第34節終了時点で勝点は42。J1昇格プレーオフ圏内となる6位との差は「15」。残り8試合で“5勝差”を埋めなければならない現状は、厳しいと言わざるを得ない。ただし、可能性がなくなったわけではない。すべての戦いが終わったわけではない。可能性がある限り、すべての試合に全力を尽くすだけだ。

3試合ぶりのアウェイ戦となる今節の相手は、勝点39で18位につけている愛媛FC。その印象を踏まえて、フアン エスナイデル監督が展望する。

「インテンシティーの高い試合になる、リズムの早い試合になると思っています。相手も攻撃陣が素晴らしいので良いカウンターを仕掛けてくるでしょう。我々のほうが相手よりボールを支配すると想定はしていますが、彼らも攻撃は素晴らしい選手がいます。理想としては、往復の少ないような試合にしたい」

愛媛は好調だ。シーズン後半戦の第22節以降、その戦績は4連勝を含む7勝3分3敗と大きく勝ち越し。前節はアビスパ福岡を相手に打ち合いを演じて2-3と敗れたものの、それまでの5試合は2勝3分と無敗が続いた。指揮官の言うとおり、特にここ2試合は計5得点と攻撃陣が好調。ジェフでも活躍した小池純輝が2得点、近藤貴司、河原和寿、神谷優太がそれぞれ1得点を記録。多彩なタレントがピッチの上で個性を発揮し、ゴールに結びつけている印象だ。

中でも、カウンターの威力は特筆に値する。ハイライトは前節・福岡戦の2得点目。自陣深い位置からの相手のフリーキック、そのセカンドボールを拾った神谷が自陣ペナルティーエリア内からドリブルを開始。パスを受けた近藤が敵陣ペナルティーエリアまでドリブルで運び、折り返しのラストパスを受けた神谷が冷静に流し込んだ。

茶島雄介が愛媛の印象を語る。

「愛媛との前回対戦の映像を見直すと、チャンスになっているのは、前からプレッシャーに行き、ボールを引っかけてカウンターを発動させたとき。それが得点の形になっていました。それを狙いつつ、シュートまでボールをつないでいく場面を増やしたい」
熊谷アンドリューが累積警告による出場停止処分となる今節、昨シーズンまで愛媛FCの中心選手としてプレーしていた小島秀仁にかかる期待は大きい。

「愛媛のことを考えるよりも、まずは自分たちのことを考えてやるしかないと思っています。（愛媛は序盤、降格圏内に低迷していたが）良いサッカーは継続してやっていたので特に心配はしていませんでした。ここに来てそれが実り始めていると感じているので、本当に危険な相手かなと思っています」

もちろん、相手にかつてジェフのユニフォームを着た選手が多くいることもモチベーションになるだろう。佐藤勇人が言う。
「（岡本昌弘選手の）活躍は嬉しいのですが、それだけ相手にシュート打たれていることだと思います。自分たちにチャンスはあります。決めるべきに決めること。そしていい加減、自分もシュートを決めたい。熊谷選手が出場停止となりますが、代わりに出場した選が結果を残すこと、誰が出場してもチームのためにプレーすることが重要です」

わずかな可能性でも追い続ける。目の前の試合に全力を尽くす。求められているのはその姿勢だ。

フアン エスナイデル監督
（愛媛と）ホームで戦ったとき（第19節）は難しい試合だったということを覚えています。どんな試合もそうですが、簡単な試合はありません。実際、彼らも負けた試合はありますが、良い試合をしていました。負けに値しないような試合を今までもしてきています。そういう意味では注意しないといけません。彼らも勝ちに来ているわけですし、リラックスして試合に臨むわけではありません。我々と対戦するときは他のチームがかなり気合を入れてくるのが常ですので、そういう意味でインテンシティーの高い試合になる、リズムの早い試合になると思っています。
相手も攻撃陣が素晴らしいので良いカウンターを仕掛けてくるでしょうし、そういう展開になると思います。我々のほうが相手よりボールを支配すると想定はしていますが、彼らも攻撃は素晴らしい選手がいます。理想としては、往復の少ないような試合にしたいと思います。ただ相手も相手のやりたいことがあるでしょうし、我々としてはそれをさせないことが大事になります。そういう意味ではインテンシティーの高い難しい試合になるでしょう。

茶島 雄介
愛媛との前回対戦の映像を見直すと、チャンスになっているのは、前からプレッシャーに行き、ボールを引っかけてカウンターを発動させたとき。それが得点の形になっていました。それを狙いつつ、シュートまでボールをつないでいく場面を増やしたいと思います。
（愛媛のブロックに対しては）サイドチェンジを意識していますが、引かれてしまうと効果的ではない場面もあります。そういうときは中でしっかりと組み立てて、こちらが数的優位を作れている場面を生かしながら前に行って、アイデアや精度を出せばゴールにつながると思っています。個人としてもフィニッシュの精度を高めて、ゴールを狙っていきたいと思います。

