今節の相手はV・ファーレン長崎。4連勝でJ1自動昇格圏の2位に浮上した強豪とのアウェイ戦は、リーグ終盤戦の行方を占う大一番となる。

長崎は絶好調の状態にある。第29節東京ヴェルディ戦で敗れたものの、その後は京都サンガF.C.、ツエーゲン金沢、徳島ヴォルティス、大分トリニータを相手にいずれも1点差ながら4連勝。接戦をモノにする粘り強さを発揮し、アビスパ福岡を抜いて2位にまで浮上した。

以前から組織的な守備に定評のあるチームだが、最近はアグレッシブなハイプレスも機能。前節は1トップに位置したファンマが丁寧なポストプレーで攻撃自陣を牽引し、同点ゴールを記録。試合終盤には選手交代で攻撃の迫力を強め、終盤の86分に再びファンマがゴールを奪い、見事な逆転勝利で勝点3をもぎ取った。

ジェフは5月13日に行われた第13節の対戦で5-0と完勝しているが、今の長崎の強さは当時とは別モノ。フアン エスナイデル監督は次のようにこの試合を展望する。

「僕らが良い状態であれば、面白い試合になることは確実だと思います。長崎も良い状態ですし、僕らのほうにもどんどん攻撃を仕掛けてくるはずです。そういう意味でも、どちらのほうが決定率が高いか見てみたいと思っています。オープンな試合になるでしょう」

前節、水戸ホーリーホックに勝利したジェフは、6試合ぶりの白星で悪い流れを断ち切った。J1昇格プレーオフ圏内となる6位・名古屋グランパスとの勝点差は「6」。残り9試合という状況を考えれば、逆転に向けて勝点を落とせないギリギリの状況が続く。そのプレッシャーに打ち勝ち、苦手とされるアウェイで上位陣から勝点を奪えるか。その力強さが問われる一戦となる。

熊谷アンドリューが言う。

「（5試合）勝てていなかったぶん、前節の水戸戦で勝ち切ったというのは大きいし、でもこれを続けないと本当に意味がないので、ここから先は全部勝つ気でやっていきたいです。アウェイではなかなか良い試合が少ないので、そこはホームと同じくらい良い試合をして勝ち切るということを意識してやっていきたいと思います」

指揮官が「全体的に満足している」と振り返る水戸戦は、失点につながるミスを除けば主導権を握り続けた90分間だった。攻撃面ではボールを保持して相手を揺さぶり、サイドからチャンスメイク。守備面ではハイライン・ハイプレスでコンパクトな陣形を保ち、中盤でセカンドボールを拾って何度もショートカウンターを仕掛けた。この“質”を保ち、さらに“精度”を上げられるかどうかがアウェイ戦を戦い抜くためのポイントとなる。

前節、自らゴールを奪った為田大貴が言う。

「（長崎は）［3-4-3］で高い位置のワイドのところに相手がいるので、味方同士しっかり声を掛け合って守備しないといけないと考えています。勢いがあるチームなので攻め込まれるシーンもあると思いますが、それをしっかり乗り切って、前回（ホームで）大差で勝ったときのように、もう一度そういうサッカーができるようにプレーしたい」

リーグ終盤戦は、ここまで積み上げてきたもののへの自信とチーム全体の一体感が問われる。アウェイで強敵を叩き、可能性を広げたい。

フアン エスナイデル監督
僕らの今のテーマとしては自信を持つこと、もう少し主導権を握ってプレーをするということです。僕らが良い状態にあるときは良いゲームができるし、どんな相手でも勝てることはすでに証明しています。ただ、反対の顔を見せているのも現実です。僕らが良い状態であれば、面白い試合になることは確実だと思います。長崎も良い状態ですし、僕らのほうにもどんどん攻撃を仕掛けてくるはずです。そういう意味でも、どちらのほうが決定率が高いか見てみたいと思っています。オープンな試合になるでしょう。
（ファンマ選手について）他の選手より注意しなければいけないということはないです。もちろんファンマ選手が良いフォワードであることは分かっていますし、ファンマ選手自身も（直近の試合で）得点を決めているので注意しなければいけませんが、2シャドーも良い選手です。ワイドにも良い選手がいますので、全員の選手に注意しなければいけないと思います。

ルイス オヘーダ
（水戸戦で加入後初勝利を挙げたことについて）勝つことは嬉しいですし、チームに関わるすべての人がこの勝利を求めていたので、この勝利は格別です。無失点で終えることが一番でしたが、失点をしてしまったことはしょうがない。これを教訓に捉えて次に切り替えて、失点をしないことに頭を集中させて臨みたいです。
（長崎戦では）相手が裏を狙ってきても、我々もプレスをしっかりと前に駆けて行くスタイルなので、相手にボールを蹴らせないようにプレスをすることが重要になります。（2位のチームとの対戦だが）この試合だけではなく、どの試合も決勝戦のつもりで臨む覚悟でいます。毎試合が重みのある試合であり、応援してくれる皆さんのためにも勝点3を絶対に取ります。

