ベスト16進出を懸けた天皇杯3回戦は神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で行われ、ジェフはJ1のヴィッセル神戸と対戦する。

2回戦でJ3に所属するAC長野パルセイロを5-0と圧倒した神戸は、2年ぶりに天皇杯3回戦へと進出。昨年は2回戦で関西学院大に敗れたが、今大会の長野戦では圧倒的な攻撃力を発揮して危なげない試合運びを見せた。しかし、その後のJリーグでは4連敗を喫し、続くナビスコカップ準決勝でも鹿島アントラーズを相手に連敗。公式戦6連敗中と苦しんでおり、J1の年間順位は13位に沈んでいる。

もっとも、攻撃陣の破壊力は折り紙つきだ。エースのレアンドロを故障で欠くものの、最前線に君臨する渡邉千真はナビスコカップで7得点と好調。気鋭のアタッカーとして脚光を浴びる増山朝陽、スピードを武器とする石津大介、豊富な運動量で前線をかき回す小川慶治朗、さらに背番号10を着ける司令塔の森岡亮太などタレントは豊富。鹿島とのナビスコカップ準決勝第2戦は1-4で敗れたが、特に前半は相手の背後を積極的に狙う攻撃で相手を苦しめた。この試合から中2日の過密スケジュールで迎える天皇杯3回戦にどのようなメンバーで臨むか予想が難しいところだが、本拠地で連敗を脱出し、シーズン終盤戦の巻き返しに向けた“弾み”にしたいと考えているに違いない。

一方のジェフにとっても、格上のJ1チームを相手に敵地で勝利をつかみ、アビスパ福岡戦の敗戦によるショックを払拭したい。神戸との対戦成績は過去8試合黒星がなく、最後の敗戦は2007年5月に行われたナビスコカップのこと。過去の戦績がこの試合に及ぼす影響は考えにくいが、「好相性」と言える相手であることは間違いなさそうだ。この試合に向けて中3日と神戸より1日多く時間を使えることも、ポジティブに考えられるだろう。

福岡戦に3-1-4-2という新たなフォーメーションで臨んだジェフは、最後まで相手を崩し切れずに完封負けを喫した。あの悔しさを払拭し、もう一度“勝利のエネルギー”をつかみ取るためにも、一発勝負のトーナメントで“結果”を持ち帰りたい。



関塚 隆監督
（連休中は、非常に多くのファン・サポーターが駆け付けてくれていますが）そうですね。皆さんが「天皇杯、頑張ってください」、「リーグ戦、頑張ってください」と激励に来てくれているので、その熱い気持ちを受けて、しっかりと戦っていきたいですね。
（連戦の中、天皇杯3回戦を14日に迎えますが、ヴィッセル神戸のイメージは？）相手はJ1のクラブです。我々は失うものがなく、強いチームと戦えるいい機会です。しっかりと準備をして勝ち上がりたいと思います。
（連戦になりますが、メンバー構成は？）アウェイゲームが続くということもありますが、ここに来て、コンディションのいい選手を起用して、一戦一戦を戦っているという状況です。残念なことですが、チームが連勝しているわけではないので、しっかりと戦える選手でいきたいと思います。
（天皇杯を機会にアピールしてくれる選手に期待を？）そういう場にもしたいと思います。天皇杯は延長戦やPK戦も考えられますので、そこまでを含めての18名ということで十分に考えて送り出したいと思います。実戦の場は、個人のやってきていること、積み上げてきたことをアピールするところでもありますし、チームの戦い方の中で、個々の力をチームの勝利のために表現して欲しいと思います。

森本 貴幸
（アビスパ福岡戦を振り返って）駆け引きを続けていましたが、ボールが入ってくるタイミングがなかなかありませんでした。しかし、そこで得点をすることが自分の仕事なので、それができなかったことが悔しいです。
（チーム内での競争も激しいですが？）勝ち切れる自信はあります。しっかりと練習から戦って力を見せたい。ゴールが自分の仕事なので、そこからは逃げたくありません。これからも点を取る動きを繰り返していきたいと思いますし、雑音や余計なことを考えずにやるだけです。
（ヴィッセル神戸戦に向けて）チーム内のモチベーションは高いです。神戸は強い相手ですが、僕らは失うものがないので全力でぶつかっていきたい。延長戦やPK戦になろうとも絶対に勝って自信をつけていきたい。自分たちの力で戦いきって、その流れをリーグ戦に向けていきたいと思います。

谷澤 達也
夏場も過ぎて、自分自身のコンディションも上がってきています。
（天皇杯3回戦・ヴィッセル神戸戦に向けて）天皇杯はリーグ戦とは違う雰囲気があります。その中で、自分たちがやろうとしていることにプラスアルファの工夫をしていかなければいけません。勢いをつけ、次のリーグ戦につなげるためにも、いいアイデアやプレーを出していきたいと思います。チームは縦に速いサッカーをしているので、タメるところの使い分けや状況判断ができたらいいと感じています。相手はJ1のチームなので個々の能力は高い選手が揃っていますし、そこを一人ひとりがどう対応できるか。1対1の局面で負けなければ引けはとらないと思います。
（ネルシーニョ監督の印象は？）相手によって色々と変えてくるので、自分たちもそれに合わせて上手く(対応)できるようにしていきたい。リーグ戦に弾みをつけるためにも強い相手から勝利を奪いたいと思います。

町田 也真人
ずっと調子は良くて、いいコンディションできています。天皇杯でアピールしたいと考えていたので、もし出場するなら次の試合で見せたい思いが強いです。
（天皇杯3回戦・ヴィッセル神戸戦に向けて）神戸がJ2時代のときには、僕が出場した試合で勝っているので良いイメージはありますが、今は全然違うと思います。相手も（リーグ戦、カップ戦で連敗しているので）天皇杯で勝ち癖をつけたいと思うはずなので激しい戦いになることは間違いありません。特にネルシーニョ監督は、勝負にこだわる監督という印象があり、昨年（柏レイソル監督時代）は、メンバーをあまり落としてきませんでした。
（アピールしたい点について）自分の存在価値をとにかくピッチで表現することと、相手がJ1のチームでも対等にできるということを個人としてもチームとしても見せていきたい。天皇杯は天皇杯で、一つでも上を目指したいと思います。


ナビスコカップ準決勝第2戦の結果
鹿島 4-1 神戸


ヴィッセル神戸　ナビスコカップ準決勝第2戦 鹿島戦布陣




ジェフ千葉　第36節 福岡戦布陣



最近の戦績
9/19　神戸 1-2 新潟
9/26　名古屋 2-0 神戸
10/3　神戸 0-2 鹿島
10/7　神戸 1-2 鹿島
10/11　鹿島 4-1 神戸


最近の対戦
13/10/06　J2 千葉 2-1 神戸
13/06/08　J2 神戸 2-2 千葉
09/09/20　J1 神戸 2-2 千葉
09/07/11　J1 千葉 1-1 神戸
09/03/25　ナビスコカップ 神戸 1-1 千葉