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2019 March03

2019.3.19 UPDATE

【3月19日実施】江尻 篤彦監督 コメント&質疑応答

トップチーム


9年ぶりにもう1回チャンスをもらったので、しっかり結果を出せるように頑張っていきたいと思っています。自分の中ではこの2年間エスナイデルさんと一緒に仕事をできたこともすごくプラスになって、チームも選手も含めて、チームの中の改革ということも含めて、2年間すごく良いものを作り上げていただいたと思っているので、僕はそれを継承するだけで、あとはフクアリのピッチ、もしくはアウェイで勝点をしっかり拾い上げる作業になってくると思います。その辺は選手にもミーティングで話をしましたけど、築き上げた良いものを継承してやっていきたいと思っています。当然、結果が出ていないということで、意味のない勝ちもないし、意味のない負けもないと思っているので、そのところはしっかり分析して今の順位より、少しでもなるべく早く這い上がれるようにしたいと思います。

―― 今、監督という仕事を引き受けるにあたっての率直な気持ちをお聞かせください。

正直、複雑な部分はありました。エスナイデル前監督に信用してもらって、相手のこともそうだし、自分たちのことも、選手との間(に入る)役もすごく信頼してやらせてもらったので、監督を引き受けるにあたっては複雑な気持ちではありましたけども、個人的な部分も含めて、やり残したことが前回あったので、こういう状況ではあるんですけど、気持ちの中では、やってやるぞ!というような気持ちになりました。

―― 高橋悠太GMからも「『こういうことになったとき』にということは江尻さんにも話をしていた」と話がありましたが、今回クラブからの依頼があったときにはすんなり受け入れられたのでしょうか。

それは多分僕がこのクラブに育ててもらって、このクラブにずっといる以上は、毎日歯を磨くこととかご飯を食べることと同じで、僕の中では、そんな「監督だ!」とかいう意識はなくて、とにかくやるだけだなと。そんな“監督をする”という意識というよりは、普通に何とかしようとは思っていて、そういう風な感じでは話をいただいていたので、準備というか、しっかり(コーチとしての仕事を)やりながら全体を見ていたかなという感じですかね。

―― 「エスナイデル前監督の良い部分を引き継ぎながら」とおっしゃっていましたが、どういったところを引き継いで、どういった部分を改善していきたいのでしょうか。

監督をやらせてもらった前回はいろいろベラベラしゃべってしまって、それがいろんな活字になってしまって(苦笑)。簡単に言うと、はい、良い部分は継承すると。それはもう今度の京都戦を見てもらえればなと思います。もう次の京都戦の準備をしているので。

―― ちょっとヒントだけ、ハイラインとかハイプレスとか。

そういう風に言っちゃうと、言葉が一人歩きしてしまう。サッカーってプレッシャーをかけることも守備でブロックすることも、ディレイして遅らせるのも全部必要なので、一人歩きをさせるための言葉は、僕はもう、学ばせてもらったのでご了承ください。

―― 「良い部分については継承していく」ということは、結果が出ていない中でそれは例え良い部分であろうとも、それに対する不安の声はあると思うのですが、その良い部分は良い部分だと確信している江尻監督の気持ちというのを教えていただけますか。

そうですね。それが確信になっているというのは、やっぱり選手ですね。自分が継承するにあたって、(佐藤)勇人がキャプテンで、副キャプテンは(船山)貴之、マス(増嶋竜也)、(熊谷)アンドリュー。全く同じメンバーでやってもらおうという話で、彼らも了承してもらって、そこが自分の考えにつながっています。もしそれが「ん?」って思うんだったら、そこも変えているし、それも一つのメッセージかなと思います。

