TOP TEAM選手・試合情報

試合日程・結果

2015 SEASON MATCHES試合日程・結果

逆転勝利で4位浮上


快心の逆転劇によって手にした勝点3は、チームに再び勢いをもたらすに違いない。ホーム・フクアリにFC岐阜を迎えた第21節は、そう確信させてくれるゲームだった。

「戦術的な部分で、思い切って起用しました」

試合後の記者会見でそう話した関塚隆監督は、文字どおりの思い切った采配を見せた。

フォーメーションは4-2-3-1。キム ヒョヌンと並ぶセンターバックの一角には、期限付き移籍の期間も含めて1度もリーグ戦のピッチに立ったことがない栗山直樹が位置した。プロ3年目にして、初出場、初スタメン――。その独特の緊張感を察して、ゴール裏からは大声援が飛んだ。

しかし前半、チームはその緊張感をコントロールできなかった。相手に押し込まれ、軽率なミスから次々にピンチを招く。試合開始直後の13分には、ジェフの右サイドからクロスを上げられ、ゴール前で難波宏明にヘディングシュートを決められ、失点。J2得点ランキング首位に君臨する相手のエースに“上から叩きこまれた”のは、彼をマークしていた栗山だった。

もっとも、この失点はジェフにとって強力なカンフル剤となった。谷澤達也が振り返る。

「1点目をあの時間帯に奪われたことで、クリ(栗山)も開き直れたと思うし、チーム全体として“取り返そう”という空気が生まれたと思います。もちろん失点は避けなければならないけど、今日の試合に関しては、あの時間帯で良かった」

その後の時間帯も強固なブロックを形成する岐阜を攻めあぐねたが、前半終了間際に値千金の同点ゴールが生まれる。起点となったのは、最終ラインから長い縦パスを送った栗山。町田也真人が懸命に追ってCKを奪い、中村のクロスにキム ヒョヌンが合わせて同点ゴールを奪った。このゴールで、ジェフは息を吹き返した。

FC岐阜を率いたラモス瑠偉監督は、試合を次のように振り返った。

「後半開始と同時に、この試合は決まった」

47分、ジェフは右サイドに開いてパスを受けた森本がクロスを送り、ファーサイドで待ち構えた町田が鮮やかなボレーシュート。これがゴール右隅に決まり、逆転に成功する。するとチームの攻撃ムードは一気に加速し、前線からボールを追い、アグレッシブな姿勢で主導権を掌握。62分には左サイドでファウルを獲得した森本が素早くリスタートし、パスを受けた谷澤がアウトサイドキックでクロス。ファーサイドから走り込んだネイツがゴール右隅に蹴り込んだ。

関塚監督が言う。

「いい時間帯があれば、悪い時間帯もある。この悪い時間帯をどう克服するか。そういうところがチームとしてのテーマだと思います。そういう意味で、今日は選手たちと向き合ってやってきた結果が出たのかなと思います」

その言葉どおりの試合展開で勝利を手にしたジェフは、勝点3を積み上げて4位に浮上。
51試合目のリーグ戦出場で初ゴールを決めた町田は、安堵の表情で試合直後のヒーローインタビューに答えた。

「長かった。なかなか勝てていなかったし、大学の後輩のクリが初スタメンで、どうしても勝ちたかった。これからもっと、連勝して、優勝を狙いたいと思います」

多くの記者に囲まれた栗山は、静かにこう話した。

「チームのためにプレーするために来たのに、ずっとケガで、もどかしい部分もありました。復帰しても試合に絡めなくて、悔しい思いもたくさんしてきました。今回、こういう形で使ってもらえて……でも、まだスタートなので、今のこの思いをまた次にぶつけたいと思います」

ホーム・フクアリに久々の勝利をもたらしたのは、スタメンに名を連ねた2人の“初”だった。次節の相手は上位争いを演じるツエーゲン金沢。J1昇格を懸けた戦いは、いよいよ後半戦に突入する。

PHOTO GALLERY試合フォトギャラリー

写真をクリックすると拡大します