
#104
2026.3.31 Update!!
小林慶行
これからJ1に挑もうとするシーズン開幕前に指揮官に聞いた。
17年ぶりに戻った舞台で、ジェフはどう戦うべきなのか。
指揮官の答えは“ジェフの現在地”そのものだ。
※取材日:2026年1月23日
※『United vol.318』掲載として実施したインタビューを“ほぼノーカット版”としてお届けします。
インタビュー・文=細江克弥
―― 慶行さん、今日は浦和レッズとの開幕戦で発売する『United vol.318』用のインタビューです。よろしくお願いします。ちなみに、今回は掲載する文字量が少ないのでサクッと終わる予定です。20分くらいで。
ハハ、わかりました(笑)。でもまあ、覚悟して時間調整してあるので、そこそこ長くなっても大丈夫ですよ。
―― いやいや、今回ばかりはサクッと終わらせます。いつも長くなっちゃって申し訳ないので。
わかりました。よろしくお願いします。
―― よろしくお願いします。まだ開幕前なのでなんとも言えないところもありますが、トレーニングを見て、選手たちと少しずつ話している中で「やる気に満ち溢れているな」と感じるんですけど、監督としてはどうですか?
そういう意味では「外から見て、どう見えているのかな」というところがずっと気になっていました。
―― というのは?
なんかもう、フラットな状態で見るのが難しいというか、ついこのあいだまでJ2リーグを戦っていたという感覚が強くて、結局オフもほとんどないままずっとクラブハウスに来て仕事をしていたので、僕自身がリセットされた感覚を持つのが難しいところがあって。ただ、形としては新シーズンということになるわけで、メンタル的にもある程度のリセットがある中で、確かに選手たちからは特別なモチベーションを感じる“気がする”んだけど、一方ではケガで(鈴木)大輔や(田口)泰士が離脱している影響もあるし、それから何人かの新戦力が入った影響もあって、どこかふわっとしている空気感もあるのかなと。そのあたりを見極めて自分なりの感覚を定めなきゃいけないんだけど、そもそもその空気感を見極める自分の視点がちゃんと定まっているのかどうかもよくわからないというか(笑)。
―― なんとなく理解できます(笑)。
だから、細江さんみたいに外から見る人の“見え方”として、継続的に高いレベルを求めようとする監督としての自分の感覚と、同じように新たな舞台へのやる気に満ち溢れている選手たちの感覚がズレていないのだとしたら、ちょっとホッとしますね。
―― いやあ、つくづく難しい時期ですよね。もちろん僕は現時点では選手個々に少しずつ話を聞いているだけでチームを“集団”として見ていないので、自分の感覚が正しいとも思わないんですけど、でも単純に、選手個々と話してみた感じでは「みんなものすごいワクワクしてるじゃん」と。昨シーズンの達成感と、それによる“一歩前進”の感覚が強いんだろうなと思っていました。
それなら良かったです。このシーズンを始めるにあたって僕自身が一番気をつけなきゃいけないのは、昨シーズンのことを「もう終わったこと」として理解させることだと思っていたので。いつも言っているけど、やっぱり俺たちの世界は「今、何ができるか」がすべてなんだよと。それが評価なんだよと。それを改めてはっきりと言い聞かせて、昨シーズンの結果を忘れさせなきゃいけないんですよね。
ただ、あの結果を掴むに至ったプロセスだけは絶対に忘れちゃいけない。それこそが自分たちにとっての土台であって、もちろん今も、未来も継続的に大きくしていかなければならないものだと思うので。
僕自身がこのシーズンを始めるにあたってそのアプローチだけは絶対に間違えちゃいけないと思っていたから、選手たちとの会話の中で、そういう意識付けを踏まえた上でのギラギラ感を感じてもらえるなら嬉しいです。
―― 仕方ないこととはいえ、監督ご自身のお休みが少なかったこともマネジメントの難しさの一因ですよね(笑)。
いやあ……それについてはもう、思い切り開き直ってポジティブに考えるようにしています。編成にかける時間もないし、いろいろな理由があってキャンプにも行けないし、スケジュールはびっしりでぜんぜん休みが取れない状態ではあったんですけど、だからこそのプラス面も絶対にあるぞと。時間がないからこそ必要十分で勢いのある補強ができたと思うし、キャンプに行かないからバタバタせずに済むし、休みがないからこそメンタリティーを継続させられるぞと。
とはいえ選手たちにはちゃんとしたオフが確保されていたので、問題はむしろ自分ですよね(笑)。「俺、ぜんぜん休めないじゃん」という感覚はもちろんあったので、とにかく自分のパワーを継続的に出し続けようとする意識を強く持っていました。めちゃくちゃポジティブに開き直る感じで。
―― それで維持できるのがすごいです。
僕自身の考え方として、百年構想リーグの半年間を「2026/27シーズンの“手前”に存在する半年間」ではなく「2025シーズンの“続き”として存在する半年間」と捉えているんですよ。だから、半年後にちゃんと休みます。それまでは突っ走ろうかなと。
―― なるほど。
だって、よく考えたら最高の環境じゃないですか。今の自分たちにははっきりと目指すべき場所があって、その舞台で何ができるかにワクワクしながら3年前から積み上げてきたわけですから。
ひとつの関門をクリアして、やりたいサッカーがあって、それを思い切り試せる場所がある。ここで結果を残すことを目指してやってきたんだから、最高の準備をしたいし、その部分で後悔するようなことがあってはいけないよなと。
―― 超ポジティブ。
もはや無理矢理ですけどね(笑)。でもまあ、選手たちだけじゃなく自分たちもまた競争の世界にいるということです。僕自身はそういう感覚でコーチ時代からこの仕事と向き合ってきた自負があるし、何かを犠牲にしてでも仕事にのめり込まないと、周りにある余計なものに飲み込まれてしまうという感覚がある。
目標があるからには譲っちゃいけないと思うんですよ。そういう姿勢を家族にも理解してもらっているからこそ、僕の場合は仕事が成り立っているんだろうなと改めて思いますね。
―― いつもと違う正月、みたいな。
そうそう。