―― 先ほど「やり残したこと」とお言葉にありました。想像はできますが、もう少し具体的に教えていただけますか。

はい、もう前回、僕は失敗しているので。(チームをJ1に)上げたいなと思っています。

―― こういう状況において、どういう選手を起用していきたいと考えていますか。それはベテランだったり若手だったり戦える選手だったり、いろいろあると思うのですが。

まあそれも詳しくは話せないんですけど、「信頼できる選手」を使います。

―― あらためて、ファン・サポーターの皆さんへメッセージをお願いしてもいいですか。

はい。「前回お前どうだったんだ」という人の言葉も当然あると思うし、それは真摯に受け止めていますし、自分の未熟さをあのときはすごく痛感したというのもあるんですが、今回はまた勉強させてもらって、新たな僕自身の船出だと思っています。何よりも、僕じゃなくて、このクラブと選手というのは本当に戦っているし、エスナイデル前監督もすごくクラブのために一生懸命にやってくれたのは間違いない。その辺のところをサポーターの皆さんにも理解してもらいながら、たまたま自分がこういう形になって指揮を執ることに対しても、選手は一生懸命本当にやっているし、クラブも本当に選手の後押しをしてくれて、今変わってきている状況です。なので、今「プロとして勝点を挙げていないだろ」と言われるのも本当によく分かっているのですが、その辺はジェフのサポーターは分かってくれていると思うので、それを信じて後押しをしていただきたいなと思います。

―― この2年間、エスナイデル前監督とやって「プラスになっているものもある」とおっしゃっていました。“指導者・江尻篤彦”としてプラスになったことをお聞かせください。

本当にプロだなと。彼はプロだなというのを感じましたね。選手でもレアル(・マドリー)とかユベントスとかそういうクラブでやって、ヘタフェとかで指揮も執っているという形で、本当にプロフェッショナルな部分は学ばせてもらったなと。具体的な部分は言えませんが、一つ言えるとしたら、選手との距離感ですね。絶妙な距離感を保ちながら選手との距離感というのをすごく間近にいて学ばせてもらったので、その辺は生かしていきたいなと思っています。

―― 前回監督を務めたときにJ2降格を経験されて、それからある程度時間が流れていく中で、またトップチームを率いるということについてはどのように考えていらっしゃいますか。

細かい時間の経緯から言うと、(ジェフの)監督終わってから、しばらく2年間日本サッカー協会のほうでお世話になってアンダー世代を見させてもらって、また2年後に(ジェフに)復帰させてもらって。自分の中では本当にジェフを離れるときに「俺はこのクラブじゃないとダメなんだな」ってそのときに分かりましたし、「このクラブが必要としているんだったら、何を置いてでも、海を渡ってでも、来よう!」という決意が自分の中にはありました。色々細かいことを言うと、日本サッカー協会さんにはご迷惑をかけてしまったこともあったんですけど、自分の中では「ジェフに必要とされれば何でもやる」という覚悟をしていましたので。思いだけでは当然ダメなんですけど、自分はそういう人間かなと。自分自身も少しあきれるくらいなんですけど、そう思っています。そんな中でまたこういう形で巡り合わせがあって、もう一生懸命やるだけかなと。単純に、前回はすごく「大変だな」とか「どうしようかな」とかすごく迷っていたんですけど、今回は…何ですかね、それはエスナイデル前監督の近くで学ばせてもらった自信もあるのかもしれないですけど、至って自然体で、「次の準備しようかな」という感じで。夜も寝られますし(笑)。休みは休みでサッカーのことをまったく考えないのは一緒で、クラブハウスに来たら、この後また分析しますけど、またそれでいろいろあると思うので。至って自然体で、自分自身がリラックスしています。

―― 今のチーム状況については、もちろん結果が出ていないからこういうことになったと思うんですけど、江尻監督自身の感覚としては、チームの力に自信を持っていらっしゃるんでしょうか。

はい、あります。

―― 前回監督を務めた2010年は、江尻監督ご自身にとってもクラブにとっても、初めてのJ2でした。コーチとしてJ2の戦いを経験して、この段階で監督になって、そういった経験は、J2を戦う上で強みに感じていらっしゃるところはありますか?

“特殊なセカンドディビジョン”だなと。他の国に比べても。それはいろいろ経験させてもらって熟知しているつもりでいるので、こちらもしっかり準備しようと思っています。

―― あらためて、ジェフがどういう存在なのかを教えていただきたいのですが。

言葉ではちょっと表せないかなと思っているので。“言霊”っていう言葉もあるし、言葉でのメッセージもあるし、逆に捉え方によっては軽いものにも重いものにもなってしまうので、難しいんですけど。まあ「好き」です。

―― 結果を残さないといけない状況ですが、その結果を出すためにリクエストしたいことは? 例えばコーチングスタッフだったりスカウティングだったり、その辺りはどう考えていらっしゃいますか。

これも時間とともに、僕自身いろいろなことを学ばせてもらったので、スカウティングは自分でも全部できます。なので人に頼るのではなくて、自分の目と感覚を主観にしてやっていきたいと思っています。それが監督の仕事だと思っていますし。あとは、人が少なくなりましたので、みんなでボールやゴールを片付けようかなと思います(笑)。

―― 火曜日(19日)から始動していますが、選手にはまずどういったことを伝えたんでしょうか?

