打開策を見いだせず、完敗。

最下位に沈む大宮アルディージャとの対戦は、ジェフにとって厳しい現実を突きつけられる90分となった。

スタメンは3-4-2-1の布陣。GKは新井章太。3バックは右から新井一耀、チャン ミンギュ、鈴木大輔の3人。中盤は右サイドに福満隆貴、左サイドに秋山陽介が入り、中央に熊谷アンドリューと田口泰士が位置。2列目に高木俊幸と見木友哉が並び、1トップには加入後初スタメンとなるチアゴ デ レオンソが入った。

シンプルに前線につなぐジェフ、構えてカウンターを狙う大宮という構図でスタートした前半、ジェフはミスから先制ゴールを奪われた。大宮のGK南雄太のロングフィードが流れたボールを鈴木がコントロールしたかに見えたが、横パスがうまく足に当たらず、大宮のFW河田篤秀に流し込まれて失点した。

その後はジェフがボールの主導権を握り続けた。13分には田口がロングシュート。その流れで獲得したCKから福満がミドルシュートを放ち、23分にはカウンター攻撃を仕掛けて惜しいチャンスを作った。ジェフは両サイドを広く使って相手を揺さぶったが、4-5-1システムを敷く大宮のブロックをこじ開けることができない時間が続く。41分にはゴール正面、ペナルティエリアすぐ外という絶好の位置で獲得したFKを田口が直接狙ったものの、相手のGK南の好守に阻まれゴールには至らなかった。

新井一耀が振り返る。

「フォーメーションの噛み合わせとして自分たちのウイングバックが浮くような形だったので、そこにシンプルにサイドチェンジしながらスピードアップするという形を狙っていました。ただ、精度を欠いたことでゴールに直結するようなプレーを作れなかった」

ハーフタイム。尹 晶煥監督は秋山に代えて末吉 塁、福満に代えて米倉恒貴を投入。「サイド攻撃によるチャレンジを活性化したい」という狙いを持って両ワイドのポジションを入れ替えた。56分にはチアゴ デ レオンソに代えてサウダーニャを投入。この時間帯は特に左サイドから見木、末吉のコンビネーションで積極的に攻撃を仕掛けたが、65分の田口のミドルシュートは枠を捉えず、66分の末吉の鋭いクロスは相手のブロックに阻まれた。

そうして迎えた68分。ジェフは右サイドのビルドアップで横パスを奪われてショートカウンターを食らい、大宮の河田篤秀の独走を許して2失点目を喫した。結果的にはこの失点が決勝点となった。尹監督が振り返る。

「攻撃のテンポが遅かったと思っています。選手たちの連動性を持った動きも足りませんでした。外側でボールを回すだけになってしまい、そこで生じたミスからカウンターを受けるという展開が生まれてしまいました」

以降は圧倒的なボール支配率で敵陣に入り込み、サイドチェンジからクロスを入れて相手ゴールに迫った。しかし、身体を張った相手の守備に阻まれ続け、試合は終盤に突入した。87分にCKから新井一耀のヘディングシュートで1点を返したものの、試合はそのままタイムアップを迎えた。

スタメン出場したチアゴが言う。

「相手の戦い方は非常にハングリーで、気持ちのこもったプレーでした。それを含めて非常に難しいゲームでした。立ち上がりに自分たちのミスによって失点してしまったことで、さらに難しくなってしまったと思います」

またしてもジェフは、最下位に位置する相手から勝利を奪うことができず、勝点を持ち帰ることができなかった。尹監督が言う。

「選手全員が「もっとやらなければいけない」と感じてほしいし、反省すべき点をしっかり反省しなければならないと思います。それはもちろん、私自身にも言えることです。これから先に控えている5連戦に向けて準備しなければなりません。多くのファン・サポーターの皆さんがスタジアムに駆けつけてくださいましたが、こういう結果になり申し訳なく思います」

ここが踏ん張りどころだ。チーム一丸となって、直面する課題を乗り越えなければならない。