前節、松本山雅FC戦は完敗だった。キャプテンの近藤直也が振り返る。

「松本は、プレスをかける前にシンプルにダイレクトで蹴ってきました。研究をされた印象があります。チームとして動き出しが少なくボールを回せずリズムがなかなか作れなかったので、しっかりと修正をしていきたい」

最初から最後まで、ジェフのサッカーをやらせてもらえなかった。近藤の指摘どおり、プレスをかける前にサイドに展開し、逆サイドの裏を突くロングフィードで高い最終ラインの背後を狙う。ジェフはそうした“対策”への対応が遅れ、24分に失点。勢いを取り戻そうと臨んだ後半には開始早々の46分にセットプレーから追加点を許し、55分にも再びセットプレーから3点目を奪われて勝敗の行方は決まった。ジェフの反撃は途中出場した清武功暉の1点にとどまり、最後まで“ジェフのサッカー”をやらせてもらえなかった。

明確な特徴を持つジェフのサッカーは、相手に研究されやすい。おそらく、どのチームの指揮官も戦術的な攻略法を持ってジェフとの試合に臨んでくるだろう。試合の中で、その“対策”をいかに早く理解し、攻略できるか。松本戦は、シーズンを通じて大きなポイントとなる課題を突きつけられた90分だった。

今節、ジェフは再び敵地で湘南ベルマーレと対戦する。J1から降格してきた湘南は、第3節で対戦した名古屋グランパス、前節対戦した松本と並ぶ昇格候補の一角。第4節終了時点で首位につけており、好調ぶりがうかがえる。アウェイでの一戦とはいえ、何としても勝点3を奪いたい相手だ。

湘南について、フアン エスナイデル監督はこう評する。

「僕も好きなチームだし、いいチームだと思っています。彼らがやりたいサッカーというのは好きですし、しかも結果も出ているチームです。彼らのやろうとするサッカー、自分で主役になろうとする、自分たちで結果を求めていこうとするサッカー、そのスタイルは本当に好きです」

2014年に湘南に在籍した熊谷アンドリューにとっては、古巣との対戦となる。意気込みは強い。

「（湘南は）全員がハードワークをして、全員で守って、全員で攻めてくるイメージ。ジェフにとっても連敗を避けたいところなので、チーム一丸となって良い結果を出したいと思います。相手に走り負けないことと、ウチも走ることがポイントになります。球際や気持ちでも負けられません」

「湘南スタイル」を打ち出し、“走るサッカー”を志す湘南の戦術は、ハイプレスという点でジェフの戦術と共通する。激しさを増す中盤の攻防を制することができるか。そこが、この試合の命運を分けるポイントとなりそうだが、だからこそ“自分たちのサッカー”が大事であると船山貴之は言う。

「相手どうこうよりも、自分たちのサッカーをすることが大事です。もっと自分たちのサッカーを極めたい。難しい試合になるとは思いますが、アウェイ2連戦目なので、次はしっかりと勝点を取りたいと思います」

大事な一戦だ。リーグ上位を狙うためには、何としても連敗を避けなければならない。“自分たちのサッカー”で、難敵から勝点3を奪いたい。


フアン エスナイデル監督
相手の陣地に入ったときにリズムを変えるというところを改善しないといけません。相手の最初のプレスを破ったときに、その次にアグレッシブにリズムをチェンジできないと相手を驚かすことはできないし、相手のディフェンス陣も整ってしまう、相手にもっとダメージを与えないといけません。ですが、外からの攻撃というのはうまくできています。もちろん最後のパスとか正確性に欠けていたところもあるけど、やれていました。ただもっと真ん中でボールを持ったときにリズムチェンジすることが前（松本戦）は出来ていなかったと思います。
湘南は僕も好きなチームだし、いいチームだと思っています。彼らがやりたいサッカーというのは好きですし、しかも結果も出ているチームです。彼らのやろうとするサッカー、自分で主役になろうとする、自分たちで結果を求めていこうとするサッカー、そのスタイルは本当に好きです。

近藤 直也
（前節対戦した）松本は、プレスをかける前にシンプルにダイレクトで蹴ってきました。研究をされた印象があります。チームとして動き出しが少なくボールを回せずリズムがなかなか作れなかったので、しっかりと修正をしていきたいと思います。（今節対戦する湘南は）監督も代わっていないので、ベースも変わっていないと思います。ハードワークが出来るチームで、力強さや粘り強さがある印象です。ジェフが（湘南に）先制を許すと相手を乗せてしまうので、注意したいですね。守備面での甘さやプレスのかけ方など、全体で話し合っていきたいと思っています。ラインの裏のケア、2列目からの飛び出しなども整理していきたいです。

