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2022 SEASON MATCHES試合日程・結果

土壇場の同点ゴールで勝点1



相手は首位を快走する横浜FC。内容的に評価できる好ゲームだったからこそ、勝利という結果に結び付けられなかったことをチーム全員が悔やむゲームだった。

スタメンは3-4-2-1の布陣。GKは新井章太。3バックは右から新井一耀、チャン ミンギュ、鈴木大輔の3人。中盤は右サイドに福満隆貴、左サイドに秋山陽介が入り、中央に熊谷アンドリューと田口泰士が位置。2列目に高木俊幸と見木友哉が並び、1トップに櫻川ソロモンが入った。

43分に喫した失点を除けば、ほぼパーフェクトと言っていい前半だった。

開始直後に右サイドから効果的なクロスを入れて相手を押し込むと、7分には最終ラインからのロングフィードで高木が相手最終ラインの背後に飛び込み、7分には左サイドから秋山がクロスを入れて攻勢を強めた。「前から」の守備の意識はこの日も強く、最終ラインから組み立てようとする相手のパスコースを限定してセカンドボールをことごとく拾い、2次攻撃、3次攻撃につなげてさらに深く攻め込む。最前線では横浜FCのガブリエウとマッチアップした櫻川がことごとく競り勝ち、ポストプレーでも相手を制して存在感を誇示。ビルドアップからのサイド攻撃、最終ラインからのロングフィード、前線からのプレスで奪ってショートカウンターなど、“ジェフのやりたいこと”ばかりが表現される時間が続いた。

26分には櫻川のポストプレーから高木がミドルシュート。27分にはその流れで得たCKから櫻川がヘディングシュート。さらに29分には高木のインターセプトからショートカウンターを発動し、高木のクロスに見木が飛び込んで惜しいチャンスを作った。32分には右サイドで熊谷、高木とつないで見木がカットインからミドルシュート。36分には再び見木が、38分には田口がミドルシュートを放ち、40分には相手のゴールキックのインターセプトから始まったショートカウンターで、完全に相手を崩して決定機を作った。しかし高木のシュートは相手の身体を張った守備に防がれた。

そうして迎えた43分、ジェフ最終ラインの背後を狙い続けていた横浜FCのエースストライカー、小川航基の見事な動き出しからのヘディングシュートで相手に先制を許した。終始押し込んでいたジェフにとって手痛い失点だったが、ハーフタイムのロッカールームではポジティブな声が飛び交っていたという。

チャンが振り返る。

「そこ(失点)までの試合運びは本当に良かった。全体の意識が高く、いいサッカーができていました。だから失点しても動揺することなく、落ち着いてプレーすれば必ず勝てると思っていました」

しかし、迎えた後半は立ち上がりにジェフが相手ゴールに迫りながらもやはり得点には至らず、決定機を作れない停滞ムードが続いた。尹 晶煥監督が動いたのは68分。櫻川に代えて新加入のチアゴ デ レオンソ、高木に代えてサウダーニャ、秋山に代えて末吉 塁と一気に3人の選手交代に踏み切り、続いて74分には福満に代えて米倉恒貴を投入した。

しかし、チアゴの積極的なポストプレー、サウダーニャの裏抜け、末吉の突破などパワフルな武器で相手ゴールに迫った70分前後は、数多くのセットプレーを奪いながらもなかなかゴールをこじ開けることができなかった。80分を過ぎると相手も選手交代によって守備のエネルギーを取り戻し、カウンターからピンチを招くシーンも何度かあった。それでも最後まであきらめることなく前にボールを運び続けたアディショナルタイム、ついに歓喜の瞬間が生まれた。

90+5分、左サイドから末吉がクロスを放り込むと、ファーサイドに飛び込んだチャンが折り返したボールを新井一耀がヘディングシュート。これがネットを揺らして土壇場の同点ゴールが決まった。

新井一耀が振り返る。

「クロスが上がってミンギュが折り返す時に「自分に来る」という感覚があったので、最後は本当に、とりあえずゴールに飛ばすという気持ちだけでした」

最後まで諦めることなく、ゴールを目指し続けて勝点1を手繰り寄せた。その姿勢を評価しつつ、尹監督は勝点3への強いこだわりを口にした。

「選手たちは最後まで諦めない姿を見せてくれましたし、「必ず追いつく」という意欲を持ってプレーしてくれました。その姿に成長を感じました。こういう試合をいつもやらなければなりません。引き分けではなく、勝点3を取る試合をしなければなりません」

次節はアウェイの大宮アルディージャ戦。明確な課題を克服し、勝点3を手に入れたい。