アウェイの連戦となる第12節ツエーゲン金沢戦を前に、フアン エスナイデル監督はいつもと変わらない言葉を発した。

「僕らは僕らのやることを信じていますし、この先もそうあってほしいと思っています。同じ道を進んでいきたいと思っています」

勝利した第10節徳島ヴォルティス戦も、1-1のドローに終わった前節のカマタマーレ讃岐戦も、決して満足できる内容と結果ではなかった。
それでも、指揮官の姿勢は変わらない。自分たちを信じる。信念を貫く。その大切さを、フアン エスナイデル監督は何度でも強調する。

その信念は、90分間における内容の精度を徐々に高めている。徳島戦、讃岐戦とも内容では相手を圧倒し、“形”としては自分たちのサッカーを存分に表現することができた。
最も大きな課題は、やはり勝敗を左右するフィニッシュにある。この精度を上げなければ結果はついてこないが、あと一歩の手応えだけはある。だからこそ、ここでブレるわけにはいかない。

対戦相手となる金沢は、前節まで4連敗を喫して降格圏に沈んでいる。前節の東京ヴェルディ戦は後半開始早々に4試合ぶりのゴールを奪ったものの、その後セットプレーから2つの失点を重ねて逆転負け。
しかし、ジェフと同様に内容に関しては着実に精度を高めており、佐藤洸一や山﨑雅人、金子昌広らアタッカー陣はジェフの生命線であるハイラインの背後への突破を得意とする選手だ。

北爪健吾は試合展開を次のように予想する。
「守備でも攻撃でもタフな試合になります。（金沢は）堅く守って、カウンターで得点を取りにくる印象があります。先制をされると守られて、厳しい展開になります。
今の（ジェフの）チーム状態は、立ち上がりから良い状況で試合に入れています。ボールを支配して自分たちのやりたいことを表現できているので、しっかりと得点を取って、次こそは“絶対勝利”という展開にしたいです」

“絶対勝利”を実現に導くカギは、やはり攻撃陣の奮起にある。ここ2試合で存在感をアピールしつつある指宿洋史が言う。
「ウチがボールを保持することも予想できます。あとは前線の選手がしっかりと得点を決めること、そして後ろはゼロに抑えて勝つだけです。
先発でも途中でも試合に出るのであれば、チャンスで得点をできるように頑張って、全力を尽くしたいと思います」

前節の讃岐戦における「連勝」への意気込みが強かっただけに、それを逃したショックも小さくない。とはいえ、自分たちにできることは目の前の1試合に全力で望むことだけだ。
ベテランの山本真希は、この試合に臨むにあたって必要なメンタリティを十分に理解している。
「勝ちたい。それだけです。上位に行くためには連勝が大事になってきます。もったいない試合をしないこと（を意識して）、勝ち切れるようにしたいです。
相手は堅く守ってくるイメージがありますが、今の（ジェフの）チーム戦術であれば相手どうこうではありません。自分たちのやるべきサッカーを徹底してやることが、勝利につながると思っています」

ゴールデンウィーク連戦のラストマッチ。敵地金沢から、なんとしても勝点3を持ち帰りたい。


フアン エスナイデル監督
今までやったすべての対戦相手の印象というのは、何回も言っていると思いますが、いつも僕が収集する情報と実際にやったときの相手の状況は全く違うものです。
試合も見たりしていい選手はたくさんいるということは分かりますが、どういうふうに僕らに対してやってくるかは本当に分かりません。ここまで見てきた試合と実際の試合が全く違うから。
ただいい選手がいるのでそれには注意しなければならないというのは分かっています。水曜日、彼ら（讃岐）は守ってカウンターを狙ってきたので、僕らはそのカウンターに気を付けなければいけなかった。
次の相手（金沢）は前からくるか下がってくるか分かりませんが、僕らはどっちにも対応できるように準備していきたいと思っています。
ただ何回も言っていますが、僕らは僕らのやることに依存しますし、この先もそうあってほしいと思っています。そういう意味で今僕らはいい状態です。同じ道を（迷いなく）進んでいきたいと思っています。

北爪 健吾
上位に行くきっかけは連勝しかありません。上との差を詰めて行いたいですね。だからこそ次は勝点3を取れるようにしたいです。
（讃岐戦で）負けてないことはポジティブなことですが、勝ててないことは課題。無失点で守り、複数得点を取りにいく姿勢をもっと出さないといけません。
（金沢戦は）守備でも攻撃でもタフな試合になります。（相手の金沢は）堅く守って、カウンターで得点を取りにくる印象があります。先制をされると守られて、厳しい展開になります。
今の（ジェフの）チーム状態は、立ち上がりから良い状況で試合に入れています。ボールを支配して自分たちのやりたいことを表現できているので、しっかりと得点を取って、次こそは“絶対勝利”という展開にしたいです。

