
#110
2026.9.25 Update!!
ホセ スアレス
インタビュー・文=細江克弥
―― ホセ選手、おつかれさまです。よろしくお願いします。
おつかれさまです。よろしくお願いします。
―― 開幕5連敗という結果は、やっぱり“観ている側”としてのショックも大きい。選手としてはどう受け止めていますか?
結果はもちろん残念です。ものすごく悔しい。でも、僕自身はそんなに重く受け止めていません。長いシーズンを戦っていればどんなチームにもそういう時期はあるし、起こり得ることだと思うからです。ジェフにとってそれがこの序盤戦に来てしまったということであって、もちろんそれは避けなければならなかったし、なんとしても避けたかった。でも、だからといって「もう終わりだ」と諦めるわけにはいかないですよね。やり続けるしかない。それだけのことだと思っています。
―― それはメンタル的な苦しさを抱えながらということ? それとも平常心で戦い続けるという感覚で?
僕はGKだから、これだけ失点が多い状況で平常心を保つのは難しいです。自分たちのゴールネットが揺れる瞬間を一番近くで見ているからものすごく悔しいし、失点にはいろいろな理由があってその責任はチームとして負うべきだけど、やっぱり自分自身に対してものすごい歯がゆさを感じます。
ゴールネットが揺れる瞬間を一番近くで見ているからこそ、その思いをチームメートにはっきりと伝えることが僕自身の役割としてものすごく大事ですよね。ポジティブに振る舞うのか、厳しく叱咤するのか、その瞬間に取るべき行動を取って、思いをチームメートと共有しなきゃいけないと思っていて。
―― ちなみに、プロになってからこれだけ多くの失点を重ねて連敗した経験って……。
実は、あるんですよ。バルセロナのBチーム時代、スペインのセグンダ(2部リーグ)でプレーしていた頃です。18試合に出場して34失点しました。1試合平均で約2失点だから、かなりキツいシーズンでした。
もちろん、失点にはチームとしてコントロールできない失点もあるし、GKとしてコントロールできない失点もあると思うんです。たとえそうだとしても、GKとしてはいかにコントロールして、失点を1つでも減らせるかを考えなきゃいけないし、そこで勝負しなきゃならない。今となってはすごくいい経験だったと思うんですけれど、本当にいろいろなことを考えさせられたシーズンでした。
―― GKというポジションは、メンタリティーの持ちようが本当に難しいですよね。
そうかもしれません。でも、そういう意味では僕自身のメンタリティーは日本に来てから大きく変わったんですよ。
―― というと?
子どもが生まれたことがすべてのきっかけでした。徳島ヴォルティスにいた2023年の秋です。あの時に感じました。人生最大のイベントであり、人生最良の瞬間とは自分の子どもを抱っこしたあの瞬間のことで、それに比べればすべてのことがあまりにも小さいなと。試合中に起こるミスも、対戦相手に負けることも大したことじゃないと思うようになりました。
いや、むしろ感謝するべきかもしれません。僕たちは自分が好きなことをやって、お金をもらって、人を幸せにすることができるのだから、そういう境遇に感謝しなきゃいけない。だからこそ、ミスをしても試合に負けても落ち込んでいる場合じゃないし、何があっても前に進まなきゃいけないと思えるようになりました。サッカー選手であり、GKである僕自身のメンタリティーは、そう思った瞬間から圧倒的に強くなった気がします。もうひとついいですか?
―― もちろんです。
今のジェフが直面している状況は、確かに良くないと思います。ここまでの結果を見て「たぶんJ2に落ちるだろう」という声があることも知っています。でも、残り試合が30試合以上もあるのだから、この状況を逆転させられる可能性だって同じようにありますよね。むしろ、残り30試合以上もある今の段階で「落ちる」と決めつけるほうが僕にとってはおかしい。スペインにある闘牛の文化は、最後まで何が起こるかわからないという教訓そのものです。僕は、必ず逆転できると思っています。