前半に先制ゴールを奪うまでは、まさに理想的な展開だった。しかし前半アディショナルタイムに同点ゴールを喫すると、後半は相手にペースを握られ、逆転負け。今シーズン初の連勝をまたしても逃すことになった。

スタメンは3-5-2の布陣。GKは佐藤優也。最終ラインは右から岡野洵、近藤直也、キム ボムヨンの3人。アンカーのポジションに佐藤勇人が入り、中盤はアランダと高橋壱晟のコンビ。右のワイドに山本真希、左に乾貴哉が入り、2トップには指宿洋史と清武功暉が並んだ。

試合の立ち上がりは両者がシュートを打ち合う激しい攻防となった。ジェフは2分に指宿、5分に高橋がシュート。10分には近藤のロングフィードで右サイドに展開し、山本を経由してアランダがクロス。ボールは逆サイドまで流れたが、テンポのいい攻撃からチャンスを作った。16分と17分には岡山のMF塚川孝輝に立て続けにシュートを打たれたが、ジェフはゲームの主導権を握りながら冷静に試合を運んだ。27分には右サイドからのクロスを指宿がヘディングシュート。こぼれ球に乾が詰めて指宿が押し込んだが、これはオフサイドの判定となった。

先制点が生まれたのは34分。右サイドで得たFKから佐藤勇人がクロスを上げると、GKが弾いたボールをキムが思い切りよくロングシュート。これがゴール右上に突き刺さり、ジェフが待望の先制点を奪った。このゴールでチームの安定感がさらに高まったかに見えたが、前半終了間際のアディショナルタイム、相手GKのクリアボールがジェフ最終ラインの背後に落ち、追いかけた岡野と飛び出したGK佐藤優也が交錯。こぼれ球を拾った岡山のFW片山瑛一に押し込まれ、前半を1-1のドローで折り返すことになる。

この失点を引きずったのか、後半の立ち上がりは岡山にペースを握られた。

51分にジェフの右サイドからクロスを放り込まれ、岡山のFW豊川雄太がヘディングシュート。これはわずかにゴールの枠を外れたが、直後の53分、キムのパスを岡山の片山に奪われ、ゴール前でこぼれたボールを石毛秀樹に押し込まれた。

フアン エスナイデル監督は57分、MFアランダとDFキムに代えてFW船山貴之とMF町田也真人を投入。攻撃陣を入れ替えて活性化を図ったが、岡山の組織的な守備の前に攻めあぐねる時間が続いた。

ようやく決定機を作り出したのは72分。カウンターのチャンスから指宿がラストパスを送り、走り込んだ船山がシュート。これはクロスバーに嫌われたが、こぼれ玉をつないで再びラストパスを受けた船山のシュートは相手GKの好守に阻まれた。81分にはMF高橋に代えてFWラリベイを投入したものの決定機を作ることはできず。試合は5分のアディショナルタイムを経て1-2のまま終了した。

後半は思うようなサッカーができなかった。キムが振り返る。

「ハーフタイムは『後半も俺らのプレーをしよう』とみんなで声をかけ合いました。僕のミスから失点が生まれてしまったので悔しいです。後半は相手の激しさも増したし、動きが足りなかったところもあると思います。うまく連動することができませんでした」

途中出場の船山は決定機にゴールを奪えなかったことを悔やんだ。

「あまり流れが良くなかったので、それを変えたいと思っていました。チャンスは来ると思っていたし、準備もしていました。でも、結果的にそのチャンスを外してしまった。個人としてはそこが課題です」

課題とされるアウェイ戦で、またしても勝利を奪うことができなかった。この壁を乗り越えるために、“自分たちのサッカー”を追求するしかない。