熊本地震から1カ月が経過しましたが、被災した皆さんは今も大変な生活を強いられていると思います。そういう中で、ロアッソ熊本にとって再開の試合ということで、全力で戦う姿を全国の皆さんにお見せしたいという思いで戦いに臨みました。熊本さんはこの1カ月、コンディションの面などで難しい状況にあったと思いますが、最後まで諦めず、勝利を目指して戦う姿に私自身が心を打たれました。

我々も応援してくれるサポーターやファンのために、プロとして勝利を追求する姿をお見せしたいと思っていましたし、「しっかりした戦いをしよう」と声を掛けながら試合に臨みました。前半は立ち上がりから熊本さんの圧力が強く、我々も圧倒される時間がありました。そういう中で、後半に先制点を奪い、追加点を奪うことができたという内容だったと思います。我々も5試合、勝利から遠ざかっていましたけれども、ホームで勝利できたことを次につなげていきたいと思います。

―― 船山貴之を右サイドMFとして、山本真希をボランチとしてスタメン起用しました。その狙いを教えてください。

京都サンガF.C.戦の町田也真人の調子が良かったということもあって、それをうまく活かした形での布陣を考えました。山本真希がケガから復帰できたことで、彼をスタートから使うべきか、途中から必要な時に使うべきかという判断でしたが、最終的には「スタートから」という決断をしました。

―― 後半から船山と井出のポジションを入れ替えました。その意図は？

右利きの井出遥也が左サイドでプレーすることで、彼のストロングが発揮される部分もあるのですが、今日の場合、ボールを受けてから縦に行くよりも中に入ってきてしまうところがありました。そういうところを見極めて、ハーフタイムに左右を入れ替えました。

ベンチには何度か入っていましたけど、まだ、ユニフォームを着て試合に出ていなかったので、まずはそのことが良かったと思います。試合後のでんぐり返しが分からなくて、うまくできませんでした（笑）。サポーターの皆さんに謝りたいと思います。次は気をつけます。

時間がない状態での出場だったので、監督からは「自陣ではシンプルに相手の最終ラインの裏に蹴れ」と言われていました。2-0で勝っていたので、試合の締め方は大事だったと思います。今日はわずかな時間だったんですが、これからもいつもどおり、練習から100パーセントで頑張ります。明日も練習があるので、試合に90分出て、ちゃんと走れるようにトレーニングします。アシストや得点などの結果も出したいし、まずは試合に出られるように頑張りたいと思います。

今日は素直に勝てて良かったです。コンディションは特に問題ありませんでした。というより、（長澤）和輝がものすごく動いてくれたので助かりました。僕は後ろでどっしり構えているというイメージでプレーしていました。

今日の試合は、注目されることも難しいゲームになることも分かっていました。ただ、ウチとしては42試合の中の1試合ですし、そういう意味でも勝ちにこだわってプレーしようとみんなで話していました。2点目を取れないという試合が続いていたので、（町田）也真人の頑張りが大きかったとはいえ、ああいう形、時間帯に追加点を奪えたことは良かったと思います。うまくいっている時間帯とそうじゃない時間帯があって、そういう時間帯に「やり切る」、あるいは「やられない」ということを徹底することが大事だと思います。紙一重の部分ではありますが、これからも、そういう細かいところをみんなで追求していきたいですね。

試合の立ち上がりは相手の圧力を感じました。ただ、前半はウチも相手もあまりうまくいかない時間が続いたと思います。自分もミスが多くて乗りきれなかったので、後半が勝負かなという気がしていました。

後半は味方との距離感が良くなって、すごくプレーしやすかったですね。今日は「エウトンの近くにどれだけいられるか」ということを監督からも言われていたので、後半はより強く意識していました。エウトンはポストプレーがうまい選手なので、ワンタッチでパスを出したり、彼に入った瞬間にいい位置でサポートすることが大事だと思います。後半は、お互いにいい感覚を持ってプレーすることができました。（1点目の）ワンタッチゴールについては常に意識しているんですが、あの位置に入れたというのは今までなかった感覚なので、少しずつ、そういう感覚を持てるようになってきたのかなと思います。2点目については、ああいう形でしたけど、これまで2点目を取り切れないという試合が続いていたので、チームとして改善したいと考えていました。