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2019 March03

2019.3.19 UPDATE

【3月19日実施】高橋 悠太GM コメント&質疑応答

トップチーム


リリースで出したとおりですが、クラブとして監督を解任することになりました。理由は結果、勝点の部分で結果を出さなければいけないシーズンだと、昨年の末に継続をするときに監督と共通理解をしていました。この4節で勝点が2ポイントしか取れていないことも踏まえて決断をしました。クラブとしては昇格が目標であり、昇格をする上で、どのタイミングでというのも当然ありましたが、早いタイミングで代えてチームとして抱えている問題を解決するということに、できる限りの時間を費やしたいということで、この4節での監督交代を決断したのが経緯です。

―― 結果を出す3年目という話がありましたが、ノルマの設定はあったのでしょうか?

昇格条件として1試合(平均して勝点を)2ポイントを取ると、可能性として自動昇格ができるということがクラブと監督との共通理解で、そこが一番の基準でした。あと5、10、15、20試合という(区切りの)形で、最低条件の中でクリアしなければいけない勝点の想定の中での考えをクラブとして持っていたので、次の試合(京都サンガF.C戦)に勝ったとしても(5試合消化時点で)5ポイントしか取れず、そこは一つの判断材料になりました。

―― 第4節・水戸ホーリーホック戦の結果次第で、エスナイデル前監督本人に伝えようというのはあったのでしょうか?

ここまで長く彼とはやってきていますし、シーズン当初にいろいろな話をしている状況なので、第3節・レノファ山口FC戦後には伝えています。正直、嘘をつきたくないのと、ここまでやってきてくれたことに対するクラブとしてのリスペクトもありますし、結果が出ないこと以外、チームをポジティブに変えてくれたこともあるので、そこは嘘をつかず山口戦後に、「次の2試合の結果が良くなければ代える」ことは伝えています。監督も認識した上で臨んでいますし、試合が終わった後、その認識はあったと思います。

―― 水戸戦後、すぐにリリースがありましたが?

シーズン序盤でスタートダッシュを切らなければいけませんし、切ることがクラブとして絶対に必要だと伝えた上で3年目を依頼しました。それを理解した上でキャンプを進めていました。開幕から勝点について、お互いの共通認識を持った上でスタートをしているので、この結果で、クラブの判断は仕方ないというのは山口戦後も長く話をしましたし、プロとしての態度で接してくれました。

―― 山口戦が終わった後、2連勝が条件だったのでしょうか?

2連勝が良い条件ではありますが、「水戸戦は絶対に勝ってください」と言うことでした。昨年、一昨年とチームが勝点を落としている状況が似通っている状況でした。山口戦は(退場者を出して)10人でプレーをして、監督も選手も手応えを感じていましたが、選手やチームがポジティブであることも大事なのですが、今年は結果を出していかなければいけないことを考えると昨年と同じではいけない。水戸戦も勝点1は取りましたが、内容としては不十分で、あの状況で昨年と違うモノを見せるのであれば水戸戦に勝たなければいけなかったと思っています。

―― 続投させたことに対しての任命責任については?

あの状況(昨シーズン終了時点)においてクラブとして続けてもらうことは、過去の歴史や背景を踏まえると継続してやる意思を貫くことが一番大事だと思ったので、そこに関しては自分もクラブも強い意思をもってやっていました。今、結果としてうまくいってないという状況ですが、あのときはクラブとしての結果も伴いますし、選手の成長にもつながると思っていました。

―― 江尻篤彦新監督に託した狙いについては?

クラブの中の部分や選手のメンタリティーの部分ですごくポジティブに変わりました。悪いことばかりではない認識を全体として持っていて、良かった部分を理解し、かつ直さなければいけない部分を冷静に分析できることを考えると、変化を見てきた人に託さなければいけないと感じました。選手にも手応えがあり、そこをイチからガラッと変える考えはありませんでした。エスナイデル前監督と真剣に向き合っていた人だからこそ、代行という形ではなく正式な監督という形でお願いをしました。

―― 具体的に継承してほしい点と、改善をしなければいけない点を教えてください。

ジェフのスタイルやサッカーは受け継いでほしい。消極的になって相手に主導権を握らせるのではなく、こちらから積極的に主導権を握り、攻撃にも守備にも自分たちから仕掛けていくスタイルを続けてほしいです。あとは選手のメンタリティーの部分で、自分たちがプロとして自覚を持って闘うメンタリティーは継承してほしい点です。ミーティングの仕方や1週間の過ごし方など、少し選手にアジャストしなければ結果は出ないというのはあるので、コミュニケーションの部分や1週間の過ごし方、ミーティングの頻度など、見てきた中でどこが足りないというのが分かるので、改善をしてもらいたいと思っています。

―― この成績は監督だけの責任ではないと思いますが、あらためて選手に求めることは?

