代表戦や天皇杯などによる中断期間を終え、いよいよJ2リーグが再開する。残る試合数は「12」。終盤戦の初戦となる第31節の相手は、20位に位置するFC岐阜。長谷部茂利監督代行は、表情を引き締めてこの試合に懸ける意気込みを口にした。

「残り12試合で勝点を取り続けなればいけません。当然負けられないし、引き分けで勝点2を落とすこともないようにしないといけない」

岐阜は7月21日にラモス瑠偉・前監督との契約を解除。コーチを務めていた吉田恵が新監督に就任した。その後の戦績は、天皇杯1回戦を含めて4分3敗。全監督時代と併せて11戦勝星がなく、中断期間を挟んで迎えるこの一戦を、ジェフと同じように強い意気込みを持って迎えることは間違いない。

8月21日に行われた第30節のモンテディオ山形戦では、序盤から自陣で構える守備戦術を徹底し、カウンターからチャンスを狙った。山形に押し込まれる展開が続きながらも、27分には10試合ぶりの先発起用となったキャプテン難波宏明がCKから鮮やかなヘディングシュートで先制点を奪取。その後も守備一辺倒の戦いを強いられながら、山形の反撃を1点に抑えて敵地で貴重な勝点1を手にした。

一方のジェフは、好調を維持するファジアーノ岡山とホームで対戦。今季最高とも言える内容で相手を圧倒し、町田也真人とエウトンのゴールで勝点3を手にした。ホームで6試合ぶりとなる白星はチームに勢いをつけ、天皇杯1回戦と2回戦でも危なげなく勝利を積み重ねている。チームのコンディションは、上向きと言っていい。

長谷部体制になって出場機会が増えつつある比嘉祐介が言う。

「無失点と複数得点が続いているので、チームとしても自信がついてきています。得点も2得点以上取れるんじゃないかという雰囲気があるので、うまくゲームに入れたら勝てる。自分が先発で試合に出ているかどうかは関係なく、チームが良い調子になってきていると思うのでこの状態を続けていきたい」

天皇杯を含めてゴールを量産しているエウトンは、チームが良い状態にあることを強調した上で、相手に対する警戒も示した。

「最近のゲームでは主導権を握れるようになってきています。主導権を握る時間を長くすることは大事だと思います。果敢に相手ゴールに挑んでいく一人ひとりの姿勢がチーム全体の大きな力となって、相手に脅威を与えていると思います。（岐阜は）前回のホームでの対戦も非常に苦しめられた印象です。今回も間違いなく厳しいゲームになると思いますが、我々にとっても非常に大事なゲームです」

吉田監督が指揮を執る岐阜は、それまで最終ラインの中央に位置していた長身DF岡根直哉を4-1-4-1システムのアンカーで起用するなどメンバー構成に変化を加えている。もっとも、大事なのは“相手のサッカー”ではなく、“自分たちのサッカー”であると船山貴之は強調した。

「僕たちは自分たちのサッカーをしっかりとやることが一番大事です。距離感を大切にして、ミスをしないことを心がけたいです」

J1昇格プレーオフ圏内である6位との勝点差は「11」。残り12試合でこの差を逆転するためにも、シーズン終盤戦の第一歩を勝利で飾りたい。


長谷部 茂利監督代行
これから残り12試合で勝点を取り続けなればいけません。当然負けられないし、引き分けで勝点2を落とすこともないようにしないといけないのが現状です。水曜日（7日）の未消化試合の結果により順位は10位に下がりましたけれど、（プレーオフ圏内である）6位との勝点差は変わりません。勝点11差をどう縮めていくか。とにかく自分たちは勝点を取らないと。1試合で一気に勝点6も9も取れるわけではないので、勝点3を取ることがいかに先につながるかを考えなくてはいけません。
（岐阜は）我々と同じくらいのタイミングで監督が交代して、やり方も多少変わっただろうと思います。引き分けが4試合続くなど勝ち切れないところはあるようですが、少し選手がのびのびやるようになっているかなという印象ですね。
（元チームメイト・吉田恵監督との対戦は）楽しみですね。このあいだの愛媛FC戦で木山隆之監督と対戦した時も楽しかったですが、今回のほうが楽しみです（笑）。

比嘉 祐介
無失点と複数得点が続いているので、チームとしても自信がついてきています。得点も2得点以上取れるんじゃないかという雰囲気があるので、うまくゲームに入れたら勝てると思います。自分が先発で試合に出ているかどうかは関係なく、チームが良い調子になってきていると思うのでこの状態を続けていきたいです。
岐阜も今季のシーズン途中で監督が交代しています。どういうサッカーをしてくるかもあまり分かりません。映像をしっかり見て、岐阜のストロングポイントを消していければと思います。残り12試合は、勝つだけ。それは選手全員が思っています。試合に出た選手はしっかりやるだけです。気合は十分に入っているので、あとは結果を出したいと思います。

