シーズン初の3連勝！

首位のベガルタ仙台をフクアリに迎えた第20節、ジェフは“持てる力”をすべて発揮し、理想的な展開によって勝点3を手に入れた。

スタメンは3-4-2-1の布陣。GKは新井章太。3バックは右から新井一耀、チャン ミンギュ、鈴木大輔の3人。中盤は右サイドに西久保駿介、左サイドに福満隆貴が入り、中央に田口泰士と熊谷アンドリューが位置。2列目に風間宏矢と見木友哉が並び、1トップにはチアゴ デ レオンソが入った。

立ち上がりの10分は動きの重さが感じられやや守勢に回ったが、11分の攻撃を機に流れが変わった。右サイドに起点を作ると田口を経由して大きくサイドチェンジ。フィニッシュまで至らなかったのもののこの攻撃でリズムを掴み、直後の12分には前線からのプレスで相手を追い込み、中盤でボールを奪って理想的なショートカウンターを発動した。

さらに、15分に鈴木から逆サイドへ大きく展開すると、西久保がヘディングで落としてもう一度左サイドへ展開。チアゴのポストプレーを経由して福満がクロスを入れると、ファーポスト際に走り込んだ新井一耀がボレーシュートを放った。この時間帯は、攻守のバランスが噛み合ったジェフのペースだった。

しかし24分、アクシデントが発生する。足を痛めた鈴木大輔がピッチに倒れ、ブワニカ啓太と交代。尹 晶煥監督はシステムを4-4-2に変更し、最終ラインは右から西久保、新井一耀、チャン、福満の4人、中盤は右から風間、熊谷、田口、見木の4人、そして前線にチアゴとブワニカを並べる布陣に変更した。大胆な変更だったが、チームはバランスを失うことなくむしろ攻勢を強めてさらに相手を押し込んだ。前半はスコアレスのまま終了したが、終始主導権を握り続けた45分間だった。

先制点は後半の立ち上がりに生まれた。48分、カウンターのチャンスにパスをつないで左サイドから前線に運ぶとサイドチェンジ。パスを受けた西久保がふわりと浮かせたクロスを入れると、ゴール前でチアゴが競り合い、そのこぼれ球に反応したブワニカがヘディングで押し込んだ。

2試合連続得点となったブワニカが振り返る。

「正直なことを言うと、あのシーンをあまり覚えていなくて（笑）。気づいたら自分の上にボールがあったので、人とゴールの位置を確認して人がいないところに落とそうと意識しました」

さらにわずか2分後の50分、ハーフウェーライン付近で縦パスを受けたチアゴが振り向きざまに縦にスルーパス。相手最終ラインの背後に抜けた見木がドリブルで独走してGKと1対1となり、冷静に左足で浮かせたボールをゴールに流し込んで追加点を奪った。

見木が言う。

「カウンターに入ってチアゴから素晴らしいスルーパスが出てきて、あとはいい形でうまく浮かすことができて良かったです」

その後は攻める仙台、守るジェフという構図に変わったが、チーム一丸となって相手の攻撃を跳ね返し続けた。途中出場の富樫敬真や中山仁斗、鎌田大夢といったタレントにいくつかのチャンスを作られたが、新井章太を中心にペナルティーエリアの中では自由を与えなかった。78分には西久保に代えて矢口駿太郎、アディショナルタイムにはチアゴとブワニカに代えて櫻川ソロモンと佐久間太一を投入。最後まで時間をうまくコントロールし、2点のリードを保ったままタイムアップを迎えた。

尹監督が言う。

「天皇杯のツエーゲン金沢戦でもったいない戦いをしてしまったので、だからこそ、今日は勝ちたいという強い気持ちがありました。3連勝したことはもちろん嬉しいですが、まだ喜びを味わえる段階ではないと思っています。ケガ人が多く、次のゲームをどのように戦うかという心配もあります。ただ、選手たちにはいい自信になったと思います。これを続けていくことが大事です」

ジェフはこれでリーグ戦3連勝。勝点を「29」に伸ばして順位を上げた。鈴木大輔のケガなど新たな不安材料も出てきたが、それをカバーし合ったチームの一体感を感じたゲームだった。