追加点を奪えず、悔しい勝点1。

シーズン折り返しの前半戦ラストゲーム。ヴァンフォーレ甲府とのアウェイゲームは1-1のドローに終わった。

スタメンは4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右から福満隆貴、チャン ミンギュ、新井一耀、秋山陽介の4人。中盤は中央に熊谷アンドリューと田口泰士、右に風間宏矢、左に見木友哉が位置し、2トップにはチアゴ デ レオンソとブワニカ啓太が並んだ。

試合後に尹 晶煥監督が振り返ったとおり、システム変更の影響からか前半の立ち上がりは守備の感覚をうまくつかめずに守勢に回る時間が続いた。

14分には甲府のFWウィリアン リラが左足シュート。直後の16分にはジェフの右サイドから攻撃を仕掛けられ、最後は鳥海芳樹がシュート。さらに19分には長谷川元希に際どいミドルシュートを放たれると、20分には再び右サイドから崩され、荒木翔のクロスから鳥海にシュートを打たれた。最終ラインから丁寧にパスをつなぐ相手のビルドアップを阻止できず、フィニッシュまで持ち込まれるシーンが続いた。

流れを変えたのはブワニカだった。

22分、右サイドからのパスを中央で受けた熊谷がダイレクトで縦に入れる。これをペナルティーエリア内で受けた風間がチアゴにつなぐと、こぼれ球に反応したブワニカが落ち着いて相手のタイミングを外すと左足ボレーシュートでネットを揺らした。

「常に距離感を気にしながらチアゴの近くにいて、それができればボールがこぼれてくるだろうと思っていました。案の定、ヘディングでいいパスを出してくれたので、自分でタイミングをうまく外して、空いているところにうまく流し込めたと思います」

先制点によって流れを引き寄せたジェフは、4-4-2の守備を安定させて主導権を握った。31分にはCKから風間のヘディングシュート、見木のボレーシュート、さらにブワニカのシュートとゴール前で立て続けに決定機を迎えたが、いずれも相手GKのビッグセーブに阻止されて追加点を奪うことはできず。しかし十分な手応えを掴んで後半を迎えた。

しかし、迎えた後半は立ち上がりから相手にペースを握られ、押し込まれる時間が続いた。

62分にCKのこぼれ球を押し込まれて失点すると、甲府の攻勢がさらに加速。ジェフは我慢の守備を続けながらカウンターを狙い、前線の見木、ブワニカ、チアゴの3人で相手ゴールに迫る反撃を繰り返した。

66分には新井一耀が相手との接触プレーによるアクシデント。西久保駿介をセンターバックに入れたが、これは「もしも」を想定してトレーニングから取り組んでいたためピッチに大きな動揺はなかった。直後の69分にはカウンターからビッグチャンスを迎え、見木のラストパスを受けたチアゴが決定機を迎えた。しかしシュートはゴール右に外れた。

尹監督が振り返る。

「後半についても「守り切ろう」という意識ではなく、追加点を取ろうという姿勢を見せられたと思います。結果的には失点してしまいましたが、その後に決定的なチャンスがあったので、それを決められなかったことがこのような結果につながったと思います」

逆転を狙う相手に対し、ジェフも我慢の守備を続けながら勝利を狙う強い気持ちを持ち続けた。85分にはチアゴに代えて佐久間太一、ブワニカに代えて櫻川ソロモンを投入。櫻川は限られた時間で2度のヘディングシュートを放つなど惜しい場面を作った。

しかし、両者とも最後まで2点目を奪うことはできず。試合はそのままドローに終わった。

福満が振り返る。

「『勝ち切りたかった』という気持ちが強いです。3連勝していてチームとしていい流れを作ってきた中で、あの失点はもったいなかったと思うし、追加点を取れるチャンスもありました。今シーズンはなかなか点を取れない時期があって、もちろん今もその課題は抱えていますけど、しっかり点を取り切らないと自分たちが苦しむということを改めて痛感させられたゲームでした」

次節はホームに戻って大宮アルディージャと対戦する。シーズン後半戦最初のゲーム。途切れてしまった連勝を、もう一度ここからスタートさせたい。