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#056

2021.6.29 Update!!

ボールは返ってくる。

見木友哉

6試合すべてスタメン出場。さらに4試合連続ゴール。
5月の「2021明治安田生命JリーグKONAMI月間MVP」を受賞した見木は、
現在のジェフにおける攻撃のキーマンだ。
ジェフへの加入経緯や好調の要因について、本人に聞いた。
※取材=2021年6月3日(第16節終了時点)

インタビュー・文=細江克弥


見木友哉

“その日のベスト”を見つける

―― ジェフにとっては“時の人”である見木選手ですが。

いやいや(笑)

―― いきなりですが、どうして4試合連続得点できたのか教えてください。

うーん……。逆に言えば、4試合連続で取れるまでは琉球戦の1点だけですからね。そこから続かなかったことのほうが自分の中では大きくて、チャンスがあった中で決められなかったので、そこはかなり悔しかったです。ゴールに対する飢えが強いので、それが4試合連続という結果につながった気はしますけど……4試合連続といっても実はシュート数は多くなくて。1回のチャンスを決めることができているというのが特徴だと思います。

―― なるほど。試合後の取材対応ではいつもクールに得点を振り返る程度にしか喜びを表現しない見木選手ですが、でも、きっと心の中ではめっちゃ喜んでますよね?

そうですね……まあ、喜んでます(笑)。試合後の囲み取材で喜びを表現するのはちょっとした難しさもあって、確かに取れたことは嬉しいし良かったと思うけれど、自分としては“それ以外”が気になってしまうタイプでもあるので。だから、あの場ではどうしてもそういう感じになっちゃうというか。

―― 「点を取ったくらいで浮かれられない」という気持ちも強い?

それはあります。特に僕の場合、調子がそんなに良くないのに点だけは取っちゃうみたいなタイプがあまり好きじゃなくて。FWの選手ならそれでいいと思うんですけれど、自分はそうじゃないし、ゴール以外のプレーもちゃんとできていないと喜べないというか。

―― でも、そう言っている今でさえも、わざとクールに装って……。

ないです(笑)

―― 試合後に家族に電話して自慢してるとか……。

ないです(笑)。でもまあ、友達からかかってきた電話で「4試合連続すごいな」と言われて、冗談半分で「すげーだろ」みたいに言うことはありますけど、まあそれくらいです。

―― 得点以外のプレー内容が伴わなければという話は、日頃のプレーを見ていればよくわかる気がします。例えば、FC町田ゼルビア戦(第15節)は、特に立ち上がりの時間はボールフィーリングも悪かったし、身体も動いていないように見えた。でも、結局あの試合でも点を取りました。

そういう状況でも、“その日の自分”に徐々に適応していくというか、試合の中で“その日のベスト”を見つけることが大事なのかなと思っています。結果としてそういう時でも点を取れるのはいいことだと思うけれど、やっぱり、僕自身としては一人の選手として「どれだけ違いを作れるか」を大事にしているので、そこにはこだわりたいですね。

―― じゃあ、点を取ったからといって調子に乗ることはない。

全然ないです(笑)。僕なんて、本当にまだまだですから。

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