ブレない姿勢が求められるゲームだ。

4試合勝利なしで迎える第8節の相手は、レノファ山口FC。昨シーズン、同じく敵地の対戦で2-4と完敗を喫した相手でもある。

“自分たちのサッカー”にこだわり、それを貫くことで勝利を目指してきたが、最近4試合では勝利という結果を残すことができなかった。それでも、フアン エスナイデル監督は姿勢を崩さない。敵地の山口戦に向けても、やるべきことは変わらない。

「僕らと対戦する前の相手の試合はもちろん見ますし、分析もしますが、相手がやり方を変えてくるので、僕ら自身のほうにもっと集中していきたいと思っています」

山口はここまで、1勝3分3敗で19位に位置。昨シーズン、絶対的な司令塔として存在感を示したMF庄司悦大をはじめ、MF島屋八徳やMF福満隆貴、DF小池龍太も移籍。チームは大幅な戦力の入れ替えを強いられ、上野展裕監督率いるチームのパスワークを主体とするスタイルに変化はないものの、ピッチ内の“フィット感”に苦しんでいるようだ。

前節は徳島ヴォルティスと対戦し、1-1のドロー。前半だけで10本のシュートを放つ積極的な姿勢を見せ、後半も主導権を握って相手ゴールに迫った。しかし、先制点を奪って守備的なシフトに切り替えると、試合終了間際に同点弾を奪われて今シーズン2勝目を逃している。

山口について、船山貴之が印象を口にする。

「つないでくる印象はあります。しかし今シーズンは昨シーズンに核となっていた選手が抜けているので、そこはしっかりと叩いていきたい。アウェイでの試合ということもあるので、しっかりと良い入りをして、良い試合をしたい」

指揮官も、試合の入り方をポイントに挙げた。

「大切なのは試合の入りと、そのあとに何をしなければいけないか。そして、僕がグラウンドでそれを提案すること。あとは、選手の手にかかっています」

ジェフは前節、今シーズン未勝利のザスパクサツ群馬と対戦。中盤でボールを奪われるミスから先制点を献上し、高橋壱晟のプロ初ゴールで同点としたものの、逆転ゴールを奪うことができずドローに甘んじた。最終ラインの一角に入った多々良敦斗が振り返る。

「群馬は6連敗をしていたので、しっかりと叩いて勝点3を取りたかったゲームでしたが、ドローで終わり悔しさを感じています。今はこちらも我慢の時期だと思います。前向きに捉えて、最低でも勝点1を積み上げていくことが大事。こうした経験を生かせれば強いチームになれるので、話し合ってやっていきたいと思っています」

相手がどこでも、自分たちのサッカーを貫き、その結果として勝利を手に入れたい。勝利は必ず自信となり、自分たちのサッカーの質を高める。そのサイクルに乗るためには、敵地とはいえ勝利が必要だ。これ以上は負けられない。強い危機感を持って、敵地に乗り込みたい。チームとしての決意を、羽生直剛が代弁する。

「途中出場でもベンチスタートの選手として『やることは何なのか』ということを常に考えていい準備をして、いい状態で自分がどれだけできるかということだけに集中しています」

ブレずに前へ。その気持ちの強さが問われる一戦だ。


フアン エスナイデル監督
僕がいつも試合の準備をするときに一番最初に考えるのは、“どこをどうすれば勝てるか”です。相手のことは映像などで見ますが、ここのところの現象として、相手は僕らと対戦するときに、それまでのやり方から変えてくることが多い。僕らと対戦する前の相手の試合はもちろん見ますし、分析もしますが、相手がやり方を変えてくるので、僕ら自身のほうにもっと集中していきたいと思っています。相手が、僕らが見たことのないようなことをやってくるケースも想定しています。なので、いろいろなシチュエーションを想定してトレーニングをしています。
“勝つ”ということは、自信を与えてくれます。もちろん僕は勝ちたいです。大切なのは試合の入りと、そのあとに何をしなければいけないか。そして、僕がグラウンドでそれを提案すること。あとは、選手の手にかかっています。

北爪 健吾
群馬戦の前半は個人としてもプレーの質は高くなかったし、自分たちのやりたいことをできないときにもっとチームで団結して乗り越えていくことが必要だったと思います。先制点を取られてしまうと追いつくことも難しくなるし、勝点3を取るのもかなり厳しくなってしまうので、先制点の重要性を次に向けて修正できたらと思っています。（2アシスト目を記録したが）10は取りたいと思っていて、最初（町田戦で）取れたあとに結果が出ていなかったので、ちょっと焦りもありました。でもまたこれをきっかけにして、自信を持ってプレーできればと思っています。プロになってからホームでアシストをしたことが多分なかったので、そういう部分でも特別な喜びを感じたし、どれだけ幸せなのかということも感じることができて、もっともっとチームのために、チームに貢献したいという思いが強くなりました。次の山口戦はアウェイですが、勝点3を持って帰ってこられるように、そして連戦に向けて勢いに乗っていけるように、準備をしたいと思います。