佐藤 勇人
天皇杯も簡単な試合ではありませんでしたが、勝って次に進むことが大事でした。それを達成したことは良かったと感じます。また、無失点で勝ったことはリーグ戦につながると思います。
岐阜は吉田恵監督に代わり、僕は吉田監督とも長谷部監督代行とも一緒にジェフでプレーをしていますが、お互いのプライドやチーム状況もあるので、この試合はどうしても勝点3を取ることが必要になります。とにかくアウェイでは先制点を取ることが大事です。球際に強く行ってセカンドボールを拾い、しっかりと守備をやりつつ攻撃のチャンスで精度を上げていけば、自然に得点は増えてくるはずです。リーグ再開後の初戦なので、勝ちたいです。

長澤 和輝
リーグ戦と天皇杯は違いますが、この（天皇杯の）良い流れを切らないように、引き続き変わらずに良い準備をしていきたいです。（チームの）連動性がもっと出てくればいいですし、とりあえず（天皇杯は）失点がなかったのでポジティブに考えて継続していきたいと思います。クロスの質が高まればもっと（試合を）楽に運べると思うので、比嘉選手には頑張ってもらいたいですね（笑）。
（岐阜は）前線に能力の高い選手がいるイメージです。（岐阜との前回対戦で決めたように）ゴールを狙っていければいいのですが、チームが勝てればそれでいいとも思っています。チームとしては勝点3を取ることが重要な試合なので、取れるように全力で戦っていきたいです。

小池 純輝
（天皇杯2回戦・金沢戦は）自分にとっては久しぶりの公式戦でした。途中、後ろのポジションに入ることもありましたが、勝利で試合を終われたことが何よりです。
ここまでトレーニングをしっかり積んできているので、（岐阜戦で）チャンスがあればモノにしたいです。積極的に裏に走る部分を意識して、チャンスに絡んでいきたいです。（チーム状況としては）引き分けも厳しい状況ですし、勝つことしか許されないと思っています。1試合1試合、大事な試合が続くので（試合に）絡んでいきたいです。サッカーなのでピッチで対戦しないと分からないところもありますが、先入観や固定観念を持たずに自分たちのサッカーをしていきたいと思います。

エウトン
チーム全体として非常に良いゲームができていて、その上結果も出ているという良い状態です。最近のゲームでは主導権を握れるようになってきています。主導権を握る時間を長くすることは大事だと思います。果敢に相手ゴールに挑んでいく一人ひとりの姿勢がチーム全体の大きな力となって、相手に脅威を与えていると思います。自分自身も味方の特長をよく理解できてきたし、日本のサッカーにもかなり順応できて、自分の特長をさらに出しやすくなっているように感じています。（岐阜は）前回のホームでの対戦も非常に苦しめられた印象です。今回も間違いなく厳しいゲームになると思いますが、我々にとっても非常に大事なゲームです。我々が相手に挑んでいくという姿勢を前面に出せるようにしたいと思います。

船山 貴之
天皇杯は、1回戦は大学生（北海道教育大学岩見沢校）が相手でしたし、2回戦の金沢もメンバーを入れ替えてきていたので、どちらもウチが勝たなければいけない試合でした。その中で、勝ち癖をつけるためには大事な試合となりました。（連動性については）少しは出てきたと感じるところもありますが、もう少し精度を高めなければいけません。（岐阜戦では）しっかりとテンポ良くボールを繋ぎながら、（シュートで終わる良い形で）最後の精度を出したい。ウチのほうが力があると思います。相手は監督も代わってどんなサッカーをしてくるのか分かりませんが、僕たちは自分たちのサッカーをしっかりとやることが一番大事です。距離感を大切にして、ミスをしないことを心がけたいです。


［前節の結果／岐阜］
山形 1-1 岐阜


［前節の布陣／岐阜］



［前節の布陣／ジェフ］



［最近の戦績／岐阜］
8/7　岐阜 1-1 讃岐
8/11　松本 1-1 岐阜
8/14　岐阜 1-1 徳島
8/21　山形 1-1 岐阜
8/27　岐阜 1-2 Honda FC（天皇杯1回戦）


［過去の対戦成績］
14/09/20　千葉 1-0 岐阜
15/07/04　千葉 3-1 岐阜
15/09/06　千葉 1-0 岐阜（天皇杯2回戦）
15/10/25　岐阜 1-0 千葉
16/05/22　千葉 3-2 岐阜