先に点を取ったが、相手をうまくコントロールできなかった。お互いにチャンスはあったが、向こうが主導権を握っていたといえるだろう。先制した後、守りに入ってしまったが、実はそれが一番危ない。後半のほうが相手をうまくコントロールできていた。ウチは相手がセンタリングを放り込んでくるのを想定していたが、その部分をコントロールできたと思う。勝ったことはうれしいし、選手もこのような天候の中、あるいはアントラーズが相手ということで満足しているだろう。ただ、監督というものは、常に何がうまくいっていないかを探さないといけない。私はブラシのようなもの。常にホコリをはらうことをしないといけないのだ。

─── 今日、うまくいかなかった点とは。

相手が4人のMFに加え、DFが一人上がって中盤を5人で形成してくる。しかも、新井場や途中で退いたが名良橋など、さまざまな選手が上がってきてグラウンドを広く使い数的優位を作ってくる。その中盤をコントロールできなかった。5人に対しマンツーマンではなく、マークを受け渡すはずだった。ところが、ずっと同じ選手をマークしている場面があった。後半は解消されたが、前半の主導権を握られているときに失点していてもおかしくない。実際、2点取られていても不思議ではないゲームだったし、そういう意味で少し運があった。

─── アントラーズのクロスを想定していたとのことだが、バロンにミリノビッチをマンツーマンでつけたのも、その対応策の一つか。

バロンがスタメンでくるのは予想していたし、ミリノビッチが応対するのも当然のこと。例えば工藤ではマークできないでしょ。各チーム、それぞれ長所と短所がある。もし、1-0でアントラーズにリードされていたら、本当に大変だった。相手はスペースを利用してクロスを上げてくるからね。それにしてもウチはいつも先制点を取られるのに、今日は先制点を挙げて、しかもよく守りきった。

ディフェンスの選手を中心に、最後まで集中力を切らさずに守ることができたと思う。修正しようとしてきたことができたし、今日の勝利は自信になる。

コンタクトレンズに水が入ったりして、すごく大変なコンディションの中での試合だったけど、たまたまその時間帯はシュートが飛んでこなかった（笑）。この勝利は自信になるし、ぜひ次のゲームにつなげたい。

今日は全員が集中して90分間戦うことができた。ただ、特に前半は1点を守りにいっている感じになってしまい、ゲームを支配できなかったのが残念。それでもカウンターでビッグチャンスはあったし自信になる。短いリーグだし、とにかくファーストステージと同じ過ちだけは避けないといけない。そういう意味でも価値ある勝利。

最近、マルキーニョスとよく話をしていた。ボクがボールを持ったらマルキが裏を狙うように意思の疎通を図っていたが、それがうまくいった。マークのズレなど修正する部分は多いが、ウチが無失点はすごいこと。大きな収穫があった試合だと思う。

チームメイトの坂本から、すごくいいクロスがきた。だから、あとは決めるだけだった。3試合で5得点？　みんなが頑張っているおかげ。とにかく今日のような試合を続けていくことが重要だと思う。

勝ててよかった。（試合の途中で足首を故障し）痛かったけど、とりあえず走ることができたし、後ろから櫛野さんとか声をかけてくれたので最後までプレーできた。まだ疲れは残っているけど、とにかくアントラーズに勝ったのは自信になる。