愛媛FCを相手に0-1と惜敗を喫したゲームを、フアン エスナイデル監督は次のように振り返った。

「拮抗した試合でした。ポゼッション率は高かったのですが、それは生産的なものではなく、相手にダメージを与えることができませんでした。引き分けが公平な結果だったと思いますが、残念ながらミスをしてしまいました。相手に先制点を取られてしまったことで、それがそのまま結果に表れました」

スタメンは4-3-3の布陣。GKは佐藤優也。DFは右から今シーズン初スタメンとなる溝渕雄志、近藤直也、キム ボムヨン、乾貴哉の4人。アンカーのポジションに佐藤勇人が入り、中盤に町田也真人とアランダが位置。前線には右に船山貴之、左に為田大貴、中央にラリベイが並んだ。

立ち上がりの2分に守備陣の連係ミスから失点を喫したかに見えたが、これはオフサイドの判定。以降は落ち着いたプレーでボールを支配したジェフは、7分にCKのこぼれ球を拾った佐藤勇人がボレーシュート。その後もワイドな展開からCKを獲得し、相手を押し込むサッカーで優勢を保った。

19分にはラリベイのポストプレーから町田がミドルシュート。その後も立て続けにCKを奪うなど攻勢を強め、25分時点でボール支配率は60％を超えた。

しかしなかなかゴールが奪えず、31分にはコーナー付近から中に切れ込んだ船山がシュートを放ち、GKが弾いたボールにラリベイが詰めるがあと一歩及ばず。42分にはアランダがシュートを放つがこれもゴールの枠を捉えず、スコアレスのまま前半を折り返した。

迎えた後半、ジェフはさらに攻勢を強める。立ち上がりの46分には町田がシュート。53分にはアランダのシュートが相手に当たり、こぼれ球を拾ったラリベイがシュート。これもゴール上に外れたが、前半と比較して一段ギアを上げたジェフは持ち味である“ハイプレス”が機能し、高い位置での守備からいくつものチャンスを作った。

ゲームが動いたのは57分。愛媛のDF浦田延尚にミドルシュートを決められ、主導権を握っていたジェフがビハインドを負う。58分には為田に代えて清武功暉を送り込むが、直後の61分、佐藤勇人がこの日2度目の警告で退場処分となり数的不利の劣勢に立たされた。

フアン エスナイデル監督は63分に船山に代えて新加入のMF矢田旭、70分にはラリベイに代えてFW指宿洋史を投入。ピッチに変化を加えて状況の打開を試みるが、攻守両面で数的不利が響き、最後までゴールを奪うことはできなかった。

主導権を握った。チャンスも作った。しかしゴールを奪うことができず、先制点を許した。さらに数的不利を強いられ、その劣勢を最後まで跳ね返すことができなかった。

フル出場した溝渕が振り返る。

「守備は前半のほうが前から行けていたし、相手に蹴らせて、簡単に奪うというシーンもありました。後半は少し相手にはがされて展開されるというシーンがあったと思います。その結果、相手の時間帯が続いてしまった気がします」

課題とするアウェイゲームを攻略することはできなかったが、トライは次節に続く。相手は上位の徳島ヴォルティス。もう一度気持ちを切り替えて、アウェイでの勝点3に挑戦したい。