溝渕 雄志
（水戸戦は）6試合ぶりにチームが勝てたことは大きいですし、一番大事なのはチームが勝つこと。ホームで勝点3を取れたことを評価したいと思います。（ゴールラインで相手のシュートをクリアした場面については）相手がゴールを狙う中で集中しましたし、前半からの集中がクリアにつながったと感じます。
（長崎戦に向けて）アウェイでの戦いは苦しいモノとなるかもしれません。個人としては徳島とのアウェイゲーム（第26節）で勝ったことで、良いイメージが残っています。苦しい時間帯になっても少しでも走ることでチームの勝利に貢献したいです。ここからのアウェイ2連戦で勝点6を取ることができれば、この終盤戦はすごく良い流れになりますし、次のホーム2連戦にもつながります。乗り越えていきたいですし、個人としても結果を出せるように頑張りたいと思っています。

キム ボムヨン
先制点を取れば、試合にも安定感が出ます。（水戸戦は）失点をしてピンチも多くなりましたが、チームに守る力が出てきたのでいい試合になったと感じます。ただ個人としてシンプルなミスも多かったので、そこは次のアウェイ戦に向けて意識して修正をしたいと感じます。（アウェイ2連戦となるが）終盤になると上位チームもプレッシャーがかかってくると思います。下から這い上がって行くチームだからこそ、いい雰囲気を作って上に行くチャンスを狙うことを強く意識してプレーをしたいです。
（長崎との）前回のホーム戦では5得点をしましたが、向こうも研究してくるでしょう。それに負けないように、さらに力を入れて前を向いて戦っていきたいと思います。

為田 大貴
（水戸戦は）動きの中でボールを受ける回数が多かったし、うまく自分でスペースを確保しながらドリブルやシュートができました。（3試合ぶりのスタメンだったが）チームが勝てていなかった中でいいタイミングで出られましたし、自分の良さを出せるようにということしか考えていなかったです。トレーニングの中でも自分の良さを出したシーンを作れていたので、試合に入るのに何の問題もなかったですし、自分の中でスムーズに入れたというのが一番良かったと思います。
（次の長崎は）［3-4-3］で高い位置のワイドのところに相手がいるので、味方同士しっかり声を掛け合って守備しないといけないと考えています。勢いがあるチームなので攻め込まれるシーンもあると思いますが、それをしっかり乗り切って、前回（ホームで）大差で勝ったときのように、もう一度そういうサッカーができるようにプレーしたいです。（長崎出身なので）知り合いも結構見にきてくれるので頑張りたいです。

熊谷 アンドリュー
（水戸戦は）試合前に「落ち着けばボールを回せる」と思っていたので、そこはイメージ通り良くできたと思いますし、タメ（為田）と（矢田）旭くんが点を決めてくれたので楽に試合を運べました。どのチーム（が相手）でも、しっかり自分たちのサッカーをやって、90分通して集中を欠かさなければ勝てないチームはないと思っているので、そこはチーム全体としてやっていきたいと思います。（5試合）勝てていなかったぶん、前節の水戸戦で勝ち切ったというのは大きいし、でもこれを続けないと本当に意味がないので、ここから先は全部勝つ気でやっていきたいです。アウェイではなかなか良い試合が少ないので、そこはホームと同じくらい良い試合をして勝ち切るということを意識してやっていきたいと思います。（ファンマ選手との対戦は）楽しみだし、負けたくない。しっかり抑えたいと思っています。

清武 功暉
（長崎との）前回対戦ではハットトリックをしましたが、チームとしても僕自身としても手応えのある試合でした。先制点はセットプレーからで、2点目も直接フリーキックでした。セットプレーは重要になると思っています。ただ最近の試合ではコーナーキックからの得点がないので、精度を高めていきたいと感じます。僕らは上位対決が多く残っており、勝ち続ければ上に食い込めます。アウェイですが、しっかりと勝ちを狙いにいきたいです。（長崎・高木監督の印象は）堅い試合をしてきますし、守備に関しては強く指示をしていると思います。相手が研究をしてきても、僕らも違うチームになっています。矢田選手や為田選手のような新しいピースが加入しているし、変化をつけて戦いたいです。


［前節の結果／長崎］
大分 1-2 長崎


［前節の布陣／長崎］



［前節の布陣／ジェフ］



［最近の戦績／群馬］
08/20　東京V 2-1 長崎
08/27　長崎 1-0 京都
09/02　金沢 1-2 長崎
09/10　長崎 2-1 徳島
09/16　大分 1-2 長崎


［過去の対戦成績］
15/03/08　長崎 0-1 千葉
15/08/15　千葉 1-1 長崎
16/05/28　長崎 1-1 千葉
16/10/30　千葉 0-0 長崎
17/05/13　千葉 5-0 長崎