「良い意味で開き直ってやりましょう」と。気負ってもダメだし、僕自身がそんなに気負っていないし。こういう状況は意味があってそういう状況になっているというのは伝えましたし、それを打開するのも我々次第だし、今のこのピンチをチャンスに変えるのも我々だからと。まあ一つ言うなら「勝負の神様は細部に宿る」というのが自分の信念なので、本当にやれることは存分にやっていきたいという話をしました。

――エスナイデル前監督のサッカーで、江尻監督が好きだったところをお聞かせください。

「pasión(情熱)」。良いサッカーというか、お客さんが魅力を感じているときは、多分そういう風な表現をしていたと思うので、攻守にわたって、そこが好きです。

―― それを継承すると?

はい。

―― 江尻監督のトレーニングといえばハードというイメージがある中で、初日(19日)のトレーニングは思ったよりハードではなかったんですが、それも継承していくのか、もう少しハードにやりたいなと思っていらっしゃるのか、教えてください。

イメージでそうなっちゃっていますが、質を求めていきたいと思っています。サッカーは「これをしろ」で収まるスポーツではなくてそれ以外のものが大事で、それ以外のことをメッセージにするためにトレーニングがあると思うので、もしかしたらそういう風になっていく可能性もあるし、そうじゃないこともあるし。それは状況次第ですね。自分が学ばせてもらったことで、自分がやりたいことを優先ではなくて、選手と選手の顔色と、いろいろな状況を踏まえて変えるのが我々の仕事だと思っているので。なので以前のイメージとは違うかもしれないし、それは自分の考えでやるだけです。あとはそれが週末の試合で成果として表れるかということに自分は責任を持ってやっているつもりなので、それはもしかしたらハードなときもあれば、「えっ?」というときもあるかもしれません。でもその「えっ?」と思うときでも、「中身はどうなの?」というところも見てもらえたらなと思います。

―― 自主トレーニングという部分はどのような判断をしていくのでしょうか。

やりたければやればいいと思っています。やったからといって、本当にいい部分とやりすぎてケガしちゃう部分も当然あり、その辺は選手が考えてやることだと思っているので、やりたければやってくださいという感じです。

―― 江尻監督は昨年末スペインに行きましたが、そこで学んだことや踏襲していきたいことがあればお聞かせください。

一流は、選手が主体性を持ってやっているな、自立しているなとすごく感じました。レアルのウォーミングアップを見ていたら、確かにフィジカルコーチは指揮を執っていますが、何よりもセルヒオ・ラモスがチームを引っ張ってウォーミングアップをしているなと。コーチとか監督とかいらないんじゃないかと思うくらいで、そこはびっくりしましたね。バルサ(バルセロナ)も何年か前に行って見ましたが、やっぱりそれはトップのチームだけではなくて、対戦する相手もやっぱりそうだったので、その辺はまだまだ日本のサッカーが進歩しないといけない部分でもありますし、我々ジェフももっともっと選手が主体性を持って、ピッチで表現するというのは、最後は選手がやることなので、そういう部分は大きな差を感じました。その辺は勉強させてもらったし、それが本当に今のチームに合っているかというのも、じゃあそれを真似ようではなくて、良いものは取り入れていきたいと思うし、いらないのであればいらないし。このクラブに限って考えて、必要なものと必要でないものをしっかり区別しないといけないかなと思っています。

―― ピッチ外でエスナイデル前監督が2年間やってきたこと、例えば食事改革のところなど、ピッチ外で継承していきたい部分をお聞かせください。

食事の部分はそのままやります。自分はヨーロッパに行って、本物のヨーロッパというのはもうこういうところまで来ているんだなと。クリスティアーノ・ロナウドを見ても、本当に100mのスプリンターと同じくらいな体しているなとすごく感じましたし、そういう風になっていかないといけないと思っているので。それは勉強させてもらったことなので、続けていきたいなと思います。



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