第20節の徳島ヴォルティス戦後、関塚隆監督は記者会見で悔しさをにじませた。

「今日の試合は我々の自滅だった」
先制点を奪った前半はゲームをうまくコントロールし、守勢を強いられながらも相手につけ入る隙を見せなかった。しかし後半、試合の主導権は徐々に相手へと渡り、まさかの逆転を許して敗北。それまで11試合勝ち星のなかった徳島に白星を献上する展開となった。

谷澤達也が振り返る。
「前半はチーム全体のバランスが良くて、相手にほぼ何もさせなかった。後半は受け身になってしまう時間帯が早過ぎた。もう少しリスクを冒して、前からプレスをかけに行く時間帯があっても良かった」

連勝を逃して勝点を伸ばせなかったジェフは、5位に。迎える今節はホームにFC岐阜を迎える。

岐阜は前節、ザスパクサツ群馬と対戦し、1-1のドロー。カウンターのワンチャンスを決められて先制点を奪われたが、アグレッシブな攻撃姿勢で相手を押し込み、MFヘニキの強烈なミドルシュートで引き分けに持ち込んだ。

順位は19位に甘んじているが、第19節はジュビロ磐田から白星を奪って5試合ぶりに勝利。調子は少しずつ上向いている印象を受ける。チームのエースは得点ランキングでトップに君臨するFW難波宏明。リーグ屈指のテクニシャンとして知られるMF高地系治を筆頭に、右サイドのロドリゴ、左サイドのレオミネイロ、ボランチのヘニキとブラジル人助っ人を擁するチームは攻撃力に定評あり。前掛かりなスタイルには迫力がある。

谷澤が言う。
「パスを出す高地（系治）選手がキーマン。そこから出てくるパスをどう抑えるかが大事。時間帯も考えながら、高い位置でプレーする時間を増やしていきたいと思います」

攻撃に特長のある相手をいかにして抑え、安定した守備をベースにゴールを奪うか。シーズン序盤に見せた今シーズンの“ジェフの正攻法”を取り戻せるかが、この試合の大きなテーマとなりそうだ。

首位に立つ大宮アルディージャとの勝点差は10。2位ジュビロ磐田との勝点差は6。もちろん射程圏内にあるが、J1への自動昇格を狙う上で、これ以上離されるわけにはいかない。ホーム・フクアリに歓喜をもたらし、再浮上のきっかけをつかみたい。

関塚 隆監督

徳島ヴォルティス戦の入りは悪くなかったのですが、先制をしながら自分たちの目標とする“勝利”を手に入れられませんでした。なぜなのか、どこか原因なのかをもう1回チームとしてしっかり見ていくことが大事だと思います。
前々節の大分トリニータ戦は（1-0で）勝てましたけれど、やはり後半の立ち上がりに追加点を取れるチャンスがありながら決められませんでした。徳島戦の後半も、相手が選手を交代してきてからオープンな戦いになってしまいました。
我々がリードしているのに、カウンターや（ボールの）取られ方が悪くて失点し、同点にされました。そして、「勝とう」と前へ出て行こうとしたところで“自滅”という形になってしまったので、その時間帯でどういう風にチームとしてプレーしていくのか、そこを整理することは大事になります。そういった部分をチームに浸透させていきたいと思います。
（FC岐阜は）非常に力があり、調子を上げてきているチームだと思います。前線には個人でやれる選手がいるので、我々は個で対応するのと同時に、組織で対応することが大事になってくると思います。あとはやはり高地系治選手からのリスタート。（前線の選手には）高さもありますから。

田中 佑昌選手

（徳島戦で途中出場した時は）相手のリズムになっていたので、それを押し返して「自分たちのリズムにしていくためにプレーしてくれ」というような話があって、試合に入りました。今週のトレーニングで行ったボールを奪った後に出て行くタイミングや攻撃の時に枚数をかけて迫力を持って攻撃することを個人的に意識してやりたいと思っています。
岐阜はけっこう得点を取っていて、調子も悪くないという印象があります。得点を取れる選手がいるチームというのは厄介なので、守備も大事になってきます。先に失点しないようにすることがすごく重要になると思います。しっかり勝って、後半戦に向けて良いスタートが切れるようにしたいです。

ネイツ ペチュニク選手

トレーニングはうまくいっていると思うので、それをうまく試合で表現することが大事です。岐阜戦でしっかり勝点3を取って、前半戦を良い形で終えたいと思います。
1-0であっても勝って終われればそれは悪くない結果なので、（追加点が取れていないことについて）自分は大きな問題として捉えていません。もちろん、1点を取れたならば2点目を奪いにいくことは大事です。岐阜戦は徳島戦のようにならないためにも、2点目を取りたいと思います。
右サイドとして出た場合は、ウイングとしてのプレーが求められます。自分としてもクロスやドリブル、そしてキープすべき時はしっかりとキープをしたいと思います。自分はどのポジションでも特に問題ありません。与えられたポジションでできるだけのことをやっていきます。

水野 晃樹選手

徳島戦は前半あれだけのサッカーができていながら、後半は一変してしまったと思います。ここ最近の試合でよく起こってしまっている悪い流れでした。繰り返してしまっていることはチームとして真剣に考えなければいけないと思います。徳島戦のような試合で勝点を取りこぼすのはもったいないです。
いつでも得点は取りたいですけど、岐阜戦は特にホームですし、多くのサポーターのみなさんがいる前で取れたら一番気持ち良いと思います。自分はどういう状況になっても試合に出られるように常に準備をしています。

前節の結果
群馬 1-1 岐阜

FC岐阜　第20節 群馬戦布陣

ジェフ千葉　第20節 徳島戦布陣

最近の戦績
6/6　横浜 2-3 岐阜
6/14　岐阜 0-1 札幌
6/21　磐田 3-2 岐阜
6/28　群馬 1-1 岐阜


最近の対戦
2013/05/06　岐阜 1-0 千葉
2013/08/25　千葉 1-1 岐阜
2014/05/06　岐阜 2-2 千葉
2014/09/20　千葉 1-0 岐阜