残り試合は14試合。シーズン終盤3分の1へと突入するロアッソ熊本戦は、ジェフにとって極めて重要な一戦と位置づけられる。

長谷部茂利監督代行が言う。

「相手うんぬんは正直まったく関係なくて、チームが置かれている立場からすると、どこが相手でも必ず勝ちを積み重ねることです。絶対に負けてはいけないし、勝点3を取りたい」

九州を舞台に繰り広げられるアウェイの連戦。ジェフは前節、ギラヴァンツ北九州に競り勝ち、5試合ぶりの白星を奪った。J1昇格プレーオフ圏内である6位との勝点差は「10」。連勝を遂げて勢いに乗り、少しでもこの差を縮めたいところだ。

18位に位置するロアッソ熊本は、前節、水戸ホーリーホックと対戦。30分にDF黒木晃平のゴールで4試合ぶりの先制ゴールを奪ったが、後半立ち上がりの53分、水戸のMFロメロ フランクにゴールを奪われて同点とされる。FW清武功暉、途中出場のFW若杉拓哉を中心とする攻撃で勝ち越し点を狙ったが、ゴールには至らずドロー。白星からは4試合遠ざかっている。

5月15日にフクアリで行われた前回対戦は、町田也真人の2ゴールによって2-0とジェフが勝利した。この一戦の印象を踏まえて、MF山本真希は次のように意気込みを口にする。

「シンプルに攻撃をしてきていました。清武功暉選手などポテンシャルのある選手がいる印象です。正直、失うモノはない。ただ前を見てやっていくだけなので、目の前の試合を一つずつ戦っていくことだけ」

長谷部監督代行が就任直後から取り組んできた守備の再整備は、2戦連続のクリーンシートによってその成果を証明しつつある。北九州戦のようにたとえ数的不利な状況を強いられてもチーム一丸となって守り、攻撃の意識を失うことなく勝点3を狙う。確かに見えてきたスタイルをチームの軸としながら、勝点3を奪うことに全精力を注ぎたい。DF近藤直也が言う。

「中2日で迎えるので、試合までにどれだけコンディションを戻せるか。あとは北九州戦のようにフレッシュな選手が入るのであれば、彼らがそれぞれの特長を出して、チームに新たな力を与えてほしい。気持ちの部分は大前提で、あとはどう組織的に守備をしていくかと、マイボールにしたあとの質をしっかり考えることが大事」

複数のポジションをこなしながら、前線の軸として存在感を示しているFW船山貴之も「チーム」を強調する。

「良い試合ができると思っています。『自分のゴールを』というよりも、今はチームの勝利が一番大事なことなので、チームが勝つことを考えてプレーしていきたいと思っています」

生き残るためには、勝つしかない――。その思いでチームが一つになれば、中2日、敵地での連戦という厳しい条件下でも必ず勝利を掴み取れるはずだ。


長谷部 茂利監督代行
（熊本戦に向けては）相手うんぬんは正直まったく関係なくて、いま僕が置かれている立場、チームが置かれている立場からすると、どこが相手でも必ず勝ちを積み重ねることです。絶対に負けてはいけないし、勝点3を取りたいです。
（熊本の印象は）前回対戦のときとそんなに大きく変わっていないと思います。連戦なので出場選手は誰が出てくるか分かりませんが、やり方は同じ形だと思います。我々も大きくは変わらないし、変える時間もないので、持っている力でぶつかるという感じです。（ヴィッセル神戸時代に指導した高柳一誠選手は）良い選手です。彼の良さは知っているけれど、彼自身の良さというよりはグループで良さを出してくるから、そこを出させないようにしたいと思います。（チーム内で同じ方向を向けていたら）攻撃面で強さを出してきます。そうなるようだったら、注意しなくてはいけません。

近藤 直也
こういう気候だし、バランスを取りながらチーム全体で守っていければと思っています。どんなチームが相手でも、1試合のうちに数回ピンチは訪れます。サボらずやるのは最低限ですが、北九州戦は１人減ったことでその意識がより明確になり、それぞれが自分を犠牲にして守備をしてくれました。攻撃でも、しっかりボールを回せる時間帯がありました。
（北九州戦、アランダ選手退場後から）10人で戦ったということは、それだけ体力の消耗もあるということです。（熊本戦は）中2日で迎えるので、試合までにどれだけコンディションを戻せるか。あとは北九州戦のようにフレッシュな選手が入るのであれば、彼らがそれぞれの特長を出して、チームに新たな力を与えてほしいです。気持ちの部分は大前提で、あとはどう組織的に守備をしていくかと、マイボールにしたあとの質をしっかり考えることが大事だと思っています。