選手、スタッフにも言いましたが、体制が変わったからといって急にモチベーションが上がる、今までやってないことをやる、前任者を否定して「ここがダメだったからこうする」というクラブにはしたくありません。僕らも前向きになる決断をしているので「一人ひとりがプロとしてやるべきことを、もう一度ここでやってほしい」と話しました。監督を代えると、ある意味、周りが評論家になることがあります。それだけはやってほしくありませんし、「クラブとしてすごく良い形になってきたので、そこは失ってほしくはない」という話をしました。選手ならピッチで表現をすることが仕事です。クラブの良くない点を分析して反省するのは僕の仕事なので、「それぞれがやらなければならないタスクをこなしてほしい」と話しました。

―― 時系列にすると、江尻コーチに監督の依頼をしたのはいつになるのでしょうか?

クラブとして何かあった場合は江尻さんを監督候補として考えていることは、昨年からも伝えていました。シーズン前の契約の席でも伝えています。突発的なものではありません。「(エスナイデル前監督に)向き合って見てほしい」とも伝えていました。正式に(江尻コーチに)伝えたのは、水戸からクラブハウスに帰ってきて、(エスナイデル)監督に(解任を)伝えたあと、江尻コーチを呼びました。以前、ジェフで監督をやっていたこともあります。そのときに自分自身が感じていること、クラブとしてこうしてほしかったなどのイメージや反省もあると思うので、ある程度イメージした上で返事をしてくれたことは感じ取りました。

―― 勝点を考えて解任という形になりましたが、昨シーズンも勝点を取れない時期もあった中で、高橋GMの考えはどう動いたのでしょうか?

今年と昨年では監督に渡していたタスクが違っていました。昨年に関しては中身の部分やクラブのあり方や、雰囲気など結果と同時に変えてほしいと。2年目のタイミングで半年が経ち、選手の成長やクラブの進むべき方向に結果以外で評価できるものがあるなら、クラブの判断として大事にしなければいけないと思っていました。継続については、そこも加味していました。例えば、選手が監督にどういう印象を持っているのか、このサッカーに対しどういう印象を持っているのか、クラブ内のまとまりや団結力もポイントになっていました。
今年に関しては話し合いの中で結果だと伝えていました。「なぜ昨年代えなかったのか」を気にされると思うのですが、昨年に関しては、クラブとしてタスクや掲げていた目標が結果以外にも多く、そこに関しては先ほども話しましたが、選手の表情や考え方、客観的に見て人間的にも成長した選手が多くいました。一概に結果が出ていないから代えるとすると、選手の成長を止めてしまう。そして、クラブが抱えていた問題に対して改善に兆しが見えていたので、代えることはできませんでした。繰り返しになりますが、今年は結果で見ようと決めていたので、4節ですが解任という形になりました。

―― 一番に改善をしなければならない点については?

勝点です。いろいろな要素はあります。開幕戦(愛媛FC戦)で2人の選手が肉離れで負傷交代をし、アラン(・ピニェイロ)が捻挫をして交代枠が使えなかったこと、第3節(山口戦)は15分で退場者が出たことなど、不測の事態があったことは事実で、監督を代えたからと言ってケガ人は減りません。チームとしてのバランスを見て臨機応変に闘っていくこと。ある意味、10人でもやり方を貫く監督だからこそスタイルができたという見方もありますが、今年に関しては相手を見るバランス感覚が勝点を取るには必要で、選手のメンタリティーとして勝っているときは良い状態で闘えますが、結果が出ていないときに不安になったりするバランスが、監督が思っている以上に大きかったりすると、もっと準備をしなければ、もっと情報を与えなければという状態になります。チームの求めているものや勝敗のバランスを考えたときに、より選手の頭を理解する監督に代えたほうが勝点を積む上では理解が進むと思います。それを別の監督でやってきたのならば今のスタイルができたかと言えば、そうではありません。チームの微調整に時間を割くことが勝点につながると思っています。そこを江尻監督には期待しています。

―― ジェフのサッカーがかなりスカウティングをされている実感は?

