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2022 SEASON MATCHES試合日程・結果

ゴールが遠く、連敗。



5連戦の4試合目。徳島ヴォルティスとのアウェイゲームに臨んだジェフは、試合前日の会見で尹 晶煥監督が話したとおりスタメンに変化を加えた。

スタメンは3-4-2-1の布陣。GKは新井章太。3バックは右から新井一耀、チャン ミンギュ、鈴木大輔の3人。中盤は右サイドに末吉 塁、左サイドに秋山陽介が入り、中央に熊谷アンドリューと田口泰士が位置。2列目にサウダーニャと見木友哉が並び、1トップにはチアゴ デ レオンソが入った。

末吉を右サイドで起用した理由について、尹監督はこう説明した。

「左サイドで起用できる秋山(陽介)がいること、それから右サイドからの攻撃をもっと使いたいと考えました。相手の左サイドにはスピードのある選手がいたので、それに対応する意味でも(末吉)塁を右サイドで起用しました」

まずは3分、その末吉がチャンスを作った。深い位置から鋭いクロスを放り込むと、逆サイドから中に入ってきた秋山がつなぎ、最後は田口がミドルシュート。立ち上がりからいい流れを掴んだかに見えたが、前半のチャンスらしいチャンスはこのシーンだけだった。

その理由は、前節の反省を受けて“守備を強化したから”に他ならない。前半の45分間は選手それぞれが自分のポジションを守り、相手を牽制しながらプレスを仕掛けて相手の進入を許さなかった。球際の激しさからファウルが増える展開となったものの、徳島のチャンスも39分の1シーンのみ。前半をスコアレスのまま折り返した。

末吉が振り返る。

「サウが相手のセンターバックにプレスをかけたら自分もしっかり連動して、特に守備面でサウの負担を軽減できるようにというイメージを持っていました。前半はそれがうまくいったけれど、後半は体力的な問題から連動性がなくなってしまう瞬間があって、そういうところから生まれるズレが失点につながってしまったと思います」

勝負の後半に突入しても、ジェフは流れを引き寄せることができなかった。時間の経過とともに疲労が蓄積し、守備組織の構築に対する集中力が落ちていった。ボールを奪ってから攻撃に出ることができればメンタル的な充実を期待できたかもしれないが、奪ってからのプレーにミスが目立ち、相手にボールを奪われて守勢に回った。

失点は66分。最終ラインから縦パスを通されると、ジェフの右サイドに展開されてクロスを放り込まれる。走り込んだ白井永地に流し込まれ、徳島が均衡を破った。

尹監督が振り返る。

「一番大事なのはボールを奪った時に次のパスがうまくつながらないことです。そこからまた、守備をする時間が長くなってしまいました。後半については、体力的な問題から前半と同じようにボールを奪った後に相手に渡してしまうようなプレーが多く、守備をする時間が長くなってしまったと思います」

尹監督は69分にチアゴ デ レオンソに代えて高木俊幸を投入。サウダーニャを最前線に置く布陣に変更して流れを変えようとした。81分には熊谷が左サイドに展開し、パスを受けた高木がカットインからミドルシュート。わずかにゴール左に外れる惜しいシーンだった。しかし、その後は決定的なチャンスを作れないまま終盤に突入し、88分には秋山と見木に代えて風間宏矢と佐久間太一、さらに90分には鈴木に代えて佐々木翔悟を投入するが、5バックシステムに変更して守備を固めた相手ゴールを最後までこじ開けることはできなかった。

サウダーニャが振り返る。

「非常に残念です。前半は高い位置でボールを奪ったり、そこから攻撃に出てシュートチャンスを作ることができていたと思うんですけれど、後半は前半とまったく違う表情になってしまいました。チーム全体が下がってしまったことで攻撃に出ることができなかった。そこが悔しいです」

連敗を喫したチームの“表情”は重い。しかし試合は続く。気持ちを切り替えてホームに戻り、停滞ムードを変える勝点3を取るしかない。