丹羽 竜平
連戦の中（前節で）勝ったことは大きいです。ただ、（退場者を出して）10人になってしまうというのはもったいないですね。本当ならもう2、3点を取って3-0、4-0くらいで勝たなければいけなかったと思います。長谷部監督代行になって、ピッチにいる11人全員で守備の意識を強く持てるようになりました。前線からも追っかけてくれるようになりましたし、そこは守備陣として助かるところで、一番（変化として）感じています。
熊本は（鳥栖在籍時に）トレーニングゲームで対戦をしたことがあります。サイドの選手が速く、今季はけっこう（ボールを）つなぐ意識を持っているというイメージです。九州のチームは走りますし、前線には巻誠一郎選手など大きい選手もいるので、クロスの意識が高いと思います。本当は（前々節・愛媛戦からの）3連戦で3連勝という形にしたかったですが、ここで連勝できれば大きいので、しっかり勝ちたいと思います。

山本 真希
（北九州戦の前の）愛媛戦で無失点にできて、北九州戦は無失点かつ勝てたので良かったです。（退場者が出たことで逆にやることがハッキリして）相手が蹴ってきたということもあって守りやすくなったと思います。シゲさん（長谷部監督代行）に代わって、「しっかり守備をしていこう」という中で無失点を続けることができているのは良いことです。
（熊本との前回対戦は）参考になるか分かりませんが、シンプルに攻撃をしてきていました。清武功暉選手などポテンシャルのある選手がいる印象です。試合に出たら、北九州戦勝利の勢いをそのまま続けて、やっていければと思います。（北九州戦の）試合の入りは良かったですし、守備を大事にしながらも攻撃的にやっていくことが大事だと思います。正直、失うモノはないですし、ただ前を見てやっていくだけなので、目の前の試合を一つずつ戦っていくことだけです。

菅嶋 弘希
（北九州戦はボランチに入る時間帯もあり）守備の難しさを感じました。相手のフォワードにボールが入るとピンチに直結するので、相手をずっと意識して、プレッシャーをかけていくのが難しかったです。プレーでの戸惑いはそんなになかったので、そこは良かったところです。（今のチーム状態は）トレーニングではみんな高いモチベーションを持ってやっていて、誰が出てもしっかりプレーできるような状態にあります。（自身のJ初ゴールは）早く取りたいとずっと思っています。
（熊本は）前線に特徴のある選手がいるので、攻撃的なイメージがあります。（出場する）ポジションや時間などは分かりませんが、自分としてももっと攻撃的にプレーすることを意識して、そういった部分を積極的に出していきたいと思っています。

船山 貴之
（北九州戦は）10人になってしまったのですごく厳しい戦いでしたが、みんなの勝ちたいという気持ちが出た試合だったと思います。もちろん、いつも勝ちたいという気持ちは持っているのですが、あの暑い中で1人少ないというのはとても厳しい状況でした。一人ひとりが本当に良い仕事をしたと思います。押されている時間が長かったので、どううまく（自分たちの）時間を作るかというのは意識していました。
（熊本は）良いチームだと思いますが、震災があってからトレーニングできない期間があって、（前半戦の対戦は熊本にとって再開初戦で）影響が大きかったと思います。でもやるからにはこちらも全力でやるし、今はトレーニングも積めているでしょう。良い試合ができると思っています。「自分のゴールを」というよりも、今はチームの勝利が一番大事なことなので、チームが勝つことを考えてプレーしていきたいと思っています。

吉田 眞紀人
（北九州戦は）後ろの選手を中心に、よく耐えることができたと思います。（前線でも）しっかりとタカさん（船山）と2人で協力しながらやろうと話していました。そういうところも含めて、試合の入り方はうまくいきました。（攻撃面については）これからというときに１人少なくなってしまったので、難しくはなってしまいましたけれど、それまでは良い入り方ができていました。個人的にはシュートをもっと打っていきたいし、全体の攻撃の流れも良くなっているところなので、11人で試合を進めていけばもっと良い展開が増えると思います。
（勝った試合のあとに）一番やってはいけないのが、この1勝で気を緩めてしまうことです。ここで勝ったことでさらに気を引き締めて、試合に臨まなければいけないと思っています。連戦なのでミスも多くなりがちですが、お互いに助け合う気持ちをより強く持ちたいと思います。


［前節の結果／熊本］
水戸 1-1 熊本


［前節の布陣／熊本］



［前節の布陣／ジェフ］



［最近の戦績／熊本］
07/20　熊本 1-0 徳島
07/24　金沢 0-0 熊本
07/31　東京V 1-0 熊本
08/07　熊本 1-2 長崎
08/11　水戸 1-1 熊本


［過去の対戦成績］
14/03/30　千葉 3-0 熊本
14/08/17　熊本 0-0 千葉
15/04/29　熊本 0-4 千葉
15/07/26　千葉 2-3 熊本
16/05/15　千葉 2-0 熊本