佐藤 勇人
愛媛は［5-4］のブロックを作ってくると思いますが、ポジションにとらわれすぎると相手の前でボールを回すだけになってしまいます。人も動き、プラス、ボールも動くことが重要だと考えます。自分もセカンドボールを拾うことで攻撃の時間を作りたいです。
（愛媛は、ジェフでチームメイトだった岡本昌弘選手が）活躍しているようですね（笑）。素晴らしいセーブをしていると聞きます。ただ活躍は嬉しいのですが、それだけ相手にシュート打たれていることだと思います。自分たちにチャンスはあります。決めるべきに決めること。そしていい加減、自分もシュートを決めたいと思います（苦笑）。熊谷選手が出場停止となりますが、代わりに出場した選手が結果を残すこと、誰が出場してもチームのためにプレーすることが重要です。

小島 秀仁
（古巣・愛媛との対戦は）楽しみな部分はありますが、愛媛のことを考えるよりも、まずは自分たちのことを考えてやるしかないと思っています。（愛媛は序盤、降格圏内に低迷していたが）良いサッカーは継続してやっていたので特に心配はしていませんでした。ここに来てそれが実り始めていると感じているので、本当に危険な相手かなと思っています。
（ボランチを組む熊谷選手が出場停止だが）誰が出ても今のジェフは変わりなくやれる選手がいるので、そのあたりは全然心配していません。そこは誰が出てもいいように、準備していきたいと思います。
ゴールは常に取らないといけないですし、それが勝利への一番の近道だと思っています。ゴールはチーム全体で意識していきたいと思います。

町田 也真人
（横浜FC戦は）チャンスらしいチャンスを作れなかったし、ブロックを敷かれたときの引き出しが少なかったなという印象です。自分も含めて仕掛けたり、怖いところにパスを出したり、“怖いプレー”というのを出していきたいです。
（愛媛の岡本選手と）対戦するのは楽しみではあります。ずっとお世話になっていたぶん、決めるのは失礼かもしれないですけど（ゴールを）決めたいです（笑）。いまは調子も良いと思うので、そういうグッピーさんから点を決めたいですね。（愛媛は）ホームで対戦したときに上から見ていて、ボールのつなぎがうまかったイメージがあります。高い位置でうまくボールを奪うことが一番のチャンスだと思うし、順位も近いのでしっかり勝ちたいです。

工藤 浩平
（愛媛には）京都と松本でプレーした安藤淳選手と（元ジェフの）岡本選手がいるし、愛媛に行きたい気持ちはあります。そこは監督が決めることですが、（自分としては）チャンスが来たら行けるようには準備しています。（岡本選手が）ジェフにいるときから対戦するのは楽しみでしたし、ジェフでなかなかチャンスがなくて愛媛で試合に出て活躍しているのはすごいなと思っています。自分が（ジェフを）出ていったときから、（対戦時には岡本選手からの）ゴールは常に狙っています。
（自身が出場したら）チームとしてサイドから（攻撃する）という部分があるのでそれは自分の中で整理して意識していきたいですけど、ボールを受けてリズムを作るのが自分の仕事だと思っているので、トップに当てる部分だったり、そういうところも意識してプレーしたいです。

ラリベイ
（愛媛と）前回対戦をしたときに、個人能力に頼らずチームとして規律よく戦っている印象を持ちました。間違いなく強力なチームなので、難しい戦いになることは予想できます。勝つためには守備でも集中をして、失点を少なくしなければいけません。それが勝利に向けての大事なポイントになりますし、我々の強みはいろいろな攻撃の形を持っていること。相手は嫌だろうと感じます。
（横浜FC戦では）4回ポストに当たったシーンがありましたが、1点も取れずに試合を終えることはもうないと信じていますし、ゴールを奪えない試合は前節の横浜FC戦が最後になることを祈っています。自分もゴールを決め、目に見える形でチームの力になりたいと思っています。

［前節の結果／愛媛］
愛媛 2-3 福岡


［前節の布陣／愛媛］


［前節の布陣／ジェフ］



［最近の戦績／愛媛］
08/25　山形 1-1 愛媛
09/01　愛媛 0-0 新潟
09/08　愛媛 0-0 讃岐
09/15　栃木 1-3 愛媛
09/22　愛媛 2-3 福岡


［過去の対戦成績］
16/07/03　愛媛 2-1 千葉
16/08/07　千葉 0-0 愛媛
17/05/27　千葉 4-2 愛媛
17/07/29　愛媛 1-0 千葉
18/06/16　千葉 2-1 愛媛