比嘉 祐介
（讃岐戦は）後ろのスペースがなかったし、スペースがないからフォワードも走れなかった。自分はワンツーとかコンビネーションで崩すイメージでした。
フォワードが大きかったしクロスの質を（高めよう）と考えていたんですけど、1回か2回しかセンタリングをあげるタイミングがありませんでした。引く相手に対してミドルを打ったり相手を引き出す動きが必要でしたが、崩し方も連係もなかったので、もっと選手同士がみんなで考えて話し合っていくことが必要だなと思いました。
サイドを使って2対1の局面をたくさん作ってというトレーニングをしました。いいイメージができたかは分からないけど、あのトレーニングは良かったかなと思います。
3人目の動きが一番ディフェンスとしてもつきにくいし、金沢戦もそういうコンビネーションが大事になってくると思います。

ホルヘ サリーナス
（讃岐戦は）全体的に良いプレーをしていました。運も味方をしてくれなかったこともありますが、決定力が足りなかったと思います。先制はしましたが残念ながら失点もしてしまい、自分たちの思い通りにゲームを進められませんでした。
個人としては、勝負に行くこと、仕掛けることを意識しました。走って攻撃のオプションを作ることと、ボールを持った時にはサイドからのクロスを上げることはできていたと思います。
勝点を重ねるためには勝利が大事になります。金沢戦もアウェイですが、勝点3を取って次のホームゲーム（長崎戦）に弾みをつけたい。
（相手のブロックに対しては）忍耐力が必要となりますが、ボールを左右に動かすことが大事になると思っています。

山本 真希
連戦だったこともあって、前節の讃岐戦は本当に勝ちたかった試合でした。連戦で3連勝をすることを目標にしていました。その中で与えられたポジションで、チームとしての戦術を理解して、自分らしさを出すことを意識してプレーをしました。
（得点に結び付いたシュートは）たまたまです（笑）。トラップがうまくいかなかったので、ミートの意識を強く持ちました。
（金沢戦は）「勝ちたい」。それだけです。上位に行くためには連勝が大事になってきます。もったいない試合をしないこと（を意識して）、勝ち切れるようにしたいです。
相手は堅く守ってくるイメージがありますが、今の（ジェフの）チーム戦術であれば相手どうこうではありません。自分たちのやるべきサッカーを徹底してやることが、勝利につながると思っています。

指宿 洋史
（讃岐戦は）チームに加入して初先発ということもあり、とにかく勝ちたい一戦でした。勝てなかったことは本当に悔しいです。ボールを握る時間も多かったからこそ、勝点3を取らなければいけなかったと思います。
（クロスに対して）シンプルに上げるのか、タイミングを見計らって上げるのか、そこを合せることができれば良かったと思います。
（金沢戦も）厳しい戦いになることは予想できますし、ウチがボールを保持することも予想できます。あとは前線の選手がしっかりと得点を決めること、そして後ろはゼロに抑えて勝つだけです。
先発でも途中でも試合に出るのであれば、チャンスで得点をできるように頑張って、全力を尽くしたいと思います。

船山 貴之
（讃岐戦は）大きいフォワードを2枚使っていたので、いつもと違うサッカーになるなとは思っていました。
やってきたのがああいうサッカーではないので、自分たちがまずあのサッカーに慣れるのも大変でしたし、難しい試合だったのは間違いないと思います。
相手も引いていてスペースもないという状況で、前半0-0で耐えられたというのはアウェイとしては良かったのかなと思います。
（自分が入った場面は）点を取りにいくしかないので、あそこで1点欲しかったですね。監督からは「とにかく勝負してこい！」と言われました。
自分がスタートから出ていないのでなんとも言えませんが、唯一言えるのは（讃岐が）自分たちより下位のチームだったので、どうしても連勝が欲しかったということです。
金沢戦はどういうメンバーでいくのかまだ分からないけれど、それに合った試合をしていきたいなと思います。
（試合前日の5月6日が30歳の誕生日となることについて）すべてに対して貪欲に、若いのに負けないように頑張ります。


［前節の結果／金沢］
東京V 2-1 金沢

［前節の布陣／金沢］

［前節の布陣／ジェフ］

［最近の戦績／金沢］
04/08　岡山 0-1 金沢
04/15　大分 1-0 金沢
04/23　金沢 0-2 熊本
04/29　岐阜 1-0 金沢
05/03　東京V 2-1 金沢

［過去の対戦成績］
15/05/17　千葉 1-1 金沢
15/07/08　金沢 0-0 千葉
16/04/09　千葉 1-0 金沢
16/11/06　金沢 1-2 千葉