スカウティングというか、ある程度、こういうやり方をしてくるという実感はあります。ただ、クラブとしてチームスタイルはある程度、貫かなければいけないということに変わりはありません。水戸戦は背後にボールを蹴られましたが、逆にジェフがそれをやって勝つことを目標にするのであれば、今回のように江尻監督を継続して同じようなことを見てもらっている人にやらせようと思っていません。選手の集め方、補強の仕方も変わってきます。主導権を握りアグレッシブに行くというスタイルは変えたくはありません。ただ、スカウティングはされていると思います。例えば、水戸戦のように芝を刈らず水を撒かないやり方をしてくると思います。逆に相手に対しての分析が足りていなかったと考えています。細かい準備が足りていなかったと思うので、そこを新監督にはやってほしいと思っています。

―― 江尻監督から新たなスタッフや選手を獲得したいという要望は?

コーチングスタッフについては考えていますし、入れたほうが良いことは僕も考えていました。江尻監督からも、そういう意見がありました。選手に関しては補強は難しいですし、今の戦力について江尻監督も悪いとは思っていません。

―― コーチングスタッフについては、どのあたりを考えているのか?

選手と監督の間というか、選手は情報を欲しがりますし、選手を良い意味で納得させるためにはパーソナリティーやキャリアが必要だと思います。それは自分から江尻監督にも伝えましたし、そういう認識でもありました。ある程度、選手を納得させられるコーチをもう一人呼びたいと思います。クラブとしてはヘッドコーチで考えています。

―― ここまで筋肉系のけがが多いが、それに向けての改善点は?

トレーニングの負荷を下げれば筋肉系のけがが少なくなるとは限りません。もしかしたら試合に向けてなどいろいろな側面はあると感じます。水戸戦に関しては芝生が長く、熊谷がケガで抜けました(負傷交代)が、いつもと違うインテリオールのポジションでスプリントをしていたこと、試合の流れや置かれている状況にも影響が出てくると思います。今の部分だけを切り取るとケガが多いですが、この2年間では筋肉系のケガはジェフの過去と比べてみると減っています。選手へのアプローチや取り組みが悪いとは、今の段階では言いづらいものがあります。引き続き選手の状況を見てやっていき、大幅に何かを変えることは、この時点ではできないと考えます。

―― 食事制限については?

食事のあり方については踏襲していきたいです。ただ、例えば、徹底していた部分、パスタなのか、米なのか、日本的でやるバージョンに検討をしています。あとは時間です。欧州では食事の時間が8時か9時ですが、6時か7時に同じメニューを摂ればいいのではないか、ということは新監督とも話しています。

―― 選手は次に向けて進んでいると思うが、監督の目にどう映ったと感じているか?

正直、選手と前監督の人間関係は、皆さんが思っているより深いところにあったと思います。何人かの選手からは山口戦後に、「この監督(エスナイデル前監督)と勝ちたい」と自分のところに連絡をくれました。クラブとしても長くやってきたぶんだけ、辛い決断だったと。(エスナイデル前監督が)最後に話をしたときに感情的になる選手もいましたし、外から見ていても関係を築けていたと思っているので。ただ今年に関してはそれでも代えなければいけない理由があると話をしました。当然、プロなのでやってくれていると思います。

―― 今回の決断でアカデミーへの影響などは?

アカデミーは、ホセ(ホセ マヌエル ララ アカデミー ダイレクター)がおり、(エスナイデル前監督とは)別の形で連れてきているので、そこの関係性は連動していません。アカデミーはアカデミーでやることがあります。

―― エスナイデル前監督がこのクラブで残した一番のものは?

大きく二つあります。組織として一つの信念を貫き団結することの大事さを植え付けてくれたと思います。あとはプロとしてどうあるべきか。常にどの選手に対しても平等に接することや、どんな状況であっても自分を信じ切ることを選手・スタッフに言ってくれました。この状況でも一つになっています。誰一人としてロッカールームで愚痴や文句を言っていないのは、この2年間があったからだと思います。



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