これが勢いのあるチームとの差か……。まさに成すすべのないゲームだった。
　今シーズン初の連勝を飾り、ホーム・フクアリに迎えたのは６連勝で首位を走る湘南ベルマーレ。自分たちの実力を試し、勝てば大きな自信ともなる大事な一戦だった。

　しかし、結果は残酷だった。ベルマーレの速くてタフなプレッシャーと運動量に手を焼き、立ち上がりから劣勢に立たされた。

そして11分、最終ラインから左サイドをつながれ、センタリングに対して待ち構えていたウェリントンをケアできずに失点。敵ながらサッカーのお手本のようなゴールだったといわざるを得ない。

　さらに28分にも左サイドを割られ、飛び込んできた宇佐美を止められずにヘディングシュートを許した。これもまた、左サイドで味方を次々に追い越す動きを見せた、いかにも鍛えられた攻撃といってよかった。

　一方のジェフだが、31分には左ＣＫからケンペスの惜しいヘディングシュートもあったが、いかんせん攻撃が単発。相手の攻撃に対し、守備に追われてしまったといえる。

しかも、この日は開幕から山口智とコンビを組んできたセンターバックの大岩が出場停止。代わってピッチに立ったのはキムヒョヌンだったが、少なからず最終ライン全体のコンビネーションに影響が見られ、ベルマーレの攻撃に拍車をかけてしまった。

　32分にはゴール前の混戦からウェリントンに再び得点を許して０－３。34分には右サイドを割られ、遠藤にゴールを決められ０－４。もちろん選手は勝負を捨ててはいなかっただろうが、さすがにここからゲームをひっくり返すのは難しい状況に追い込まれた。
　前半のシュート数がベルマーレの11本に対してジェフは２本。完膚なきまでにたたきのめされた格好だが、ホームでのゲームだけにこのまま終わるわけにはいかない。１点でも２点でも返すために、鈴木淳監督は町田に代えてケガから復帰した山中を送り出した。

　しかし、一度火がついたベルマーレの攻撃は止められず、50分には菊池にゴールを割られて５失点目。相手スローインからマイボールにしたにもかかわらず、クリアなのかつなぐのかがハッキリせずに、再び奪われてのものという悔いの残るシーンだった。

81分には最終ラインのパスミスからカウンターを浴び、武富にシュートを決められた。ホームで屈辱の０－６となった瞬間だった。

　最終的に放たれたシュート本数は29（ジェフは７本）。前述したようにバックラインも参加してくる波状攻撃を、ジェフはまったく止められなかった。これでは攻撃に移ることすらできず、前節は出場停止だった井出も孤軍奮闘したが、戦況を変えるまでには至らなかった。

　精神的にもダメージは残るが、ベルマーレのサッカーに追いつかない限り昇格は見えてこない。しかも、時間をかけるわけにもいかない。この悔しさをバネに、この瞬間から今まで以上の努力ができるか……。絶対にはい上がるんだという強い気持ちを持ってほしい。