キム ボムヨン
（松本戦は）久しぶりに公式戦でピッチに立てたことは、個人的にはうれしかったことですが、試合に負けたことは悔しい。結果として勝ちたかったので、次の試合では絶対に勝ちたいです。（湘南は）J1でも十分に強いチームでした。積極的に上がってくる部分を、どう守るか。しかし自分たちが攻撃的に行けば相手も嫌だと思うので、積極的に行きたいと思います。（途中出場でも）チームメイトが疲れた時に僕が入ることで、運動量をもってチームを助けていきたい。湘南も自分たちの良さを出してくると思いますが、僕らも相手のウィークポイントを狙って積極的に攻めたい。走ることは僕のストロングポイントなので、自信を持って戦いたいです。

清武 功暉
（松本戦は）守備がうまくいっていなかった部分があったので、そういう部分の守備での役割を感じています。やっぱりチームとして連敗してはいけないと思うので、そこは絶対にしないようにと考えてプレーしたいです。
（熊本在籍時の昨シーズンは第3節～第5節で3試合連続ゴールを決めており、再現が期待されるが）そうですね。何かあるのかもしれないですね（笑）。でも去年は、（第3節で）PKがありました。今回は流れの中から得点できているので、もうちょっとドリブルで決めたり、仲間とワンツーしてうまく決めたり、そういう部分も出していけたらなと思います。あとはフリーキックもチャンスあれば狙っていきたいし、とにかくどんな形でもゴールを奪いたいなと思います。湘南も昇格を争うチームなので、負けられないし、負けちゃいけない。アウェイで勝点3を持って帰ってこられるほどいいことはないと思うし、しっかり勝ち切りたいなと思います。

熊谷 アンドリュー
開幕から良い流れで来ていたので、（松本戦は）負けたくない一戦でした。相手が試合巧者で、うまく試合を進められてしまった印象があります。プレスを掛けられず、自分たちのサッカーが出来なかったことが反省する部分です。（湘南は）全員がハードワークをして、全員で守って、全員で攻めてくるイメージ。ジェフにとっても連敗を避けたいところなので、チーム一丸となって良い結果を出したいと思います。相手に走り負けないことと、ウチも走ることがポイントになります。球際や気持ちでも負けられません。自分としては攻撃のスイッチにならないといけないと思うし、違いを見せられるプレーをしていきたいです。また、（古巣戦ということで）曺貴裁監督と会うのも久しぶりなので楽しみ。成長したと言ってもらえるように頑張ります。

高橋 壱晟
（松本戦は）攻撃の部分ではいいところがあまりなかったんじゃないのかなと思います。僕自身サイドに流れてしまって最後の局面に絡めないことが多かったので、もっと中央でプレーしたかったと思っています。チームとしては、前半チャンスは作れていたのかなと思いますけど、先制点を許して流れが変わってきて、1失点目から押される雰囲気を感じました。（試合への）緊張感はもうないですけど、でも自分自身は良く出来ていないし、思いっきりやれている場面もまだないですね。点に絡めるようなシーンをほとんど作れていないので、もっとゴール前の局面でボールに絡んで、自分のできることをもっと見せていけたらいいなと思います。（次の湘南戦は）ハイプレス対決ですし、湘南に勝てればリーグの上位も見えてくると思うので、しっかり戦いたいです。

船山 貴之
（松本戦は）自分たちの思うようなサッカーが出来なかったというのはありますが、松本の得意なセットプレーで2失点をしたのは悔しいです。（フアン エスナイデル監督からは）「出来なかった部分もあるが、自分たちのスタイルを出し切って負けたことは自信を持って、これからもやっていこう」と、そして「しっかりとトレーニングをして次の試合に笑えるようにしよう」と話がありました。（湘南戦に向けては）下を向かないことが大事になりますし、相手どうこうよりも、自分たちのサッカーをすることが大事です。もっと自分たちのサッカーを極めたい。難しい試合になるとは思いますが、アウェイ2連戦目なので、次はしっかりと勝点を取りたいと思います。


［前節の結果／湘南］
愛媛 0-1 湘南


［前節の布陣／湘南］



［前節の布陣／ジェフ］



［最近の戦績／湘南］
02/26　水戸 0-1 湘南
03/04　湘南 3-1 群馬
03/12　金沢 0-0 湘南
03/19　愛媛 0-1 湘南


［過去の対戦成績］
11/07/17　湘南 2-0 千葉
12/06/24　千葉 1-1 湘南
12/10/21　湘南 1-1 千葉
14/04/13　千葉 0-6 湘南
14/08/03　湘南 1-1 千葉