多々良 敦斗
（前節対戦した）群馬は6連敗をしていたので、しっかりと叩いて勝点3を取りたかったゲームでしたが、ドローで終わり悔しさを感じています。今はこちらも我慢の時期だと思います。前向きに捉えて、最低でも勝点1を積み上げていくことが大事。こうした経験を生かせれば強いチームになれるので、話し合ってやっていきたいと思っています。
（山口は）昨シーズンとは違い、裏に蹴ってくる印象もあります。そこはきっちりと対応しながら、チーム全体でリスク管理をしたいです。たとえ裏を狙ってきても、無失点で切り抜けられれば逆にこちらのチャンスは増えます。そのためにも、先制点を取れるような戦い方をしていきたいです。

町田 也真人
（ホーム2戦連続ドローは）非常に痛かったと思っています。ただ、負けなかったことをポジティブに捉えることも大事。これ以上、トップを走るチームに勝点を離されないようにしたいです。しっかりとチームの基盤を作って、夏場に向けて攻勢をかけていきたいと思っています。
（山口戦に向けては、相手が）つないでくるのであれば、僕たちのやりたいことが出来ます。もちろん相手にもチャンスはあるだろうし、そこでしっかりと守り切れるか。チームとして複数得点をすることが出来ればいいですね。3得点は欲しいです。（クロスの数は）クロスを多く上げていることをポジティブに捉えて行きたい。清武功暉選手も高橋壱晟選手もシュートが上手いので、積極的にどんどん打ってもらって、僕はこぼれ球を狙って泥臭いゴールを決めたいです。

羽生 直剛
前節は、相手ももちろんスカウティングをして、自分たちのリスクである部分を突いてきたし、あまりいい前半ではなかったです。ただ逆に相手も前からのプレッシャーとかにエネルギーを使っているなというのがあったので、後半は自分たちの流れになればひっくり返すことも可能だろうなと、ベンチで見て思っていました。後半は相手も守り切りたいと見えたし、システムも変わって選手ももう「やるしかない」とある意味腹をくくった状態で進めたので、攻撃的な面が見えたのだろうなというのが僕の印象です。
自分が長い時間プレーをして、こういうチーム状況のときに何かしたいというのはもちろんありますけど、途中出場でもベンチスタートの選手として「やることは何なのか」ということを常に考えていい準備をして、いい状態で自分がどれだけできるかということだけに集中しています。僕を使ってもらえている以上は、ゲームの慌ただしさみたいなものを消したいし、全体のバランスを見ながらというのが、自分のやることの一つだと思っています。

ラリベイ
（ホームで引き分けた2試合については）もちろん、チームは勝つ気持ちで挑みました。勝てれば順位も上に行けたと思いますが、J2リーグはとても厳しく、実力が拮抗しているのは分かっています。必ずこれからのゲームでは勝点を稼いで、上位に戻ることが出来ると信じています。（クロス数も多く、得点まであと一歩だが）良いプレーが出来ています。サッカーの質に関していえば高い。自分たちのやっていることは間違っていません。自分たちのサッカーに自信をみんなが持って臨んでいます。
（山口戦に向けて）アウェイであっても、ホームと同じように勝ちを求めて全力で戦います。短いスパンでの目標を持って、目の前の試合を見据えることで結果は自ずとついてきます。

船山 貴之
（試合中に変えることもある4バックは）距離感がよく、良いバランスを取れていると感じますが、ただ3バックのときでも自分たちがやることは変わりません。（ホーム2試合連続ドローで）勝点を積み上げられなかったことは痛いですが、チームは今シーズン、監督が代わり、今までのサッカーとまったく違うやり方をしていて慣れるまでの難しさはあると思っています。
（今節対戦する山口は）つないでくる印象はあります。しかし今シーズンは昨シーズンに核となっていた選手が抜けているので、そこはしっかりと叩いていきたい。アウェイでの試合ということもあるので、しっかりと良い入りをして、良い試合をしたい。最低でも勝点1を取って帰って来たいです。


［前節の結果／山口］
山口 1-1 徳島


［前節の布陣／山口］



［前節の布陣／ジェフ］



［最近の戦績／山口］
03/12　大分 2-0 山口
03/19　山口 0-2 東京V
03/26　山口 1-0 讃岐
04/01　水戸 1-1 山口
04/08　山口 1-1 徳島


［過去の対戦成績］
16/04/23　山口 4-2 千葉
16/09/18　千葉 1-1 山口