3失点完敗。

力の差を感じる完敗だった。終始主導権を握ったのは大分トリニータ。ジェフは反撃の糸口を掴めず、3失点を喫して土をつけられた。

スタメンは3-4-2-1の布陣。GKは新井章太。3バックは右から新井一耀、チャン ミンギュ、鈴木大輔の3人。中盤は右サイドに福満隆貴、左サイドに末吉 塁が入り、中央に熊谷アンドリューと小林祐介が位置。2列目に高木俊幸と見木友哉が並び、1トップにはチアゴ デ レオンソが入った。

“探り合いの5分”を経て流れを掴んだのはジェフだった。6分には右サイドから高木が鋭いクロスを放り込み、8分には中盤でのインターセプトから左サイドに展開し、最後は末吉がシュートを放った。直後には福満のクロスから見木がボレーシュート。相手にブロックされたものの、両サイドを広く使って揺さぶる狙いどおりの攻撃を見せた。

ところが11分、伊東のクロスから弓場がヘディングシュートを放つと大分が主導権を握り始める。15分にはジェフの左サイドからクロスを放り込まれ、高畑奎汰に押し込まれて失点。このゴールで“大分ペース”が急加速すると、ボール保持時に選手の配置が変化する相手のビルドアップを捕まえることができず、あらゆる局面で後手に回って押し込まれ続けた。中盤では熊谷による高強度の守備が機能して“我慢”を続けることができたものの、後半に向けては明らかに大幅な修正が必要だった。

前半について、鈴木が言う。

「前に出ていくタイミングをなかなか掴めない中で、横に横にパスをつながせて、最後は真ん中のところで固い守備ができていたのですが、その中での失点だったので、ビハインドの状態でどうやって前に出ていくのかをもう少し修正しなければならないと思っていました」

1点のビハインドのまま迎えたハーフタイム、尹晶煥監督は高木に代えてサウダーニャを投入した。しかし54分に相手の中央突破を許して決定的なピンチを迎えると、これは新井章太のビッグセーブで防いだものの劣勢が続く。唯一示した“可能性”と言えるのは見木が放った67分のミドルシュートのみ。71分には小林に代えて田口泰士、福満に代えて米倉恒貴を投入したが、劇的な変化を生むことはできず、セットプレーから掴んだ79分のチャンスでもゴールを逃すと、迎えた83分、大分の下田北斗に直接FKを決められて2点目を奪われた。さらに88分には途中出場の藤本一輝にもゴールを決められ、勝敗を決定づける3失点目を喫した。

尹監督が振り返る。

「私自身の判断ミスがあったかもしれません。選手たちを信じて送り出したのですが、このような結果を招くことになった責任が私にあると思います。試合の立ち上がりから選手たちの身体が重いと感じていましたし、どのような試合においてもミスは失点につながってしまいます。こういった難しい状況を乗り越えられる賢さが必要でした。集中力、メンタル的なところについての話はいつもしていますが、それを乗り越えるためには、まだ少し力が足りなかったと思います」

続けて指揮官は、今求められる“強さ”についてこう話した。

「このような状況を乗り越えるためにはメンタル的な強さが必要です。それが、今、我々のチームにおける最も大きな課題です。まずはそこが強くなってこそ、規律や戦術的な問題が改善すると私は思います。ショックは大きいですが、すぐにリーグ戦があるので、切り替えて次に向けた準備をしなければなりません」

今シーズン初の連勝を目指して望んだ重要なゲームだったが、結果的には力の差を見せつけられる形での「完敗」となった。ただ、それでも気持ちを切り替え、現実を直視しながらも前進し続けなければならない。次節からはアウェイの連戦。チームとしての真価が問われる重要な局面だ。