫したこの試合の決勝点は相手の狙いどおりだったに違いない。ジェフの右サイドからパスをつながれ、背後を取られて鋭いクロスを放り込まれた。それをFW平松 宗に押し込まれた。

尹 晶煥監督が振り返る。

「試合開始から間もなく失点してしまったことで難しい試合になりました。落ち着いてプレーしようという話をして臨んだゲームでしたが、それがうまくいかず、失点につながってしまったと思います」

直後の12分にも同じようなビルドアップからピンチを招いたジェフは、西久保の高さを生かしながら少しずつ劣勢を挽回し、20分過ぎからようやくリズムをつかんで押し返すようになった。21分には福満のクロスからブワニカがヘディングシュート。26分には小島のクロスに西久保がヘディングで合わせてゴールを狙った。

しかしその後は再び群馬のビルドアップに苦しみ、完全には劣勢を跳ね返すことなく前半終了を迎えた。前半の守備について、西久保が振り返る。

「『後ろで人が余ってしまう』という感覚はあって、うまく前に出られない状況はあったと思います。前半は「後から追いかけるプレス」になってしまって、本当にうまくハメることができませんでした。ただ、後半は2ボランチに変更して、自分が前に出ることで余ることなく相手に対応できたと思います」

尹監督は後半開始と同時に小島に代えて田口泰士、ブワニカに代えて風間宏矢を投入。チャンと田口のダブルボランチに変更し、見木と風間を2列目に置いた。相手のビルドアップに対する“余り”が生まれなくなったことで、後半の45分間はジェフが主導権を握り続けた。

序盤は立て続けにセットプレーを獲得して押し込むと、58分には田口の強烈なミドルシュートでゴールに迫った。70分には福満に代えて熊谷アンドリューを投入し、佐々木を左サイドMFに、チャンをセンターバックに変更し、熊谷と田口が中盤の底でコンビを組んだ。

77分には西久保がミドルシュート。直後の78分には櫻川がゴール前でシュートを放った。85分には櫻川がヘディングシュート、87分には見木が決定的な場面でシュートを放ったが、いずれも相手GK櫛引政敏の好守に阻まれゴールには至らなかった。風間が振り返る。

「チャンスは作れていたし、ペナルティーエリア内に入っていく形で迫力を出すことはできたと思います。ただ、複数の選手がうまく絡みながらチャンスを作って、『入った』と思えるシーンを2、3度作った中で、それを最後のところで決めきれなかったことが悔しいです」

あまりにも悔しい敗戦だが、気持ちを切り替えて“次”に臨むしかない。尹監督が言う。

「来週からの3連戦に向けていい準備をして、いい結果につなげることが大事です。本日も多くのファン・サポーターの皆さんにご来場いただきましたが、その期待に答えることができず、結果でお返しすることができず申し訳なく思います」

次節、ジェフはアウェイの栃木SC戦に臨む。